林檎の妖精 #12
運転していると、琴が色々な話をしてくる。
「お父さん、これ知ってる?」
保育園で流行っているのか、知らないゲームや言葉の話を次々と出す。
「へぇ~、そんなのがあるの?」
周りの友達から色々なものを吸収しているのだろう。今のうちにどんどん吸収して、色々な可能性を見せてほしいなと思う。
少し暗い道に差し掛かった。細道だが、ここを通る方がお店に早く着くのだ。横に雑木林が広がっている。
「ほら、琴見てごらん。森があるよ。」
「ほんとだ!イシキュアマナムがいるかもしれないね。」
(・・・え?)
「そうなの?」
「そうだよ、イシキュアマナムは森にいるんだよ。」
(・・・もしかして、あの時。あそこであった人に、森の場所を聞いていたら・・・。)
「イシキュアマナムは、いつも森にいるの?」
もっと聞いてみる。
「森にもいるし、川にもいるよ。」
「川?」
「そう、川だよ。凄い大きくて、きれいな川だよ。」
次、あの列車に乗ることが出来たら、会うことが出来るかもしれない。何だか妙なワクワクを感じていた。
会うことが出来たら、聞きたいことが沢山ある。誰なのか。何故、あそこにいたのか。そして、琴とはどこで知り合ったのか。今はどこで何をしているのか。
Created by Ryohei Osawa
こちらは、キングコング西野亮廣さんが現在制作を進めている【夢幻鉄道】という作品の「二次創作」となっています。