林檎の妖精 #5
その日の夜。
妻と子供が寝てから、過去に撮ったホームビデオを見返していた。昨年の運動会の映像だ。徒競走に玉入れ、お遊戯などを頑張っている。
(今年は出来るのかな・・・)
ふとそんなことを思ったとき、カチャッと寝室のドアが開いた。琴が目を擦りながら出てきた。目が覚めてしまったようだ。
「ダメだよ、寝てないと。」
「でも、目が覚めちゃったんだよ。」
(まったく・・・)
ひとまずトイレに行かせる。その後、戻ってきた琴はテレビで流れている運動会に気が付いた。
「あ、琴の出てるやつだ。」
ニコニコしながら見ているので、怒るのも可哀想になり少し一緒に見ることにした。自分の走る姿をみて笑っている。不思議なものだ。
(こういう思い出を、どんどん増やしていきたいな・・・)
次の瞬間。
「・・・あ!!イシキュアマナムだ!!」
(・・・え?)
慌てて一時停止を押す。少し戻して再生する。
「どこ!?」
「・・・あ、ここだよ!!」
一時停止。巻き戻し。再生。
「・・・ここ!!」
確かに今何か見えた。
赤のようなピンクのような何かが一瞬横切る。
一瞬過ぎて何かは全く分からない。しかし、琴にははっきり見えているようだ。
・・・え、・・・去年の運動会にいたの?
Created by Ryohei Osawa
こちらは、キングコング西野亮廣さんが現在制作を進めている【夢幻鉄道】という作品の「二次創作」となっています。
▼西野亮廣さんによるでも音源
髪型はマツモトクラブみたい^^;