林檎の妖精 #18
駅を降りると、雨が降っていた。
(明日は晴れると良いが・・・)
今の時点では予報は晴れになっているが、少し不安もある。何せこの雨が予報にはなかった。
折り畳み傘を広げながら、足早に自宅を目指した。
家に帰ると、風呂場から声が聞こえた。どうやら全員で風呂に入っているようだ。カバンを置いて着替えると、パソコンの電源を入れた。
(夢幻鉄道・・・と)
検索すると、この小説が最初に出てきた。どうやら驚異的に売れているようだ。確かに話としては非常に面白い・・・けど、私はそんな悠長なことを言っていられない。何せ、これを現実世界で体験してしまったのだから。
分からないことは、3つ。
まずは「イシキュアマナム」だ。琴から少し情報は聞いているが、実態が全くつかめていない。
そしてあの世界、あれがもしこの【夢幻鉄道】と同じ世界なのだとしたら誰かの夢の中ということになる。それが誰の夢なのかが分かっていない。
そして、何故あの世界に私が行くことが出来たのか。あの列車が私の前で止まったという事は、恐らく私に関係のある誰かの夢の中なのだろう。確証はないが。
あの世界にもう一度行きたい。そして、イシキュアマナムがいるなら会って話がしたい。
Created by Ryohei Osawa
こちらは、キングコング西野亮廣さんが現在制作を進めている【夢幻鉄道】という作品の「二次創作」となっています。