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林檎の妖精 #16

仕事帰りに、会社の近くの本屋に立ち寄った。家の近くにも本屋はあるが、都心に比べると規模が小さいので、色々見比べるのは都心の本屋の方が都合がいいのだ。

お店に入ると、入口からすぐのところに新作コーナーが出来ていた。

今日の目的はガイドブックだったが、ちょっとだけと決めてその新作コーナーを眺めていると、一冊の小説が目に入った。

【夢幻鉄道】

東山さんという人が書いた本のようだ。

(新人さんかな?聞いたことないな・・・)

中をパラパラと呼んでみると、思わず鳥肌が立ってしまった。私が先日体験した不思議な出来事とよく似ていたのだ。

(いや、まさか・・・単なる偶然・・・)

そう思ったが、少し考えてみた。

(もし・・・もし、私が乗った列車がこの【夢幻鉄道】だったとしたら・・・この小説に、何かヒントになることが書いてあるかもしれない)

しっかり読んでみようと思い、購入することにした。何ならこの東山さんという方に直接話を聞きたいくらいだ。

「これください!あ、袋は要りません。」
「じゃあ、テープで失礼しますね~。」

購入した小説をカバンにしまい、本屋を足早に立ち去った。

温泉地のガイドブックを買うことは、とうに忘れてしまっていた。

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Created by Ryohei Osawa

こちらは、キングコング西野亮廣さんが現在制作を進めている【夢幻鉄道】という作品の「二次創作」となっています。

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