林檎の妖精 #9
辺りを見渡してみるが、「別世界」という言葉しか出てこない。見るもの全てが不思議な色や形をしている。変わった木、変わった花、変わった建物。
(・・・まさか、外国まで来ちゃったのか?)
人のいる気配はあまり感じられない。列車から一緒に降りた人も、いつの間にか姿を消していた。皆、どこかへ行ってしまったようだ。乗ってきた列車も、いつのまにか消えていた。
(・・・ひとまず歩くか。)
ここがどこなのかも、どこへ行けばいいのかもわからない。ひとまずここがどこかを知りたい。人を探そう。
幸いにも少し歩いたところで人に会うことが出来た。そして、これまた幸いにも言葉が通じた。
「あの、ここは何という場所なのですか?」
「う~ん、何って言われてもなぁ・・・。」
「地名というか、何か名前があるでしょ?」
「う~ん、この辺にいる人はここから離れることがないから、あまりそういうの気にしないんだよなぁ~。」
(・・・どういうことだ?自分の住んでいる場所を知らないという事か?)
質問をすればするほど、分からないことが増えていく。困った・・・、何か解決の糸口はないものか・・・。
(・・・あ。)
「あの・・・、イシキュアマナムってご存じですか?」
Created by Ryohei Osawa
こちらは、キングコング西野亮廣さんが現在制作を進めている【夢幻鉄道】という作品の「二次創作」となっています。
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透き通った歌声に引き込まれました *^^*
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