お持ち込み生地でのオンラインオーダー はじめた背景
先月末に初めて開催した、生地お持ち込みでのオンラインオーダー。
今後も時々受注会を開催する予定です。
これまでにも、対面販売時にはお受けしていたのですが、オンラインでの受注会は今回初めての試みでしたので、背景をお書きしてみようと思います。
私が20代のころ、社会人として初めて経験したのブライダルジュエリーの販売でした。
販売スタッフ以外にも、各店舗にデザイナーや職人、関東の大きな工房にはたくさんの職人がいる、そんな会社でした。
ジュエリーというと一見華やかなイメージですが、土日は休憩もなく店頭に立ち、結婚という幸福感と繊細な空気に包まれたお客様の前で、当時の未熟な私には毎日緊張の連続でした。
でも、目の前でものが作られる現場はとても楽しく、充実した数年間を過ごしました。
社長は、もとはジュエリーの金属加工職人で、その社長がことあることに口にしていた言葉です。
店頭にあるたくさんのリングは、そのままのデザインでサイズや素材を変えて作る場合以外にも、デザイナーがお客様の要望に合わせて一からデザインするようなオーダーメイドの場合に、自社が可能な技術や安全なデザイン、素材の特性などを伝え、お客様の好みを引き出すツールとしての役割も担っていました。
その会社らしさを象徴するようなデザインも作りつつ、オーダーメイドができることを強みの一つにしていました。
ですので、ハイブランドなどとは少し違う立ち位置です。
その上での社長の言葉は、今あらためて考えてみると、おそらくオーダーメイドを提案の一つとしている会社のスタッフとしては、”自分たちのこだわり”と言ってしまうと、もしお客様がそうではないものを希望する場合、要望を言いにくくなってしまうということも理由の一つにあったのだと思います。
ものづくりには色んなアプローチがあると思うのですが、金属から布に素材が変わっても、私の最初に身についたもの作りに対するベースはこの時にできました。
そして、今まで自分が制作したものについても、こだわりという表現は使わずにきたつもりでした。
ですが最近、自分が日々選択してきたことは、こだわりに近いのではないかと感じるようになりました。
なぜこの仕様にしているのか
なぜこの生地を使っているのか
なぜこのパーツなのか...
そんな中で、対面販売時にはお受けしていたお持ち込み生地オーダーを、オンラインでもお届けしてみようと思い立ちました。
服の場合、同じデザインでも、生地次第で好きかどうかがだいぶ変わると常々感じます。
各アイテムのオプション加工以外にも、レースを挟んだり、生地を切り替えたりなど、ご相談いただければお好きなアレンジも加えることができます。
ぜひお好きな生地で、もっともっと”好き”なアイテムをお届けできたら嬉しく思います。