ロシア・サンクトペテルブルクを訪ねて 2
ピョートル大帝による建都以来ロシア最大の文化都市として発展したサンクトペテルブルク。美術・音楽・建築そして文学……多彩な文化が花開いた街。この土地の歴史と文化の厚みを感じずにはいられない。
時代を超えて残る「美」の宮殿
途方もない数の美術品が展示されるエルミタージュ美術館。
入り口はこちらで、事前のWEB予約がおすすめ。
あまりにも豪華で息をのむほどの空間が続く。
目的の一つであった「ブノアの聖母」は展示されていなかった……。
レンブラント、ティツィアーノ、レオナルドダビンチ、ラフェエロ、ルーベンス、ベラスケス ……あまりにも偉大な画家の作品が無数に並ぶ美の殿堂。
一日では全室をまわることはできない。
過去に日本での企画展に展示された作品にも再開。比較的ゆったりと見ることができる。
歴史的なイコンや宗教画、至宝と呼ばれるようなオールドマスターの作品が中心に集められている。
エルミタージュは複雑な構造で迷いやすい。迷ったら「太子の階段」に戻るとわかりやすい。
本館の向かいには近代美術を展示する「新エルミタージュ美術館。」があり、印象派などの人気の作品を見ることができる。
ここは参謀本部で2月革命以前にはロシア帝国の最高機関である外務省や財務省が、そして10月革命後には多くのソビエトの組織が置かれていた。
エルミタージュ美術館(冬の宮殿)と比べ近代的な作りになっている。こちらも同様に、幾つもの部屋が繋がって美術品が展示されている。
芸術家たちが眠る美しい墓地
サンクトペテルブルクの守護聖人にちなんで名付けられたアレクサンドル ネフスキー大修道院は、複数の教会の集合体となっている。
隣接する墓地にはロシアを代表する芸術家たちが眠っている。
超絶技巧・リアリズム絵画
ロシアを代表する芸術家の作品が展示されるロシア美術館。
イヴァン・アイヴァゾフスキー、イヴァン・シーシキン、イヴァン・クラムスコイなど超絶技巧の写実作品が多く所蔵されている。
また、カジミール・マレーヴィチなど近代アートも所蔵されており、エルミタージュ同様に膨大な時間を要する。ゆったりと展示を見ることができた。
150年以上の歴史を持つ、マリインスキー劇場
1783年に女帝エカチェリーナ2世の勅令により、オペラとバレエの専用劇場としてサンクトペテルブルクに開設された「帝室劇場」を起源とする劇場で、1860年に宮廷オペラがその本拠地として建設されたマリインスキー劇場に拠点を移したことに始まる。
ロシア帝国期からソビエト連邦時代にかけて、著名な指揮者や音楽家が数多く公演し、この劇場でロシアの古典オペラの多くが世界初演された。
リムスキー=コルサコフ記念館
集合住宅の一角に作曲家リムスキー=コルサコフの記念館はある。
ロシアの住宅には鉄格子の柵が共用エントタンスに設けられ、入るには少し勇気がいる。
内部は広く、関連する資料や絵画、遊べるシミュレータなどもあった。
当時の室内の様子を再現した展示などが行われている。
広間では著名な音楽家が集まり演奏会を楽しんだ。
ドストエフスキー文学記念博物館
ウラジーミル生神女大聖堂の近くには、作家ドストエフスキーの住んだアパートが残されており、現在は博物館として一般公開されている。
当時ドストエフスキーと家族が住んでいたアパートが再現されている。
少し低くなったあまり目立たない場所に入り口はあった。
この様なシートがおかれ、自由に見ることができる。
人々との触れ合いも楽しめる蚤の市
鉄道などを利用して郊外で開催される蚤の市やビンテージショップへ。地下鉄は大江戸線以上にも深く潜り、シェルターとしての機能も果たすと言われている。
中心部を離れると葉なり廃墟の様な風景も目立つ。方向を確認しながらお店やマーケットを目指す。
日用品やかわいいぬいぐるみ、名門サンクトペテルブルク美術大学の学生のデッサン作品など、幅広いアイテムが購入できる。
開かれた蚤の市では意外な商品もあり楽しめる。そうした場所には伝統的なドリンク「クヴァス」の販売などもあって、お祭りの様な賑わいがあった。
広い公園・生活に根付いた教会
ロシアには広い土地を利用した広い公園が多数あり、同じ様に教会がいくつも点在している。生活の側に宗教があるのだと実感できる。
“閲覧注意”異形の博物館
雄大なネヴァ川沿いには様々な展示が行われる博物館クンストカメラがある。
ここでは原始時代のものから近代の品まで幅広く展示されている。
奇形の標本や剥製など恐ろしげなものも並ぶ異質な博物館となっている。
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