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水尾柚子蒸留(リカロマmini)
慣れないnote投稿で編集に手間取り、オンタイムで投稿できていないのですが、12/5〜6で京都に単身赴き、柚子の国産栽培発祥の地、京都右京の水尾まで行ってきました。
遣隋使または遣唐使により中国から伝わった柚子が、天皇の意向により最初に栽培された地と言われています。
今回は数日前に決めた旅で、蒸留現場ではなくあくまで下見、という形でしたがとても充実した旅でした。
この様子は詳しくは【香り旅】レポとして次回UP予定です(写真が多く整理に時間がかかっています)
この写真は今回泊まった祇園の宿の入り口のおもてなし。
京柚子といえば水尾柚子。
カラタチの接木で増やされる一般的な柚子と違い、実生の柚子であり、その為か香りだちも素晴らしい水尾柚子。
精油も貴重で、私は冬季限定でよくボディトリートメントに使っていました。
椿油と蜜蝋と水尾柚子精油でリップクリームを作るワークショップもお気に入りです。
水尾は京都中心地から電車とバスを乗り継いで1時間ほどの小さな集落で、実生であることから、産量は決して多くはなく、市内でもあまり沢山は流通していないということが実際に訪れてわかりました。
現地ではその貴重な柚子がまさに収穫期!
宿まで持ち帰れる量ということで、10玉ほど手に入れました。
旅から帰宅後、これまで使っていたステンレス製蒸留器に代わり、もっと気軽に試作でき中身が見えるガラス製のリカロマminiをこの度買いまして、実験してみました。
上は水尾柚子、下は高知産柚子です。
見た目で区別は難しいですが、決して鼻に近づければ香りだちの違いはすぐわかります。
明らかに鮮やかな、搾りたてジュースのような複雑で豊かな柑橘の香!橘にも共通する香りの質を感じました。成分が気になりますね
ドイツ製ピーラーで頑張って薄く剥いていきます。この写真からさらにもう一皮、しかし白い部分は出ないようギリギリまで攻めた皮むき。
初めての蒸留器なので場数を踏む意味で、
5玉ずつ2回に分けて行いました。
それぞれ1回めは92g、2回めは103g皮がとれました。
初回はガラス製なので緊張して、火加減も冷却方法も弱すぎ(推奨のIH加熱器はできれば使いたくなく、自己責任で手持ちの電熱器使用です)標準時間の2倍の40分かけて40ml蒸留水のみしかとれませんでした。
2回めは反省を活かし、火力をスパートしていき、氷も多めに。
見事、精油が約1ml取れました。皮は100gだけしか使用いないので、あくまで家庭用としてはまずまずの結果ではないでしょうか?
元々リカロマminiはハーブウォーターメーカーなので、精油までとれたのは嬉しいですね。柚子の芳香成分の多さを物語っているとも。
蒸留水も2回めの方が素晴らしく良い香りがとれました。
次回以降は2回に分けた蒸留を一気に済ませ、さらに多くの精油をとることができるでしょう。
自分で蒸留する意味とは、蒸留の仕組みを体で理解するとともに、精油がいかに貴重かを体感できる点にあります。
ちょっとした匙加減で、貴重な香り資源が活かせるか否かというのは、とても繊細な作業。
これを体験すると、精油との付き合い方が変わってきます。私がこの10年、いくつかの蒸留の現場に積極的に通った理由でもあります。
近々、庭園管理の仕事をしている夫が持ち帰ったウラジロモミの剪定枝を試してみるつもりです。
習うより慣れろで色々試していくのを楽しみにしています。
ちなみに、蒸留が終わった果皮は、カルダモンパウダーとアガベシロップで美味しいジャムにしました。
無駄を出さないのも、蒸留と向き合うことで大事なことと思っています。