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格安サロンが貧乏スパイラルから抜け出せない理由
ついついエステや整体などの施術料金を安くしてしまう方必見のnoteです。
物凄く頑張っているのに生活がカツカツなサロン経営者もいれば、それほど働いているようには見えないのに優雅に暮らしている有閑マダム的サロン経営者もいらっしゃいます。
有閑をストレートに表現すると、「ヒマ人」なわけですが、その時間の余裕はお金の余裕からきているので、ゆったり優雅なものです。
有閑の反対は「貧乏ヒマなし」ですかね?
「はたらけどはたらけどなお、わが生活(くらし)楽にならざり ぢっと手を見る」
労働階級の悲哀をあらわした「一握の砂」の一節ですが、令和の世になってもこういう自営業者さんはたくさんいらっしゃいますね。
この一節を書いた本人は放蕩三昧だったらしいですが。
優雅なマダムになりたいと思って始めたサロン経営、フタを開けてみれば、思ったよりも利益が出ずにカツカツな日々。
「結局、現実なんてこんなもんよね」と思っていても、本当に優雅なサロン経営者のいらっしゃる。
この違いは一体何!?…をこのnoteでお話しします。
これは成功者だけが知っている極秘のもの…ではなく、割と一般的に知られて法則で説明できます。
知ってしまえば、「え、そんなことだったのか…」と拍子抜けするかもしれません。
でも、知らなければ「はたらけどはたらけど…」の世界がこの先も延々と続いていくのです。
【こんな方におすすめ】
・忙しいのにあまり儲かっていない
・施術料金を上げたいのになかなか上げられない
・新規のお客様は多いのにリピートが少ない
・お客様に遅刻やドタキャンをされることが多い
・ラクして儲けているサロンに腹が立って仕方がない
これを読むことで世間で『お金のブロック』と呼ばれているものをサクッと外せるようになります。
…というか、格安にすることのヤバさ恐ろしさが理解できるようになるので、料金設定にきちんと向かい合えるようになりますよ。
1. 貧乏スパイラルにハマる6つの理由
施術料金を格安にすると、貧乏スパイラルから抜け出せなくなる理由をざっくり分けると下記の6つになります
1. そもそも十分なお金が循環していない
2. 変なアンカーがかかる 変なアンカーがかかる
3. コスパ/タイパが悪い
4. 悪い客層を呼び込みやすい
5. サービス向上のための投資ができない
6. セラピストのマインドが貧しくなる
2. そもそも十分なお金が循環していないので
今日は一番初めの『1. そもそも十分なお金が循環していない』についてお話しします。
商売をやるなら「十分なお金が循環しているところ」でするのは、必須条件です。
魚のいないプールに釣り糸を垂らして待っていたとしても、何万年経っても魚が釣れないのは明白の事実。
魚のいる場所に移動しないと、永遠に魚を釣ることはできません。
誰が見ても当たり前の事実ですが、貧乏スパイラルに陥りやすいサロンは結構やってしまいがち。
何万年とは言いませんが、何年も何年もお金の回っていない場所でサロンをやっていることが多いのです。
3. 少ないお金を大勢で奪い合う低価格帯地獄
は~い、これから地獄巡りツアーにご招待いたしま~す。
ほんのわずかなお金を大人数で奪い合う【低価格地獄】です。
地獄巡りをする前に、まずは【パレートの法則】というものを見ていきましょう。
この法則を知ることで、人やお金の分布の全体像を客観的に見ることができます。
パレートの法則は【20対80の法則】とも呼ばれています。
【パレートの法則】
結果の80%は、全体の20%の要素によって生み出されている法則
具体例を挙げてみますね。
セールスマンが100人いる会社を思い浮かべてください。
パレートの法則に当てはめると、その会社の売上の80%は上位20人のセールスマンによって生み出されています。
下位80%のセールスマンは、会社全体の20%にしか貢献していません。
たった一人で会社の売上を大半を作り出すトップセールスマンが存在する一方、毎月のノルマをこなせず売上がゼロに近いセールスマンも少なくはありません。
上位20%と下位80%の差はそれほど大きいのです。
この法則はサロンのお客様にあてはまります。
サロンの売上の80%はよく通って下さるお客様上位20%によって生み出されており、残りの80%のお客様はサロン全体の売上に貢献してくれる割合はわずか20%です。
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私のサロンでも、毎月20万円ものお金を使ってくださるお客様がいらっしゃれば、数ヶ月に1度3,500円ほどのフェイスパウダーを1個購入されるだけの方もいらっしゃいます。
小規模のサロンだとピンとこないかもしれませんが、お客様の数が増えるごとに【20対80の法則】に近づいていきます。
パレートの法則、結構色んな場面で当てはまるので、覚えておきましょう。
【3. お客様の数に惑わされると地獄を見る】
さて、パレートの法則を理解したところで低価格地獄ツアーの始まりです。
はじめに軽く経済のお話しすると、2022年のエステ業界の市場規模は3,141億円でした。
数字が中途半端なので、ここではエステ業界の市場規模は3,000億円としておきましょう。
結構な市場規模ですよね。
ですが、低価格帯の施術を好むお客様を見ていくと、実はそれほどお金が回っていないことがわかります。
パレートの法則に当てた図にすると、こんな感じ。
エステによくお金を使ってくれている上位20%お客様の市場規模はパレートの法則に当てはめると、3,000億円の80%で、約2,400億円。
エステにあまりお金を使わない下位80%のお客様が作り出している、売上は全体の20%の600億円。
格安のサロンがターゲットとしているお客様は、エステにあまりお金を使わない下位80%にあてはまります。
下位80%の市場規模はエステ業界全体の5分の1に当たる600億円。
エステ業界の市場規模が一気に縮小してしまいましたね。
4. 人気のあるサロン、利益が出ているサロン、どちらを選ぶ?
ちょっと質問です。
もしあなたがどちらか好きな方を選べるとしたら、どちらのサロンを選びますか?
A. 人気のあるサロン
B. 利益がたくさん出ているサロン
この選択肢を見て
「人気のあるサロンと利益が出ているサロンて同じじゃないの?」
と思われる方は多いと思います。
もちろん人気があって利益が出ているサロンはたくさん存在します。
しかし一方で、お客様の数は多いのに、利益が少ないサロンというのもあなたが想像する以上に多いのです。
予約でいっぱいで忙しいのに、蓋を開けてみると売上がちょっとしかないサロンですね。
いわゆる『格安サロン』がそれに当たります。
特に、格安クーポンで初回割引目当てに来ているご新規さんが多い場合は、お金に苦労することになります。
なぜならば、初回割引目当てで来ているご新規さんの中には初めからリピートする気などさらさらない方も結構な割合で含まれているからです。
そうしたサロンの場合、リピートしないご新規さんをずっと格安価格で施術し続けるという格安地獄が待っています。
ご新規さんがリピートしなければ、ずっと集客し続けなければならないので、【無限新規集客地獄】を味わうことになります。
この無限地獄にハマってしまっているサロンさん、結構多いですよ。
5. お客様の数よりも、お客様の「質」に目を向けよう
前述の繰り返しになりますが、格安クーポンサイトが幅をきかせているという現実の通り、「エステの施術料金は安ければ安いほど良い」という層は非常に厚いです。
1つのサロンに通うのではなく、初回割引目当てに色んなサロンを転々とするクーポンジプシーと呼ばれる人たちも結構な割合で存在することはあなたもご存知だと思います。
そして、そのクーポンジプシーの中には高確率で「そもそも正規料金を支払って通い続けるつもりない人」「そもそも正規料金を支払うだけの経済力がない人」というのも含まれているので、これまた厄介。
だって安い初回の施術受けたら、リピートなんてしないのだから。
「施術料金は安い方が良い」こうした価値観の方は非常に多いのですが、そこから生まれる売上は非常に少ないのですね。
つまり格安層に自分自身を置いておく限り、どんなに頑張ってもサロン経営が上手くいく可能性はすっっっごく低い。
…にも拘わらす、この層にいる格安サロンさんは同じ商圏のサロンさんより「より安く」みたいな血迷った戦略を立ててしまう。
何この地獄。
低価格地獄は貧乏の蟻地獄への入り口です。
6. ラクして儲けてるサロンってズルい!…のだろうか?
ここまで低価格地獄について書いてきましたが、その一方でラクて優雅に儲けているサロンというのも存在するわけです。
「何それ、ズルい!」と思うなかれ。
貧乏脳の人は「苦労せずにたくさん稼ぐ人は何か悪いことでもやっているに違いない」と考えがち。
でも、ラクして儲けてるサロンがやっていることは、富の8割が循環している上位20%の方々に対してアプローチしている、これだけなんですね。
そりゃ、頑張らなくても儲かるでしょ。
だって、
◎美容に対する意識が高い
◎美容にお金をかけることへの優先順位が高い
◎サロンを選ぶ基準が安さではなく「質」
◎高額なエステでも良いものなら気持ち良くお金を支払える経済力がある
こういう方々を対象にしてるんだもん。
そりゃ、ラクですわ。
貧乏サロンと豊かなサロンを分ける、非常にシンプルな考え方は、
◆自分のお客様を上位20%の美容に投資できる方々にするのか?それとも、◆下位80%の格安クーポンで色んなサロンを転々としているジプシーを選ぶのか?
どちらかを選択するかだけなのですね。
7. それでもどうしても安くしてしまう場合は…?
私は小規模サロンのコンサルを9年しておりますが、上記のことを噛んで含めるようにお話ししても、やはりどうしても下位80%にとどまることを選ぶサロンもいらっしゃいます。
その理由は、『下位80%』にいることがその人にとっての『コンフォートゾーン』になってしまっているから。
コンフォートゾーンを日本語にすると『快適な領域』、つまりその人にとっての『安全圏』となります。
利益の少なさに慣れてしまうと、利益が全然出ずに経済的に困窮している状態が『コンフォートゾーン』になってしまう場合があるので要注意です。
その状態が長く続けば続くほど、そこから抜け出せないということにも。
そんなことにならないためにも、下位80%から一歩踏み出して、『上位20%』を意識する。
それだけでも、サロン経営は大きく変わるはずですよ。
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