バカほど自信満々な理由
「なんであの人、実力も大したことないのに、あんなに自信満々なの!?」
こう思ったことはないでしょうか?
反対に、何故か能力の高い人ほどやたらと謙遜したりしたりします。
不思議な現象ですよね。
今回は、アグレッシブなタイトルの割には結構真面目なお話。
経験も積んで勉強もたくさんしているのに、何故か自信が持てないという方に向けて書いています。
今よりも昔の方がパワーのある文章が書けてた…
少し前にサロン経営のクライアントさんとお話をしていてこんなお悩みを打ち明けられました。
これに対しての
私の返答は、
昔は自分の思うことを断言できていたのですよね。
「◎◎だと思います」ではなく「◎◎です!!」と。
こうして言い切るとインパクトのある強い文章になるんですね。
断言することで強い自信を感じさせるし、読者さんからも信頼されやすくなるし、何よりも集客しやすくなります。
人は自信がある人について行きたがりますからね。
それなのに、いつの頃からか、私にはそういった断言がきなくなっていました。
↓そして、こんな感じの
ちょっとボカす感じの表現に…
クライアントさんも
「あー、わかります!私もです」
とおっしゃっておられました。
なんか経験を積むごとに自信がなくなって、パワーがなくなっってきている!?
…と、
なんだか悲しいお知らせのような感じがありますが、
実はこれも、成長の1つ。
どういうことかというと、
何かを始めたばかりの頃は知識も経験すくなく視野も狭いので、
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『A=B』
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と言われたら、それが正しいと思い込んでしまって、ドヤ顔でそれを発信しちゃったりするんですよ。
『即断即決即行動こそが
正義です!』とか
『経営者は一貫性を
持たなくてはいけません!』
とかね。
ははは、コンサル業を始めたばかりの頃の私です。
この頃、何故か自己啓発本ばかり読んでいました。
実際には、どちらも状況によっては正しいし、どちらも状況によっては間違っています。
特に『一貫性』に関しては、持たない方が生きやすいとさえ思っています。
何故ならば、生きていく上で絶対的な『正解』なんてないから。
その時、その状況によって適切な『解』は変わるからです。
なので、場面場面で求めるべきものは『正解』ではなく
いくつもの選択肢がある中で、その状況に一番合うものを選択することが大事なんですね。
で、経験を積めば積むほどその選択肢が多くなっていきます。
そうすると、その多く選択肢の中から『最適解』をチョイスするのが困難になってきます。
こういう状況ではAがベストだと思うんだけど、人によってはBの方がいいかもしれない…
できるだけ正解の近づけようとすればするほど、なかなか断言することができなくなってくる。
表現が曖昧になると言葉が弱くなります。
言葉が弱くなると、集客力も弱まってきます。
こうした現象は、経験を積んだ人ができるだけ物事を『正しく伝えようとした結果』だというのが、なんとも皮肉なものです。
その断言回避の行動は、『謙虚さ』とも言えるんですけどね。
バカほど自信満々な理由
ちなみにタイトルの『バカほど自信満々な理由』には、名前がつけられていて、『ダニング・クルーガー効果』と呼ばれています。
ウィキペディアを見ると、こう書かれています。
…だそうです。
能力が低い人は、そもそも自分を客観視することができませんからね。
小さい子供が「ぼくって天才!」と謎の万能感を持っているのと同じような感覚でしょう。
初心者時代の自分を振り返ると、かなり恥ずかしい…
初心者のボーナスステージ
「能力の低い人ほど自分を過大評価しやすいから、気をつけようね」
これが言いたいわけではありません。
むしろ、客観性に欠ける故に自己を過大評価してしまう時期というのは、《ボーナスステージ》だと思っています。
だって、勘違いでもなんでも自信があるように見える人って人がついてくるじゃないですか。
私もサロン専門でコンサルを始めた時、なんかよくわからないけれど勘違いをやらかしていていましたが、集客がラクでしたもん。
結構人って、その情報が正しいかどうかよりも、自信をもって発信しているかどうかに反応するのだと思います。
『勘違い力』とでもいいましょうか。
勘違いで自己評価が異常に高くなっている時は、ある意味、無敵です。
批判されようが何しようが、人の話なんて聞いちゃいないからね。
だから躊躇なくガンガン前へ進めるんですよ。
個人的には『ダニング=クルーガー効果』というボーナスステージの期間中に前へ進めるだけ進んでしまえばいいと思います。
「そんなことをしていると、いつか必ず痛い目に遭いますよ」
こういう人もいるでしょう。
そんなの当たり前じゃないですか。
勘違いバカは必ず痛い目に遭います。
でも痛い目に遭ってもいいんですよ。
そこからがスタートですから。
「営業は断られてからが勝負」とよく言われていますが、同じようなノリですね。
勘違いバカは痛い目に遭ってからがスタート。
痛い目に遭ったところでそこで人生が終了するわけではないですし、ボーナスステージの時に経験を積んでいるので、その経験値はしっかりゲットしています。
稀に物凄く痛い目を見てもずっと勘違いし続けている人もいますが、それはそれで才能だと思います。
恋愛では勘違いが過ぎてストーカーになったりすると、警察沙汰になって人生終了するかもしれません。
でも、ビジネス面での勘違いバカは周囲から陰口を叩かれる程度だと思いますので、勘違いが過ぎてもそれほど実害はないのではないでしょうか。
本当に『勘違い力』が高い人は陰口を叩かれたところで、「周囲を嫉妬させちゃう私/俺って凄い!」とまた幸せな勘違いをしますので、やっぱり才能ですよね。
羨ましい。
また、経験を積み上げていくうちに、勘違いが本物の実力になることもありますので、「あの人なんか勘違いしてるよね」と言われること恐るよりも、行動してしまったもの勝ちですね。
ダニング=クルーガー効果が切れてしまった人は?
では、冒頭に書いた私のクライアントさんや私のように、長年経験を積んでダニング=クルーガー効果が切れてしまった場合はどうでしょう?
まあ、その場合は「普通にやれ」としか言いようがないですね。
だって、勘違いパワー効果が切れて通常の状態に戻っただけだもん。
成長すればするほど、能力の高い人に接する機会も増えますし、その能力の高い人の凄さが理解できるようになります。
能力の高い人の凄さがわかるようになると、自然と自分自身の能力を客観視できるようになり、謙虚になる、と。
何も知らない状態だと、物凄くレベル高い仕事を見てもその凄さがわからないんですよね。
実際にやってみないと、レベルが高いと言われる領域まで辿りつくまでにどれくらいの努力が必要なのかがわからない。
YouTubeで動画を配信したことがない人は、『YouTuberなんて毎日遊んでいるようなもの』だと思ってしまうことがあるでしょう。
「毎日好きなことして遊びながら広告収入をもらっていいご身分だな」と思う人もいるでしょうし、「YouTuberになれば、広告収入で年収億稼いでタワマンに住める!」と安易に考えている人も結構多いんじゃないかなとも思います。
でも、実際に動画の配信をしてみると、企画を考える段階でも苦労して、撮影でも苦労して、動画編集でも苦労して、「動画1本作るのってこんなに大変なんだ」ということを実感すると思います。
やっと動画作成が終わって、いざアップロードしてみると、今度は再生回数が全然増えないという事実に直面します。
再生回数が全然伸びないことにヘコみながらも、広告収益を得られるまでずっと動画を作成し続けなければならない。
広告収入が得られるようになっても、この人気がいつまで持つか、視聴者に飽きられないようにするにはどうしたらいいか…と心労が絶えないでしょう。
その苦労はやってみないとわからないこと。
やってみて苦労を実感して、やっと自分の客観的な立ち位置がわかるということです。
そもそも日本人に勘違いバカは少ない
ここまでダニング=クルーガー効果について書いてきましたが、日本人の初心者って、勘違いで自信満々というより、むしろ謙虚ですよね。
セラピスト業界をみてみると、謙虚どころか初心者だからと萎縮してしまっている人の方が多いと思います。
多分、このnoteを開いてくれた方は、「自信がない」「萎縮してしまう」という方の方が多いと想像します。
だって自信満々の人は『バカほど自信満々の理由』なんてタイトルの記事を読んだりしませんから。
自信のない奴の嫉妬だと思ってスルーするでしょう。
それはそれでいいと思います。
「自信がないのが悩み」という人も多くいらっしゃいますが、やはりそれはそれでいいと思います。
チャンスを掴むために自分の能力以上の仕事を引き受けてしまったというお話をよく聞きます。
内心ガクガクブルブルしていたけど、頑張って余裕があるように振舞っていたら上手くいったとのこと。
虚勢を張った状態だったが、それが良い結果につながったというケースが多いようです。
自信があるかないかよりも、自信があってもなくてもやるかどうかということの方が大切なんですね。
ただクライアント側からみると、あまりにも自信がなさそうな人に任せるのは不安だから、クライアントには極力『安心感を与える』という心配りが必要です。
「任せてください!余裕です!」とか言わなくていいので、安定してるようには見せて下さいね。
会話をしている時に、『語尾を下げる』だけでも落ち着いた印象を与えます。
ブログなどの文章を書く場合でも、自信があるように見せることは大切です。
何も知らない昔は自信満々で書けていたのに、知識や経験が増えて断言ができなくなってしまった方は、できるだけ『読者に安心感を与える』ということを意識してみてください。
「自信があるように見せる」と自分にフォーカスするのではなく、読み手が安心して情報を得られるよう「読み手にフォーカスして」文章を書くことで結果は違ってくるはずですよ。
という方に向けて
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