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【非英語圏留学】フィンランドの英語プログラムで学ぶ

私は東フィンランド大学の学士課程、Lifelong Learning and Sustainable Development(LLLSus)で勉強しています。

先日、EMIディスカッションセッションなるものに参加しました。EMIというのはEnglish Medium Instructionのことで、英語が第一言語でない国で行われる英語プログラムの実情を調査し、改善しようというものだそうです。ディスカッションセッションでは、

・英語で学ぶことについてどう感じている?
・勉強していて何が難しいと感じる?
・アカデミックな文脈でのフィンランド文化についてどう思う?
・姉妹学科との合同クラスについてどう感じている?
・どうしていったら良いと思う?

などについて聞かれました。
参加者はオンラインに2人(+マイクの関係で参加できなかった先輩1人)、対面で2人でした。私以外の生徒はみんな自分の国で最低1つの学位を修了していたり、英語で学ぶ/教える経験があったり、教育分野でのキャリアを積んでいる方です。

今回以外にも、姉妹学科向け、教授陣向け、みんなで.…と複数回分けて行うそうで、ディスカッションはカジュアルな雰囲気でありながら、きちんとしたリサーチのようでした。

特に盛り上がったのは姉妹学科との協同についてです。合同クラスでもフィンランドの学生たちと留学生たちが自然に別々のグループに分かれてしまう傾向にあることが議題にあがりました。

フィンランド人同士の方が言語の壁がないし、同じ文化を共有する人とできるし、その方が楽だと思うのは当然だと思うので、難しい問題だと感じました。

・姉妹学科の人々は対面授業も多く「クラスメイト」の顔を知っているが、LLLSusはハイブリッド授業でキャンパスにいない人、異なったタイミングで到着した人がいるのでお互いのことを知らない。

・そもそも「グループワーク」がもつ難しさ。

などという言語以外の問題もあると思うので、授業外、例えばイベントへの参加などでお互いを知り合うのも必要だよね、という話になりました。

そういえば、高校でもグループワークや議論がうまくいきだしたのはお互いの素性やキャラクターが知れてからだったなと思いました。

フィンランドのアカデミア文化についての話も面白かったです。特にLLLSusでは、教授が100分喋り通すようなレクチャーベースの授業が今のところありません。指定された本を読み、テストを受けるかグループでプレゼンテーションをしてディスカッションを行うか、というのが主なので、「勉強=教授の話の内容を自分に落とし込む」ではなく、「本やプレゼンを通して概念を自分に落とし込む」ことが「学ぶこと」になるという違いがあると感じます。

これから、前セメスターのフィードバックを参考に、より対面や教授との交流を増やした新たなカリキュラムに改善されていくそうです。まだ3~4年目のプログラムなので、常に変化しています(高校でもIBの3期生だった!)。プログラムの一員として、フィードバックをすることの重要性を実感しました。それこそ、プログラムの「持続可能性」に関わりますよね!

普段から「せっかく私たちのためにやってくれているのだから…」と参加する方ですが、近い友人たちでさえあまり参加しない人も多いです。その人たちへの批判はないですが(ちょっとあるかも)、私は自分や同期・後輩の環境をよりよくする力と使命があると思うし、教授たちがとても意欲的に改善に向けて私たちの意見を取り入れてくれるので、それに応えていきたいと思っています。

こうして留学生を気にかけてくれるのは、英語が第一言語でないフィンランドという国で勉強しているからだろうと思います。マジョリティーがフィンランド語を話し、そのコミュニティーがある中で、マイノリティーとしての自覚が芽生えるときに、非英語圏で学ぶ醍醐味を感じます。

防衛本能か、能天気さからか、自分が差別されることへの感度が低いというのもありますが、今までフィンランドにいて差別されたと感じたことはなく(マイクロアグレッションはたくさんあるとは思う)、グループワークや姉妹学科の学生との関係は時間が解決する部分もあるだろうと思っています。

実際に、だんだん姉妹学科の先輩にも知り合いが増えてきたり、授業外の場面で話すと、とても歓迎されていると感じます。もちろん「留学生」というのが入口にはなりますが、かなりフラットに個人として見てもらえてる時が多く感じます。

これからも学科のために、生徒を大切に考えてくれる教授陣のために、自分たちのために、フィードバックしていきます!🫡

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