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厚生労働省を装う電話と詐欺対策

今朝9時半ごろ、非通知で携帯に電話がありました。
出てみると、「厚生労働省 医薬局 の コバヤシ」と名乗る女性から。
公的機関からなのに非通知?・・・非常にあやしい。

「保険証が不正利用されている可能性があります」
「11月に東京都◯◯病院と◯◯病院を受診されましたか?」「いいえ」
「マイナンバーカードか保険証の情報をどこかで抜き取られたのだと考えられます」
「このままですとあなたの責任になってしまう可能性があるので、早急に対処しなくてはいけません」
「このままだとまずいのは分かりますよね?」

たぶんここで「はい」と返事をすると、確認のためとか言って個人情報をどんどん聞かれるのでしょうね。

私はそれに「よく分かりません」と答え、相手の流れが止まったところで

「もう一度、どこの方か教えて下さい」
「担当の方のお名前を教えて下さい」
「電話番号を教えて下さい」
「分かりました。こちらで調べて対処します」
と言って切りました。

調べてみると案の定、厚生労働省から
厚生労働省職員や機関を装った不審な電話・メールにご注意ください
との注意喚起が出されていました。


詐欺の被害総額は370.8億円

電話口のコバヤシさんはとっても安心感のあるきれいなしゃべり口調だったので、騙されてペラペラしゃべってしまう人も多くいるだろうなぁと思いました。

詐欺と一言に言っても、今ではその種類や手口もどんどん増えて巧妙になっています。
令和4年のオレオレ詐欺、預貯金詐欺、キャッシュカード詐欺、架空料金請求詐欺、還付金詐欺などの特殊詐欺の被害認知件数は17,570件,被害額は370.8億円(出典:令和4年における特殊詐欺の認知・検挙状況等について )。認知されているだけでこの額ですから、実際はもっともっとあるでしょうね。

詐欺にあってしまう原因分析

被害防止のために銀行や郵便局などいろんなところで注意喚起のポスターなどを見かけます。それにも関わらず、これだけの人が詐欺にあってしまう理由は、次の3つの組み合わせによるものだと思います。

1.性善説で接してしまう

よほど劣悪な環境で育たない限り、日本では性善説で育ちます。いわば箱入り娘、息子ですね。世の中に嘘をつく人、詐欺を行う人がいるということを頭では理解していても、肌感覚でそれを理解できていません。この結果、人を疑わずにいとも簡単に騙されてしまいます。

2.非合理に大丈夫と思ってしまう

実は私は、けっこうな額の投資詐欺に合ったことがあります。
その詐欺師は、
・投資の本を出版している(ので、大丈夫だろう)
・証券会社で投資セミナーを開催している(ので、大丈夫だろう)
・有名人とコラボしている(ので、大丈夫だろう)
と、何も疑わずに大金を渡してしまいました。

でも、よく考えたら、それらの事実がその人の誠実さや、詐欺師でない根拠にはなっていないんですよね。
例えば「東大生のAさんが言うことだから正しい」みたいなのも同じですよね。東大に受かる知識を持っていることだけで、発言が正しいかはまた別の話です。間違っているかもしれないし、嘘かもしれません。

※ 特徴的な印象に引きずられて評価してしまう「ハロー効果」や、自分の思い込みや願望を強化する情報だけに目がいく「確証バイアス」など、誰しも物の見方への偏りがあります。

3.当事者になるとIQが落ちる

端で聞いていると、「まさかそんな詐欺に引っかかるわけがない」というようなものもあります。Facebookのロマンス詐欺などはその典型ですが、普段、仕事ができる賢明な人でも引っかかった人を数人知っています。

私が投資詐欺にあった時に投資家の人に相談したら、「典型的なポンジ・スキームじゃん。何でそんなのに引っかかったの?」と言われました(涙)
私は詐欺なんかに絶対合わないと思っていても、お金が絡む話は普段よりIQが落ちて、冷静な判断ができなくなります。

詐欺を避けるために

1.お金が絡む話は全て疑う

「これは怪しい」「これは大丈夫」ではなく、お金(クレカなどの個人情報含む)が絡む話は一切合切疑うと決めておく。
人を疑うのはいけないことだと教育されて育った人も多いと思いますが、世の中に詐欺師がいる以上、そんな考えは捨てましょう。

2.お金が絡む話は第三者に聞く

先ほど話したとおり、お金の話が絡むと冷静な判断ができないことがあります。まずネットで調べ、次に第三者のアドバイスを受けましょう。
もちろん、その内容に疎い人に聞いても意味がありません。株式投資なら株式投資に詳しい人、不動産投資なら不動産投資に詳しい人に聞きましょう。

3.詐欺情報に敏感になる

敵の手口を知ることはとても大切です。どんどん巧妙になっているので、詐欺のニュース記事は意識的にピックアップして読みましょう。

以前、詐欺被害のまとめサイトを見たことがあるのですが、そのサイト自体が詐欺のお金儲けの情報商材を販売していました。油断も隙もありません!悲しいことですが世の中には、悪人が想像以上にいます。

ちなみに、詐欺ではないけど詐欺みたいな投資商品は世の中にたくさんあります。 正直不動産 のような漫画やYouTubeを見ておくことをお勧めします。

4.おかしいと思ったら降りる

言語化できないけど、相手の表情、言葉、態度などなんとなく引っかかる。こういう直感は当たることが多いです。
サンクコストの心理からも、話が進んでいると止めると言えない気持ちになりがちですが、相手の言動におかしさを感じたら強い意志を持ってストップすることが大事です。

まとめ

逆説的ですが、詐欺を避ける一番の方法は、一度詐欺に合うこと・・・かもしれません。経験がないと、自分が詐欺に合うわけないという先入観がどうしても勝ってしまうので、なかなか先の1~4を実践できません。
被害にあって猛省してこそ、これらの重要性に気づけて実行できます。

多少の怪我ならOKというマインドで、数十万ぐらいの詐欺なら若いうちに被害にあった方がよいと思うほどです。大人になるほど貯金額に比例して、その被害額は100万、1000万とあがってしまいますから!
 
とは言ったものの、自ら詐欺にあおうとするのもおかしいので、詐欺にあったことがある友人がいたらぜひ、生々しい話をじっくり聞いてみてください。
「友達が騙されるなら、私も騙されるかもしれない」と身近に感じ、危機感を養うことができるでしょう。


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