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憧れの地、日本最大のモスク「東京ジャーミイ」に行ってきました!

こんにちは、世界遺産好きの中学校国語科教員、といです。
先月、日本最大のモスク(イスラムの礼拝所)、東京ジャーミイを見学してきました。
バタバタしていて、もう1ヶ月近く前の出来事になってしまいましたが、
「めっちゃよかった〜!」という思いは変わりません。
というわけで、東京ジャーミイ見学レポートです。


日本最大のモスク、「東京ジャーミイ」の見学ツアー。
世界遺産アカデミーからイベントのお知らせが来て、
参加の抽選に応募したら当たった!というのがこちらの記事です。
(東京ジャーミイって何よ?という方も、ぜひこちらの記事をどうぞ)


高速バスで新宿まで行き、そこから小田急線に乗ります。
川崎の高校時代にはよく乗っていた小田急線、なんだか懐かしい。
代々木上原駅で下車します。

代々木上原の駅の壁。カワイイ。
こういう場所、落ち着きます。
育った場所に似ているからかな?
(ガード下で育ったわけではない)
徒歩5分、早速、歩道からミナレット(尖塔)が見えます。
これが歩道に面してるなんて!異世界!
または、急にテーマパークに紛れ込んだかのような唐突さ。
もうおとぎ話のビジュアルです。
階段もときめきます。
階段を上がってみます。わくわく。


実は、イベントに参加するためにはジャーミイ1階の受付に行かなければならなかったのですが、
「受付を通ってしまったらきっとオープニングイベントが行われるホールに案内されて、そこで開始を待つことになるだろう。
後で外観のガイドがあるけれど、きっと人が多くていい写真は撮れなさそう。
まだ人がいない今のうちに、外観を一人で回っちゃおう✨」と考えて、
受付終了時刻ギリギリまで外観の写真を撮りまくりました!
いやー、誰もいなくて快適でした!
(そのせいで、オープニングイベントはテーブルのない一番後ろの席で参加することになったのですが)

外の階段を上がると、さらに別世界。
右手がモスクの入り口。
屋根の内側の装飾、凝ってる!
モスク入り口。
パンフレットみたいな写真が撮れました♪
ドアの装飾も、何コレ!な美しさ。
まるで宮殿のようです。大理石のお城。
1階に続く下り階段。
階段の屋根の内側も美しい。
ボーっと見ていると階段を踏み外してしまいます。

受付の前にモスクにも一度入ってきましたが、
写真はまた後ほど。



さて、時間が来たので受付をして、オープニングイベントに参加です。
(以下、主催者の世界遺産アカデミーの方が撮影した写真も含まれます)

結婚式が行われることもあるという多目的ホール。
あ、私写ってる。


オープニングイベントでは、世界遺産アカデミーの宮澤研究員さんから、トルコの世界遺産についての解説がありました。

そういえば、日本以外の一国にフォーカスして世界遺産の数や種類を勉強したことってなかったので、新鮮でした。

その時のメモを転記しておきます。

トルコの建築の特徴
ロマネスク バシリカの背を高くした
ビザンツ(東ローマ)は古典的 アーチ構造
ドーム天井をいかにバシリカに載せるかが大事
古代ローマ建築からの流れ


トルコの世界遺産 21件(15番目に多い)
日本は26件11番目
トルコ 8500万人 イスラム教徒99%
元々はキリスト教の人も多い
モーツァルトの曲 トルコ風 軍隊の雰囲気
首都アンカラ

条約批准は1983年  
登録は1985登録
ギョレメとカッパドキア(複合)

ティヴリーイの大モスク
イスタンブルの歴史地区
文化遺産19  自然遺産なし 複合遺産2
暫定リスト79

登録基準Ⅳが多い 建築技術など
キリスト教とイスラムの融合した建築
イスラムの寛容さ 交易の人々が由来だから
相手の文化を認めてきた
電話!

Ⅲ文明の証拠
アナトリア半島の歴史を網羅する感じで登録されている

Ⅱ文化交流
外部の影響を受けている遺産が多いのも特徴

トルコの歴史がわかるとヨーロッパの歴史がわかる

WHA研究員 宮澤さんのお話

ふむふむ。自然遺産が0なのが意外でした。
それにしても暫定リスト(次はコレ登録したいんですけどーという遺産候補)79件というのはすごいですね。
これからまだまだトルコの世界遺産、増えそうです。
(早く検定に合格しておかないとね)

続いて、東京ジャーミイ広報の下山さんによるガイド付きの見学時間…のはずでしたが、
見学しながらではなくそのまま多目的ホールでアラビア文化、トルコ、イスラム教、東京ジャーミイについてのお話が始まりました。
興味深いお話だったけど、結構なボリュームだったので、もうちょっと見学のほうに時間を割いてくれてもよかったかな、なんて…ゴニョゴニョ。

下山さんはこんなお話をしてくださいました。私の走り書きスマホメモですが。

*東京ジャーミイについて
異文化交流ができる場所
去年は大学63校がきている 全国の高校も
鹿沼建設がつくって頓挫→トルコから内装や家具をトルコから全て送った

*チューリップについて
礼拝堂には40本、絵が描かれている
オランダのイメージがあるけど違う
16世紀末にトルコからヨーロッパに入った
オスマン帝国からハプスブルク家が球根を持ち帰る→大流行 値段高騰
イラン トルコ シルクロード ウズベキスタンあたりに原種 山野草 
背が低いのが特徴
東京ジャーミイでは、来年3月下旬から4月にかけてが見頃。見に来てね

1は一神教の1   チューリップはラーレ
ラーレとアッラーのスペルが似ている
品種改良ではなくゼロから作るのは「神の作品」
環境汚染をしてはいけないというのが宗教的な考え

*日本とイスラムについて
明治維新以降、日本は欧米ばかりをみていて、イスラムに対する理解が足りない

*アラビア数字・アラビア文化について
幾何学模様は1を回転させて作る
アートの出発点は1  六角形
イスラムは数字をヨーロッパに伝えた
数字を文字で書き表すのは、アラビア数字 ローマ数字 漢数字 しかない
アラビア数字は、角をいくつ作るかによってできている  0は角がゼロ
インド哲学とイスラム文明の協業
方程式はイスラム由来 
コーヒー カメラ等はアラビア語

世界4大文明の3つはアラビア付近
10世紀頃までにさまざまな文化を生み出した早熟な文明

*その他
シャンデリアは神の光を隅々に届けるためのもの
窓は左右ではなく手前に開く オスマン帝国の窓

コーランは、人生という長い旅のガイドブック
例えば…人の目から解放されなさい 自分自身から解放されなさい(欲望を小さく)

*イスラムについて
豚肉を食べてはいけない ユダヤ キリスト イスラム共通 
キリスト教は変わっていった
仏教では4つ足はダメ(桜肉 ボタンと呼んでごまかす)
ラクダは食肉用が多い
昔は動物の肉は殺菌消毒ができず病気を媒介することが多かったからなのでは?
中東の人は草食動物を食べてきた、豚は雑食なので危険だった?
→不浄である
相手に配慮して、ノックは3回までと決まっている
*トルコについて
イスタンブル スレイマーニエジャーミイがオススメ
つるしパンは無料 パンを買った人がお釣りを寄付
人工の鳥の巣のことを、トルコでは鳥の宮殿と呼ぶ
東手に配慮して、ノックは3回までと決まっている

下山さんのお話

本当に走り書きメモなのですが、興味ある方には楽しく読んでいただけるのではないかと思い、ほぼそのまま載せました。

細身のチューリップと「1」。
1はアッラーが唯一の神であるということから大事にされているんだとか。
角の数が、文字の表す数。…ホントだ!
7と8,頑張ってるなあ。
壁のアラビア語の文字は、「知識のあるものが、社会の一番上にいる」
日本で最初に印刷されたコーラン。600ページ! 


さあ、いよいよガイド付きツアーということで、内部から見学です。

ホールに飾られている美術品。何もかもステキ。
シャンデリアは、神の光を四方に届けるためのもの。なるほど。
イスラムの方のために、礼拝スケジュールが掲示されています。
各国語バーションが入れ替わりで表示されていました。


外観やモスク入り口前の大理石宮殿ゾーンを見学し、
(予想通り、参加者が多くていい写真は撮れなかった!先に撮っておいて正解でした)
いよいよモスクと礼拝の様子を見学です。

ここで靴を脱いで入ります。
内部では、女性はスカーフで頭部を隠します。
荘厳さに絶句!中央の扉が、階段が、きれい…。
見上げると、ドームの内側にも繊細な装飾があります。
金色のカリグラフィーは、宗教的なメッセージが書かれています。
レウゼンと呼ばれるステンドグラス。
窓の手前の小さな天井部分にも、
チューリップをモチーフとした絵が描かれています。
こちらがメッカの方向だそうで、礼拝の時には信者の方はこちらを向いて祈っていました。
窓辺にコーラン。風がページをめくっていました。
2回には女性専用の礼拝スペースがあり、狭い階段を上っていきます。
写真は下りの時に撮りました。
別世界の新世界!オペラハウスの貴賓席のよう。
このカリグラフィーにも、アッラーの言葉と解説が込められています。
…文字を知っていれば読めるのかな?
レウゼンが近い。

モスクにはたくさんの信者の方が祈りを捧げに来ていました。
お葬式のときくらいしか自分と宗教について考えない一般的日本人である私としては、信者の方の真摯な姿に見とれました。
信じるものがあるって、素敵なことだなあ。



見学中は、館内の調度品などあちこちが素敵すぎて、写真を撮りまくりました。


壁のランプ。ランプかけもイイ!!
椅子かわいい!!欲しい!
モスク内の壁。ミナレットのシルエット!?
あちらこちらにチューリップ。
そしてもちろん、壁の青いラインにもカリグラフィー。
この部分には、アッラーの特徴を示した99の美しい名前がぐるりと記されているそうです。
併設のトルコ文化センター(おみやげ売ってます)の壁。
そのランプ売って!!
モスク内の調度品。螺鈿細工と透かし彫りがミックスされた、世にも豪華な一品。
手彫りですよね?
ホール内のタイル。タイルのことは「チニ」というそうです。
寄せ木細工のミニテーブル。カワイイ!欲しい!
寄せ木細工は「クンデキャーリ」と言うそうです。


あちこちを堪能したあとはランチタイム。
併設のカフェレストランで作ってくれたトルコ料理のお弁当です。

ちょっと揺れちゃった…。

左上:赤レンズ豆のスープ
右上:パスタ入りピラフ(バターで揚げてあるらしい)
左下:タス・ケバブ
右下:スモークしたナスとヨーグルトの料理
すべて初めての味!意外にも、ナスとヨーグルトのお惣菜が美味しかったです。


バクラヴァとトルココーヒー。

スイーツは「バクラヴァ」という名前。ピスタチオなどをハチミツで和えた具材を、パイ生地のようなもので包んで焼いてシロップをかけてあります。
一口ごとに甘さがあふれ出る、それはそれは異国風味のお菓子でした。
おいしいけど、カロリーが気になる…。


見学ツアー終了後は、併設のトルコ文化センターでお土産購入。
ハラール食材もたくさん売っていました。

これだけで我慢しました!
幾何学模様のコースターと、スカーフクリップ。
コースターは6種類くらいありました。
初めての「モスクでスカーフを巻く」の記念に、クリップを購入。
トルコ絨毯柄のミニポーチ。
そういえば昔、フェリシモで売っていたトルコの織物「キリム」が欲しかったなあ。
そして、チューリップ柄のスプーン。トルコとといえばチューリップってことで。
これは、シリアのオリーブソープ。なぜここに?と思ったら…。

そう、これはシリアのオリーブソープ。オリーブオイルを使って作られていて、内部はきれいなオリーブグリーンです。
昔よく通販のフェリシモで買っていたのですが、シリアの内戦で産地であるアレッポの工場が破壊されてしまったそうで、買うことができなくなっていたのです。
「なぜここに?」と思ってパッケージの裏面をみたら、石鹸職人さん達がトルコに避難し、そこで工場を再建して製造を始めたと書いてあるではないですか!
いやー、良かった!トルコありがとう!職人さんたち頑張って!
パッケージには「母国の平和を祈りながら石鹸作りを続けて参ります」とも書いてありました。
もう止めようよ、内戦とか戦争とか…。

興味がある方はぜひサイトをご覧の上、Amazonや楽天でご購入を。


話が逸れました。お土産に買ったもの。

絨毯風のブックマーク。長さは20㎝くらい。
柄が気に入ったものと、「ザ・トルコ土産」な感じのものを選びました。
トルコ行ってないけどね。


モスクや施設の見学、様々な解説、トルコ料理、おみやげ。
全てに大満足の「東京ジャーミイ見学ツアー」でした。

自分が今までイスラムのことやアラブの文化のことを全然知らなかったと気付くことができたし、新しいことをたくさん知ることができて、刺激に満ちた1日でした。
これまで以上に世界遺産の勉強もはかどりそうです。

今回私は世界遺産アカデミーのイベントで見学しましたが、東京ジャーミイでは普段から一般の方の見学も無料で受け付けていますので、
興味がある方はぜひサイトを見てみて下さい。
サイト内のオンラインショップで、ピスタチオのバクラヴァが購入できますよ…。

https://tokyocamii.org/ja/



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