インサイトが止まらない、売上爆発のための顧客心理解読術
今日話すのは「売上アップのための"正しい"アプローチ」について。
極めれば初回購入(トライアル購入)を生み出し、商品でお客様を引き寄せてリピート購入を発生させることはもちろんのこと、1年以上購入してくれなかった人に購入してもらうこともできる。
競合ブランドからスイッチしてもらうこともできれば、口コミや紹介を引き起こすこともできる。
ウソみたいな話だが、真実だ。
ちなみに、商売人がモノを売りたいな、と思ったとき次の二つのアプローチがある。
買わない理由をつぶす
買う理由を積み上げる
セールスなどはこの二つをうまくこなしていくゲームと言ってもいい。どちらも大切なことに変わりはないが、「買わない理由」を探り当てるのは想像しているよりもずっと難しい。
「なんで?買わなかった人に買わなかった理由を聞けばいいだけじゃん」と思うだろうが、そこには落とし穴が隠されている。
もちろん、商談が失注した時に追加情報を集めるという意味では無駄ではない。しかし、そこで得られた情報を鵜呑みにして施策を考えていくとドツボにハマってしまう。顧客は嘘をつくからだ。
顧客は嘘をつく、それも無意識に、悪意なく
顧客自身、嘘をついた自覚がないことさえある。
自分自身の立場に置き換えて考えてみれば分かるだろう。営業に「購入しなかった理由についてお聞かせいただけないでしょうか」と聞かれて、100%本心を伝えることができるだろうか?
”なんとなく”別の業者に頼むことにした。だけど、そんなことを言ったらまたセールストークが始まるかもな。無難なことを答えよう。
そんな思考が無意識に行われ、
「そういえばーなんか高い気がするな」とか
「このタイミングで予算を使うと後が怖いな」とか
「○○の機能が欲しいな」とか
仮にそれが満たされていたとしても発注したか分からない理由を答えてしまう。
そんな、いくらでも嘘が付ける"コトバ"に依存して施策を考えていいのだろうか?いや、良くない。良くないに決まっている。
だからこそ、優秀なマーケッターの間では「顧客の言葉を鵜呑みにしてはいけない。行動からインサイトを探せ」という共通認識がある。
行動からインサイトを見つけるのが正しい姿
そう、"行動"からインサイトを探すのだ。
いくらでも嘘をつける、嘘をついてしまうコトバと違って、行動は現実に起きたことだ。
「購入する」という行動をとった人はその人が意識しているにせよ、無意識にせよ「商品・サービスに価値を感じた」のだ。
「安いから買った」なんて言葉を鵜呑みにする奴はアホだ。お前は値段が安かったら何でも買うのか?買わんだろ。
この中に「無料だから」と言ってゴミ捨て場から生ごみを持って帰ったことのある奴いる?いねえよなぁ!!?
そう、安いからという理由で不要品やごみをもらう奴はいない。
一切自炊しない人間はいくら安くても調理家電や食器用洗剤を買わないだろう。
商品が売れるときは「買うべき理由(価値)」が必ず存在しているのだ。そして値段よりも価値が高いとき、購買のトリガーが引かれる。
そして、実際に起きた行動を分析し「どんな状況を作れば価値を感じて購入に至るのか?」が分かれば、商品を売るのは難しくない。
トライアル購入であれ、リピート購入であれやるべきことは同じ。
競合ブランドから自社に切り替えたお客様から「ブランドスイッチが起きる状況」を引き出すことができれば競合からシェアを奪うこともできるのだ。
「買わない理由つぶし」は効率が悪い
ここまでの流れで理解できたと思うが売上アップを目的とするなら「買わなかった人にインタビューして施策を考える」のは効率が悪い。それどころか間違った施策を実行するリスクすらある。
一方、購入した人にインタビューをして真意、価値を感じた理由、購入を検討し始めたトリガーなどをみつけることは依拠しているのが実際に起きた”行動”である。
いくらでも嘘が付けるコトバを頼るよりもよっぽどいい。
大事なのは「行動」だ。
サブスクリプション型のビジネスをやっているのであれば「解約」もまた行動になる。「購入しなかった」と「解約」の間にはチャレンジャー海淵よりも深い溝がある。
誤解されないように注意書き:買わなかった人へのインタビューが無駄というわけではない
誤解されないように明言しておくと、買わなかった人へのインタビューが全く無駄だと言いたいわけではない。
単純に、購入した人・しなかった人どちらにリソースを割くべきか?と問われると圧倒的に購入した人の方が効率が良いという話。
その点を勘違いして顔を真っ赤にしながら「は?買わない理由も大事なんだがー?」とか言わないように。
【注意】新規商品の場合も別物
あと、これまた当然の話ではあるが新規商品の場合も全く別物。
既存商品を売るよりもはるかに不確実性が高いため
そもそも顧客は課題を感じてるんだっけ?
その解決策としてこの商品・サービスって適切なんだっけ?
市場に受け入れられるんだっけ?
などの検証が優先される。もし、あなたが新規商品を成功させたいと考えているなら以下のような記事を参考にしてほしい。
もっと売りたいときの正しいアプローチ
ここまでの話をまとめるとこうだ。
買わなかった人の声を中心に施策を考えると効率が悪い(間違った方向に進むことすらある)。
なぜならコトバは嘘をつくから。現実に起きた"購買"という行動を中心にリサーチをした方が良い。
「よし、分かった。じゃあ買ってくれた人にインタビューをしようと思います!」
と素早く行動に移すのも悪くないが一回立ち止まって欲しい。
よく考えるとインタビューの中心になるのはコトバだ。あらどうしましょ。詰んだ?
もちろんそんなことはない。詰んでないし逝ってない。
今回はあなたの商品をもっともっと売るために必要な顧客インタビューのやり方について話していこうと思う。ただのインタビューではない。
今回の内容を極めれば
「データは集まったけど、こっから企画考えるのムリゲーでは?」
「インタビューしてみたけど、こっからどうすればええの?」
などという悲しい事態は起きない。
インサイトが山のように手に入り、企画のアイデアも湯水のごとく湧き上がってくる、そんなインタビューのやり方を解説していく。
ちなみに以前、公開した「ユーザーインタビュー攻略ガイド~良いインタビュー、悪いインタビュー」はインタビューのやり方全般に焦点を当てていた。
今回はより具体的な、既存商品の売上を増やすためのインタビューについての解説だ。この記事だけでも意味が通るように作成するが是非ともユーザーインタビュー攻略ガイドの方も読んでいただきたい。
どちらかというとtoC商品・サービス向けの内容だが、対象となる顧客数が多ければtoB事業であっても活用できる。
わけのわからない方向に進んで時間とカネを無駄にしたくないなら、是非とも読んで知識を血肉(と富)にしてほしい。
この先有料部分。
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