謎解き事業をやってみたい人を後押しするコンテンツ
2021年7月、まだスモールビジネス大全が定期購読ではなかったときのこと。「今すぐパクれてめちゃくちゃ売れそうな謎解きゲーム事業から学ぶスモールビジネス」というタイトルで一つのケーススタディを紹介しました。
記事を公開してから約3年ほど経過した今も謎解きゲームは根強い人気を持っています。
例えば、ユニバーサルスタジオジャパンを再建したマーケッターである森岡毅さん(株式会社 刀)が手掛ける完全没入体験テーマパーク「イマーシブ・フォート東京」でも謎解き型のアトラクションが楽しめます。
これ以外にも大小さまざまな規模の体験型施設が存在しており、需要があることは間違いない謎解き・脱出ゲーム市場。
今回はそんな謎解き・脱出ゲームに関してスモールビジネス的観点で「どんな人がやればいいか?」、「どういう商品を作ればいいのか?」などをつらつらと述べていこうかなと思います。
市場規模ってどんな感じ?→500億円は嘘。
「今すぐパクれてめちゃくちゃ売れそうな謎解きゲーム事業から学ぶスモールビジネス」では市場規模400億円~500億円と記載しましたが、2024年1月により感覚的に分かりやすいデータが公開されましたのでそちらをベースに解説していきます。
参考にするデータはNPO法人国際ゲーム開発者協会日本(IGDA日本)が発表した「体験型エンターテインメントの現在と未来2024」。
上記資料によると、業界上位6社※の売上と、その他団体・イベントなどの推計値を合算(ゲーム・アプリ、書籍・出版、教育関連など含む)したもので約60億円。
コレは経済波及効果を加味しない市場ですので、あなたがスモールビジネスとして謎解き商品を作って販売していく場合、このくらいの市場規模の中で商売をするのだということを意識しておきましょう。
市場が小さく、安心できそう(個人の感想)
それほど大きな市場ではありません。それゆえに、大企業が資本を背景に殴り込んでくるという可能性も高くなく、安心して取り組めるという考えもあるでしょう。
仮に大企業が殴り込んでくるとなった場合は市場を新たに創造する可能性が高く、そうなった場合、謎解き市場自体の成長が見込めます。
その代表例が先ほども紹介した、イマーシブ・フォート東京。テーマパーク形式で一般層への普及が広がってくれば、それまで謎解きに触れてこなかった人が興味を持つ可能性があります。
つまり、殴り込んできてぼこぼこにされる可能性は低いし、仮に来たとしても市場自体のグロースが見込める。どちらに転んでも参入することのリスクは高くない、というのが謎解き市場に対する私の感想です。
もちろん、固定店舗を作るなど最初からリスクを負うことを推奨しているわけではないのでそこは勘違いしないでくださいね。
単体の商品でどのくらいの売上が望める?ー書籍の場合
例えば書籍型の商品の場合、市場で最も売れているのは「東大ナゾトレ」シリーズでしょう。扶桑社の東大ナゾトレシリーズを見てみると現在37冊が発売されており、累計発行部数は190万部。
単純計算だと1作あたり5万部になりますが、11作目発売のタイミングで公表していた累計発行部数が135万部なので10作目までは1作あたり13.5万部発行されていることになります。
コレがこれまでの謎解き市場における最高到達点と考えてよいでしょう。
単体の商品でどのくらいの売上が望める?ー謎解きキットの場合
私の観測した範囲では直木賞作家である道尾秀介さんが手掛ける「Detective X CASE FILE #1ー御仏の殺人 」がもっとも売れている謎解きキットだと思います。
2022年11月に発売し、2023年9月時点で発行部数が5万部を達成。
とあるように、謎解きキットの中ではかなり異例の発行部数。謎解きキットの最高到達地点は5万部と考えてよさそうです。
この数値で売上を計算すると3,900円×5万部(発行)=1億9,500万円。
実際のところ、市場規模はあんまり関係ない
ここまで謎解き・脱出ゲーム市場について解説してきたわけですが、ぶっちゃけた話をするとスモールビジネスとして始めるならそこまで気にする必要はありません。
市場規模を気にしなければならないほど売れる商品を作れる人なんてほぼいませんから。
本当に気にするべきは以下のようなこと。
自分は謎解き事業に向いている人間なのか?
どういう商品を作ればいいのか?
どうやって売っていけばいいのか?
マジで始めるならどうやるか?(簡易ロードマップ)
知っておきたい小技・テクニック
有料部分では謎解き事業を作ろうという人に向けて、リアルな視点で知っておくべきことを解説していきます。
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