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「自社に適した施策が選べない」と悩んでいる人のためのnote

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とか

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みたいな情報商材はさておき、真っ当な書籍を見渡してみても売上を伸ばすための情報というのは溢れかえっています。

ある人はブランディングが大事だといい、ある人はダイレクトレスポンスマーケティングこそが至高の技術だという。

ある人はセールスができないと売上は立たないといい、ある人はセールスライティングは最強のスキルだという。

ある人はポジショニングが大事だ、プライシングだ、集客だ、プロモーションだ、パブリックリレーションズだ、行動経済学だーー。

そんな感じで、売上向上に寄与する(と言われている)モノを真面目に受け止めて、ぜーんぶ学ぼうと思ったら、学んでいる間に会社がつぶれちゃうってオチになりかねません。

そんな落語のような話で笑えるのは高座だからであって、現実で、それも自分が体験したい人なんていませんよね。

そうは言っても、売上を伸ばすための情報が氾濫している中で「どれが正しいのか?」を見極めることも一筋縄ではいきません。

なんせ、これらの多種多様な情報は間違っているわけではないからです。

ブランディングが大事なフェーズもあれば、ダイレクトレスポンスマーケティングが効率よいフェーズもある。

結局のところ「今の自分の状況だとどれを実装すべきか?」というところに違いがあるだけで、一般的にはどれも大事だからです。

例えばマーケットシェアを伸ばしたいときに「既存顧客と類似のセグメントにアプローチする」と「ブランドと紐づいている購買文脈を増やすために新しい文脈を見つける」の二つの施策、どちらを選ぶべきかは自社の商品・サービスの現在のシェア、どのくらい既存セグメントを取り切っているのか?などの状況によって変わりますよね?

エビデンスを基に正しいマーケティングを広めているアレンバーグ・バス研究所に所属するバイロンシャープ教授は「マスマーケティングは時代遅れじゃない」と述べています。

しかし、超ニッチなB2B事業の場合は必ずしもマスマーケティングが至高とは限りません。

何でもかんでも鵜呑みにしてたら学習に時間もかかるし、自社に適してない知識を身に着けてしまう可能性がある。

そのような事態を防ぐためにも「必要な知識は何か」、「自社の状況に適した施策とは何か」を自分の頭で判断できるようになる力が必要です。

この記事はそのために執筆しています。

今回の内容をしっかり理解することで「これを学んだら売上が伸びるんちゃうか!」という誘惑に負けて情報商材に無駄なお金を使うことはなくなるでしょう。

そして、「よっしゃ!ブランディングしたるでぇ!」などと自社の状況に合わない施策を実行して空回りすることもなくなります。

経営者としての地力をつけたい人は是非とも最後までご覧ください。

無料部分だけでも、めっちゃボリューミーなのでぜひ。


Q. そもそもなぜ悩んでしまうのか?

A. 施策を評価する基準を知らない&施策による効果がイメージできないから

シンプルに言えば「情報・知識不足」です。

  • どのくらいの売上アップが期待できる?

  • どのくらいのコストがかかる?

  • どのくらいのコストをかけるべき?

  • 成果までの期間は?

  • どのくらいの成功確率?

これらの質問に回答できないなら、そりゃ選べにくいですよ。

ざっくりとでもいい、勘でもいいのでこれらに回答を出すことができればあとは「選ぶ基準」さえ知っておけば課題はクリアできます。

今回は後者、選ぶ基準について詳しく解説していきます※。

絶対に覚えておくべき2つの方程式

事業の売上を伸ばしていこうと考えている中小企業オーナーが必ず覚えておかなければならない方程式が二つあります。

たった二つです。しかも超簡単。

ただし、ちょっとした注意点があります。

これから紹介する式、それを覚えるだけで売上がドンドン伸びていく、なんて類のものではありません。ニュートンの運動方程式F=maも実際の現場であてはめて使うから意味を持つように、活用して初めて意味を持ちます。

両方ともスモビジ大全でも何度か紹介したことのある方程式です。

  1. 売上方程式

  2. 成功方程式

1. ビジネスの本質をつかむための売上方程式

売上=imp×CTR×CVR×LTV

ここから経費を引けば利益、当たり前ですね。

※用語の説明
・imp:インプレッション。何回表示されたか?という数。
・CTR:クリック率。表示された回数の内、どのくらいの割合でクリックしたかを表す。
・CVR:成約率。サイトを訪問した場合、どのくらいの割合で購入するかを表す。
・LTV:ライフタイムバリュー。一人の顧客が平均していくらお金を使うかを表す。年間売上を考える場合、1年間のLTVを使用することが多い。

すべての項の意味を理解しましょう。

この式はただ売上を試算するための式ではなく、ビジネスの流れを表している方程式です。ビジネスの流れは以下の通り。

  1. 見込み客を集める

  2. 既存客にする

  3. リピートさせる

これを売上の方程式と対応させていくと、

  • 見込み客を集める=imp×CTR

  • 既存客にする=CVR

  • リピートさせる=LTV

仮にあなたがリアル店舗事業をしているとしても同じです。impは店の前を通る人、看板の前を通る人のこと。CTRは店に来店する割合、CVRは購入に至る割合。

B2B事業でリード獲得→商談→成約という流れを組んでいるとしても粒度が違うだけで同じ。CVRがさらに細かくなってリード獲得CVR、リードから商談に至る商談化率、商談における成約率(CVR2)となるだけ。

売上= imp×CTR×リード獲得CVR×商談化率×商談CVR×LTV

基本的にあなたが売上アップを目的として勉強しているのはこの方程式の右辺の数値を伸ばすための知識です。

逆にいうと、右辺になんの影響も及ぼさない知識というのは学んでも売上アップにはつながらないということです。

更に詳しい話をしていく前に、もう一つの方程式について解説します。

2. 罠が沢山隠れている成功方程式

成功回数=試行回数×成功確率のこと。

この公式からは、成功したいなら「試行回数を上げる」か「成功確率を上げる」の2つしか道はないことが分かります。簡単ですね。

ただ、成功方程式には罠があります。その罠を考慮せず「とにかく試行回数を増やそう!」とか「成功確率を上げるために環境を整えるぞ!」という方向を突き進んでも、徒労に終わることでしょう。

一つ目の罠が「闇雲に試行回数を増やせばいいってもんじゃない罠」

つまり、試行回数を増やせばいいからと言って「1日1個適当にチャレンジすればいつか確実に成功するじゃん!」と試行しても、試行回数としてカウントされません。※

※厳密にいうと、クソみたいな試行だと成功確率が著しく低く(≒0)なるので意味がない。

つまり、ゲーム風に言えば”試行回数としてカウントされるための隠し条件がある”のです。

試行回数としてカウントできるのは、挑戦が成功する直前の行動をとったときだけ

つまり、商品開発の場合に試行回数としてカウントできるのは「N人のターゲット顧客に売り込んだとき(Nは任意の自然数)」。

広告を出して、誰もクリックしないからと言ってあきらめた場合は試行回数としてカウントされません。SNSマーケティングで売ろうと思ったけど、アカウントが伸びずに止めた場合も当然カウントされません。

「商品を売る」という挑戦をしているなら、試行したとカウントできるのは当然ターゲット顧客に売り込んだときのみです。

「SNSアカウントを伸ばす」という挑戦をしているなら、試行したとカウントできるのは、一定期間運用したあとか施策をいくつか試した後だけです。

つまり成功に結び付かない行動をしたところで試行回数にはカウントされません。

「頭の中で面白いビジネスモデルを考えた」

これが起業の挑戦にカウントされるわけ、ないですよね。そういうことです。

罠にかからず、試行回数を増やすためには次の二つのことを考え抜くしかありません。

  • 短期間で試行できる方法を見つける

  • 低コスト(カネ・心的労力)で試行できる方法を見つける

例えば、一回試行するのに1年かかる挑戦があったとします。この期間を3ヶ月に短縮することによって成功する回数は4倍になります。

あなたの貯金が500万円だとしましょう。一回試行するのに100万円かかる挑戦であれば5回しか試行できませんが、10万円なら50回挑戦ができます。

試行回数を増やしたいなら「期間とコスト」を減らすことだけを考えてください。「期間とコスト」を減らす方法を多く持っていればいるほどあなたが成功する回数は増えていきます。

期間とコストを減らすことの重要性・やり方については「新規事業の成功率をアップさせるための具体的なメソッドを教えます(ガチ)。」にて解説しています。

合わせてお読みください。

二つ目の罠が「課題によって基準成功確率が違い過ぎる罠」

基準成功確率:
カネ・コネ・スキルなど平均的な人がチャレンジした時の成功確率だと思ってください。

造語。

例えば、次の課題・目標に対する基準成功確率を考えてみましょう。

  • 1年間で単月売上100万円を超える事業を作る

  • 1年間でユニクロのような大企業を作る

どう考えても基準成功確率が違いますよね?後者なんてほぼ不可能な領域。

つまり、経験値が少ない段階では基準成功確率の高い挑戦を選ぶべきなんです。

「ユニクロのような世界で戦える企業を作るぞ!」なんてのを初手で選ぶのはあまりにも無謀。ゆえに経験値を積むまでは「小さくてもいいので成功確率が高そうな挑戦」を選んで試行していくべきです。

自社にあった売上アップ施策を選ぶための基礎知識

さて、ここまでは絶対に覚えておかなければならない二つの方程式について解説をしてきました。ここからは「自社に合った施策を選ぶステップ」について解説していきます。

ここまで分かっていることをまとめると

  • imp, CTR, CVR, LTVを伸ばすことで売上アップができる

  • 経費を下げれば利益が増える

  • 有意な試行にするために「目的」を明確にする必要がある

  • 挑戦に必要なリソースが少ない方が試行回数を増やしやすい

  • 基準成功確率は挑戦によって上下する

    • 最初は簡単な挑戦の方が良い(必須ではない)

例えば施策Aを取るときに期待できる利益の計算をしてみましょう。条件は以下のように設定します。

  • Aの施策の基準成功確率:P

  • Aが成功した時に増加する売上:R

  • Aにかかる金銭的コスト:C

$${{期待利益=P×R-C}}$$

なんか、小難しいように見えるかもしれませんが「期待値の高い施策を選ぼうね」ということを言ってるだけです。

Q. 期待利益だけ見ておけばいい?

A. ダメです。

大事なのはここから。施策を選ぶときは期待値さえ高ければいいわけがありません。試行にかかる期間という変数も重要です。

もちろんダメです。

なぜか?直感的に分かるように極端な例を考えてみましょう。

なぜなら、基準成功確率が1%だけど成功したら100億円のリターンが得られる(そしてコストは100円という)施策があるとしましょう。期待利益は1%×100億円-100円≒1億円。

絶対やるべきジャン!と思うかもしれませんが、結果が出るまでの期間が50年だとしましょう。そして、それに取り組んでいる間、他の施策は打てないとしたら?

やりたくないですよね?

やはり、期待値を費やさなければならない期間で割るなどして期間の影響を入れる必要がありそうです。

1億円の期待値を期間600か月で割ってみると16.7万円/月、月に均すと16.7万円ほどの期待値にしかなりません。えられる報酬が大きいせいで勘違いしていましたが1か月あたりのリターンで考えるとそれほど興奮する額ではないですね。

とはいえ、期待値を費やさなければならない期間(日、週、月、年など)で割るのはなかなか良さそうだということが分かりました。ではこれで得た結果が大きいモノから取り組めばよいのでしょうか?

Q. 期待値と期間さえ見ておけばOK?

A. ダメです(二度目)。

そもそも、期待利益を出してますが「期待値」をそんなに信奉していいんでしょうか?確かに、短期間で試行回数が何度でも増やせる施策であれば大数の法則により、期待値通りの結果が得られるでしょう。

しかし、試行回数が増やせない場合、分散が大きくなってしまいます。

「あー、分散ってあったな。ちょっと小難しそう」と思っている人も安心してください。数式はすっ飛ばしても大丈夫なように理解できるようになってます。

例えば以下のグラフをご覧ください。これは以下の条件で1000人分のシミュレーションを行ったときのヒストグラムです※。

※今回の条件は100億円で売却できる事業を作る、という仮定で作成しました。1回の試行に最低5年間かかると想定し、1人当たりの挑戦回数は10回まで。成功確率1%は適当に設定。

  • 成功確率1%

  • 成功時の報酬100億円

  • 一人当たり10回挑戦

シミュレーション結果

このシミュレーションでは以下のような結果になりました。

  • 報酬ゼロ円が905人

  • 100億円獲得が92人

  • 200億円獲得が3人

確かに、総獲得報酬は100億円×92人+200億円×3人なので平均すれば9.8億円と10回挑戦した時の期待値と同程度の報酬になります。

しかし、現実をみると稼げているのは95人、残りの905人は一円も稼げていません。

分散とは「平均値からデータがどの程度ばらけているか」を示す指標です。今回のように平均は10億円だけど、一人ひとりをみていけばかなり差がある場合は「分散が大きい」ということ。

よって、リソースが少ないときは期待値が高くて、期間が短くて、分散が小さい施策を選び、リソースが増えてきたら分散が大きくてもいいので期待値(期間で除したあと)がとにかく高いモノを選ぶ、という戦略になりそうです。

これで完璧ですね!?

Q. 期待値と期間と分散をみておけば流石にOKだよね?

A. ダメです(三度目)。

これまでの思考においては「費やすコスト」についての観点があまりにも希薄でした。一発の投資で破産しては元も子もありません。

なので、どのくらいのコストの施策を選んでいくか?も考えましょう。

オススメはリソースが少ないうちはとにかく低コストの施策を選んで経験を積んでいくことーーですが収益効率を伸ばしていくならケリー基準※のような考えを持ってもいいかも知れません。

※ケリー基準
既存資金に対して期待するリターンを最大化するためにリスクをかけられる金額割合を計算する方程式。

詳しくはこのページを見て。

ケリー基準とは簡単に言うと「リターン最大化のためにどのくらいの投資をすべきか?」を導出する方程式。

賭け事や金融などでよく使われるものですが、理論的には事業投資に使っても問題はないです。

ざっくり結論だけ言うと

$${{投資額=P-\frac{(1-P)}{B}}}$$

  • B: 利益/投資額-1→ROI-1

  • P: 成功確率

この式で計算した額に近い値の施策から順に実行していけば理論上は収益が最大化していきます。

ただし、注意点もあります。そう、期待利益や成功確率がどこまで行っても正しいもの(確定したもの)ではないんですよね。

なので、ご自身の"読み"への自信とリスク志向性によってケリー基準で算出した数値をさらに半分にしてみるなど調整をしていきましょう。

自社に合った施策を選ぶためのやり方

さて、事前準備が終わったところでやっと本題です。ここからは「自社に合った施策を選ぶためのやり方」を解説していきます※。

※まだ市場があるかどうかも分かっていない場合は自社に合った施策云々言う前に需要を確認する必要があります。

新規事業の成功率をアップさせるための具体的なメソッドを教えます(ガチ)。
などを読んでください

この先有料部分です。

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