重要なタスクから逃げてもいいからカネにしろ。
「逃げるは恥だが役に立つ」
なるほど、確かに。
武田信玄にボコボコにされたあとにうんこを漏らしながら逃走した※とされる徳川家康も約260年に渡る天下泰平の世の礎を築いた。ハンガリーのことわざも一理ありそう。
だがしかしBUT。
反社会的な世界に身を置いているわけでもない限り、現代を生きる我々が命の危機に瀕することなど、ほぼない、はず。
とんでもないブラック企業に就職してしまって睡眠時間ほぼゼロ、みたいな状況は命に係わる事態かもしれないが世の中そんな人ばかりではない。
逃げるは恥だが役に立つが、逃げていいタイミングは少ないのが現実。特に、あなたのように事業を作りたい、伸ばしたいという思いがあるのであれば、なおさら重要なことから逃げてはいけない。
今回のnoteは「緊急なこと、やりたいことを優先して重要なことから逃げちゃってない?」という内容。
事業における最重要タスクとは?
営利事業において経営者が逃げてはいけない重要なこととは売上を作り、利益を伸ばすこと。誰が考えたってそう。
強い情熱を持って起業した人は「世間へのインパクトが大事!」とか「社会貢献!」と言いたくなるかもしれないが、こと株式会社は利益を残すことが大事。
もちろん、近江商人の経営哲学である三方よし(売り手、買い手、世間)の考えも非常に重要。だけどそれも結局のところ、利益を残すという前提あってのもの。
「ウチは社員のための会社なんで」と言っている会社があるとしよう。あまりにも社員のための会社を作り過ぎて、あんまり利益が残らない。だけどま、いっか。社員は喜んでるし、離職率はゼロ!最高じゃん!
はい、突然訪れる不況で倒産。居心地よく働いていた社員は路頭にまようことに。ぬるま湯のような環境に慣れ切った社員たちは新しい職を探そうにも理想が高すぎる……。
あー、家族も養えず明日食う飯にも困ってついにはーー。
継続企業(ゴーイングコンサーン)の前提のためには売上を作り、利益を残すことを忘れてはいけないのです。不況が訪れても耐えられる会社を作るという視点を社員に求めてはいけません。経営者たるあなたの仕事です。
そのためには社員から「こんなに利益があるなら俺たちに還元しろ!」と言われても毅然とした対応をとる必要があるんです。
重要なことからは無意識に逃げがち
「売上を作って利益を伸ばす?そんなの当たり前だろww」
そうやって笑っているあなた。売上を作る活動から逃げてないと胸を張って言えますか?
知っている人は多いが、実践できている人は少ないアイゼンハワーのマトリックス
スティーブン・コヴィー著「7つの習慣」にて紹介されたことで認知している人も多いアイゼンハワーのマトリックス。そう、タスクを緊急度と重要度の2軸で整理する管理法です。
このアイゼンハワーのマトリックスは知名度のわりに実践できている人は驚くほど少ない。私の感覚で言うと実践できている人は5%もいません。
多くの人は「緊急だが重要でないこと(錯覚タスク)」に多くの時間を費やしていますーーみたいなことを言うと「はいはい、タスク管理の話ね。そんなの分かってるからさ」みたいなリアクションをする人が多いですが、あなたは分かってません。
もっと重要なことがあるのに「ちょっと重要で得意なこと」ばかりに取り組んでしまうのが人間という生き物
ある程度行動力がついてくると、売上を作るために必要なことに取り組んでいる人は増えていきます。しかし、そんな風に重要なことに取り組んでいる人ですら「もっと重要なこと」があるにも関わらず、その存在を無視するかのように「ちょっと重要で得意なこと」だけに取り組んでしまっているのです。
例えばリード(見込み顧客)獲得が得意でセールスが苦手という人は「リード獲得単価を下げるための改善をしています」などと一見すると聞こえの良いことを言いますが、その後ろにある「成約率改善のための販売プロセス管理」から目をそらすのです。
もちろん、リード獲得は売上を作るために重要なタスクです。それは間違いありません。しかし、現状の成約率が低い場合、販売プロセスの改善はもっと重要なタスクなのです。
逆もまたしかり、営業が得意な経営者が注力すべきリード獲得から逃げる。
成約率もリード獲得も十分な経営者が採用、組織化から逃げる。
意識の上では「売上を伸ばすための活動に取り組んでいる」としても、無意識化ではもっと重要なことを無視していることが往々にしてあります。それが人間です。
こんな偉そうに記事を書いている私にだってそういう側面があります。面白い施策を試すのが楽しいからついついそっちをやってしまいがち。
このような人間の特性を知ったうえで対策を練っていかなければなりません。
そもそも、なぜ重要なタスクから逃げてしまうのか?
私たちが重要なことから逃げてしまわないために、そもそもどうして逃げてしまうのか?を理解しておきましょう。
闘争・逃走反応(Fight or Flight)
人間はストレスがかかる事態に直面するとFight or Flight(闘争・逃走反応)と呼ばれる自律神経の働きが生じます。
その名の通り、ストレスの原因となったものに対して戦いを挑んで打ちのめすのか、それとも原因から遠ざかるのか、といった反応のことです。
山登りをしている最中に運悪く熊に出会ってしまった。
戦いを挑んで熊を撃退することも、走って逃げきることも難しい(熊の走る速度は人間よりも速い&背中を見せると襲われる)。このような状況ではストレス値はマックスになり、闘争・逃走反応が強く機能することになります。
しかし、事業構築において重要なことをしなければならないというストレスはこれとはまたちょっと違うストレスです。というのも、熊と違って容易に逃げることが可能なんです。
走っても追いつかれる、むしろ背中を見せることで襲ってくる熊と違って、「そこそこ重要でストレスなくできること(得意なこと)」に逃げるのは超簡単。
習慣化についての記事でも散々述べてきましたが、手軽にできることって言うのは選ばれやすいのです。超簡単な逃げ道があれば選ぶのは人間の性質上、自然なこと。
何も意識しなければ「そこそこ重要でストレスなくできること(得意なこと)」に引き寄せられてしまう。だからこそ、意識と環境によって「重要だが、目をそらしたいこと」にリソースを投下できるようにしなければなりません。
重要なことから逃げないためのアクションプラン
「あなた、重要なことから逃げてますよー」だけ述べてもなんの価値もありません。当然、どうやれば重要なことに集中して売上・利益を伸ばすことができるのか?まで説明しますよ。もちろん。
ここから先、耳(目)が痛い表現がしばしば登場するかもしれませんがお付き合いください。
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