ユーザーインタビュー攻略ガイド~良いインタビュー、悪いインタビュー
ユーザーインタビュー?大事なのはわかってるよ。うん。そりゃ、既存顧客や見込み顧客の声を聴いて参考にするのが悪いわけないよね。
表面上は「自分がユーザーだから」とか「顧客は自分の欲しいものを理解してない」とか、やらない言い訳は無限に生み出せる。だけど、本心では「課題を知るために、インサイトを得るために、インタビューって有益だよな」と分かってる。
でもね、なかなか重い腰が上がらないんだから仕方ないじゃないか。依頼するのだるいし、スケジュール合わせるの面倒だし、ネガティブなこと言われたくないし。
そして何より「やったことがないし、やり方が分かんないから!」
ーーこれがリアルな感情ですよね。めちゃくちゃ気持ち分かりますよ。
経験がないと、専門のスキルを持った人間が必要な未知の工程っぽく感じちゃいますよね。
でも実際は違います。どうやって進めていくか、どんな準備が必要かさえ分かってしまえば、友人と会話するように遂行できるタスクです。
今回のnoteはユーザーインタビュー攻略ガイドとして、ゼロからユーザーインタビューを進めるために必要な知識を皆さんに解説していきます。
この攻略ガイドを読み終えるころにはユーザーインタビューの重要性を認めることができ、計画から実行、分析の仕方まで明確に理解できるようになります。
「ユーザーインタビューってどうやって進めるんだっけ?」
「どんな準備が必要?」
「台本ってどうやって作ればいいの?やっちゃダメなこととかある?」
「インタビューするときに気を付けることってなにがある?」
「インタビュー中に起きる問題とか知っておきたいんだけど……」
「結果をどうやって分析すればいいか分からない……」
こんな悩み、読めば全部解決します。知らないから怖いだけ。知ってしまえば超簡単です。
スクリプトの例を見ながら注意すべき点、意識すべきことを解説しているセクションもありますし、このnoteを読めばユーザーインタビューへの恐怖はなくなります。
ユーザーインタビューの種類と使い分け
ユーザーインタビューの進め方について説明する前に、事前知識としてユーザーインタビューにはどのようなものが存在するのか?について理解してもらいます。
さっきからユーザーインタビューと一括りに読んでいますが、質問項目などをどれだけ形式化するかによって3種類に分類されます。
構造化インタビュー
半構造化インタビュー
非構造化インタビュー
スキルによるばらつきが最も小さい、構造化インタビュー
構造化インタビューは非常に形式化されており、用意した質問項目(台本)に従い、各参加者に同じ順序で質問します。
やり方が最もマニュアル化されており、インタビュアーのスキルによって回答にばらつきが出にくいのが特徴です。
「定量的なデータが必要な場合」や「多数の参加者の回答を比較する場合」は構造化インタビューの実施が好ましいです。
構造化インタビューとアンケート調査とは違う?
構造化インタビューは「台本が決まっている」という点からアンケート調査じゃだめなの?という疑問が生まれますよね。
若干の違いはありますが、厳密な構造化インタビューであればアンケート調査で代用できます。
インタビューだと「非言語的なシグナル(体の動きや回答までのタイムラグなど)」を含めて分析することができるのでアンケート調査よりも若干深いデータがとれます。
ただ、インサイトを得るためなら構造化インタビューよりも半構造化や非構造化インタビューの方が適していますからね。
私個人の意見ですがせっかくインタビューをするなら構造化インタビューではなく、ある程度台本を持っているが逸脱もOKな半構造化インタビューをおススメしたいです。
【おすすめ】あらゆる場面で重宝する、半構造化インタビュー
半構造化インタビューとは、その名の通り構造化形式と非構造化形式の中間に位置するものです。
構造化インタビューのように事前に質問項目(台本)を用意していますが、インタビュアーは興味深い回答が得られたときに、回答者のリアクションを見ながらトピックを掘り下げていくことができます。
"想定外の回答が得られたとき、さらにフォローアップの質問をする"など、逸脱するパターンも含めてマニュアルを作ることでインタビュアーに求められるスキル要求を下げることもできます。
ユーザー行動の理解、課題の発見、インサイトを得るためなど、様々な場合で使えるのが半構造化インタビューです。
せっかく直接コミュニケーションが取れるインタビューをするのであれば、半構造化インタビューのように柔軟性を持たせたものを実施すべきだと思います。
最も深い洞察が得られる、非構造化インタビュー
非構造化インタビューはテーマだけ決めておき、回答者に自由に話してもらう、行動してもらうインタビュー形式のこと。非構造化インタビューを終えた後、半構造化インタビューをすることが多い。
UXリサーチでよく使われる文脈的調査(Contextual Inquiry)は非構造化インタビューの一種。
これまでのインタビューはすべてインタビュアーからの質問が起点となって進行していましたが、非構造化インタビューは回答者の視点がトリガーとなって進んでいくのが特徴です。
「聞こえはいいけど準備不足なだけでは?」と思いました?
まぁ、確かに質問項目などを用意してないのでそう思ってしまうのも無理はないです。ただ、さぼっているわけではないのです。
ユーザーの自然な行動、回答を促すための環境整備、インタビュー中に一挙手一投足を観察し、思考を明らかにするための質問を適宜投げかけるなど、インタビュアーに最もスキルが必要とされますし、負荷もかかります。
その分、最も深い洞察が得られる可能性があるインタビュー形式でもあるのです(スキルもいるけど……)。
自社サービスのUXなどを改善するために実施することもあれば、顧客の課題特定後に既存ソリューションをリプレイスするための洞察を得るためなどに使うこともあります。
これだけに限らず、ユーザー視点を徹底的に突き詰めて、深く理解するときには非構造化インタビューがおすすめです。ただ、半構造化インタビューに比べて時間はかかりますし、スキル不足で思ったようにいかないこともあります。
最初から「インサイト得るぞ!」と非構造化インタビューを試すのではなく、半構造化インタビューを何度か繰り返して経験を積んでからやるのがいいかなと思います。
ユーザーインタビューの計画・準備のやり方
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