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気付けば、まっしろ


南岸低気圧が通るので今日は雪の予報。

今週に入り、天気予報でさんざんっぱら聞いていました。
昨日の気温は温かめだったので「本当に降るのかな~」と
やや疑わしく思っていました。
朝5時、徐々に白くなっていく庭。
おお、これはまずいなんてぼんやりしていました。
そとは真っ暗ですが、近くを通る高速道路にパトロールカーがランプを回転しながら行き交っている様子がわかります。


「ナンガンテイキアツか~、今回は降りそうだな」

数年前、まだ生きている頃の父が天気予報とにらめっこしながら
冬の時期渋い顔をしていたことを思い出しました。

私の父は、高速道路にかかわる仕事に携わっていました。
山間部のに通っている高速道路のため、
冬の期間はかなり天気は細かにチェックしていました。

「なに?ナンガンテイキアツって」
私はその時よくわからなかったため、詳しく聞いてみたら

日本の南の沿岸をゆく「低気圧」であること
陸上に近いところを通ると、気温が低い場合は大雪が降るんだ
そんなことを父が教えてくれたのをぼんやり覚えています。

雪が降る、予報が出ると父は休みの日でも「ま、しょうがねぇな」
と言いながらもいそいそ作業着を着て出かけていきます。
寒い中除雪手配、凍結防止剤散布、場合によっては通行止め作業
そんなことをやっていたのだと、後々知りました。

冬、仕事大変だね。というと
「ま、仕事だしな。まぁ俺はいいかげんなもんだから」と
がっははと笑って話していたことが、印象に残っています。

数年前父が亡くなった後、一緒に働いていた方がお線香をあげにきてくれました。その時
「あんなに現場に来てくれる上長はいなかった。いつも気遣ってくれて」
と涙を流しながら話してくれました。

そうか・・・・
本当はそんなに現場に行かなくてもよかったんだ。
その時はじめて気づきました。

いい加減だったら、あんなに「南岸低気圧とは」について詳しく知らなかったはずだし、休みの日に何度も出ていくこともないか。
照れ隠しをしていたのだと思いますが、本当はとても真摯に仕事に向き合っていたんだな…と雪がふると父の姿勢に尊敬に近いものを感じてしまいます。


あ~、反面私ときたら
おっと、今日テレワークでラッキーだったな
なんて不真面目なことを思っていたことか!

(今日出勤された方申し訳ございません。足元悪くて通勤しにくいったらなかったですよね、無事帰れましたでしょうか)

パパさん、私の方がずっといい加減です。こんな娘でごめんなさいー

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