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教えてくれたことは今に

もう20年ほど前ですが、ウサギが家族として一緒に暮らしていた時期がありました。
新卒の前から一緒に暮らしており、とあるペットショップでせまーいケージにギュウギュウに子ウサギがいてかわいそうじゃないか、となんだか憤りを感じたことを覚えています。

その子は薄茶色でくるくる動き回る元気な男の子。
活発だけではなく、かなり聡明でケージの外にいるときには絶対におしっこはせずに、したい時自分で戻っておしっこをするほど。すごいなぁ。

一緒に暮らし始めて数年たったころ
今まで食べることで削れていた前歯が伸びてくるようになりました。

うさぎさんはもともと歯が伸びていく生き物らしく
牧草や固いペレット状のご飯を食べることで削れるのですが
どうやら食欲が若い時より落ちてしまったようです。
今もお世話になっている獣医さんと治療方針を話しながら進めてました。

そんな彼はおいしいものが大好き。

ご飯を食べる前におやつが欲しいとよく言っていました。

その日もおやつーッ!ちょうだーい
おねだりをしたのですが
ご飯をたべてからね!とおあずけ。食べたらあげるよって言ってその日はあげずにいました。

次の日、冷たくなって横たわっていました。


そんな…
なんで。ご飯は食べられなかったのかな。せめておいしいものは口にできたのかもしれないのに…
昨日、なんであげなかったんだろう。


そんな想いで胸が締め付けられたのと、彼の愉しみを奪ってしまった自分が許せませんでした。


何が大事なんだろうって。


生はいつ終わるのかわかりません。
それは私も、母も、猫ちゃんも。


健康で居続けることは大事です。
しかし、健康で居続けるために楽しみが奪われるとしたら果たしてそれは生きているっていうのかなぁ。

健康も大事だけど
愉しみもやっぱり大事。

もしかしたら「厳密にいうのであれば」私が考えてやっていることは
正しいとは言えないのかもしれません。
ただウサギさんが私に教えてくれたんです。
長く生きるのも幸せかもしれないけど
生き方も大事なんだよ。

彼が教えてくれたことを、今猫ちゃんにつなげています。
またいつか、会えるのであれば彼に会いたいなぁ。
今度はおいしいウサギさんおやつを大盤振る舞いであげちゃいます。

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