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Cappadox RTN7: 野外で焚火料理フルコース後編

English follows Japanese


オープンファイアクッキングのスタート!

前編から続きが遅くなってしまいましたが、2017年5月に訪れた野外総合アートフェス「Cappadox」内のグルメイベント「オープン・ファイア・クッキング」の後編です。

「オープン・ファイア・クッキング」は、地面からニョキニョキとキノコのような岩が生えているよう見えるカッパドキアの谷底に、ダイニングテーブルを並べ、イスタンブルの若手人気シェフとスタッフが全ての料理をオープン・ファイア=焚火で作り、60名ほどの参加者を着席フルコース形式でもてなす豪快なグルメイベントだ。

真赤な炭火で地物野菜をBBQに

着席して、周りのトルコ人参加者たちと話していると、最初にフルートグラスのスパークリングワインが運ばれてきた。「ポプラの谷」を意味するトルコの大手ワイナリー「カヴァクリデレ」の「アルトゥン・キョピュク=黄金の泡」。僕は今回初めて飲んだが、ジャスミンの花のような香りと後味のミネラルが残る。カッパドキア固有の葡萄エミル種で作られているそうだ。

アミューズブーシュは、少量のパストゥルマと地元のチーズを塩漬けの葡萄の葉で一口大に巻いてから薪火焼き、BBQにしたもの。さらに赤パプリカを煮詰めたペーストのビベール・サルチャスを塗った一口大のサワーブレッド。パストゥルマとはトルコ版のパストラミ。クミンやコリアンダー、フェヌグリークなどのスパイスをにんにく、パプリカなどと一緒にペーストにし、牛肉の塊に塗りたくり、燻製にしている。トルコ人が騎馬民族だった時代からの伝統料理とされ、現在ではカッパドキアの入口となる地方都市カイセリの名物である。2つともほんの少量で、一口でパクリと食べてしまったが、パストゥルマにも塩漬けの葡萄の葉にもビベール・サルチャスにも、それぞれに独特の風味があり、さっぱりした泡との相性もイイ。

パストゥルマとチーズを塩漬けの葡萄の葉で巻いて薪火焼き、ビベール・サルチャスを塗ったサワーブレッド
発酵バター

炭火で焼いた地元野菜のメゼ

2本目のワインはギョレメ郊外にある人気ワイナリー「トゥラサン」の白「エミル」。1つ目と同じエミル種のワインで、色は薄い黄色、やはりジャスミンのような花の香りとメロンや青りんごのようなキリッとした味。冷菜に合わせるには間違いない。

最初の冷菜は三種類が同時に運ばれてきた。木のカッティングボードの上に盛り付けられているのは、杏の木で燻製にしたパストゥルマ。付け合せに陶器の町アヴァノスの特産チーズ、ルッコラ、そして無発酵のパンが添えられている。

杏の木で燻製にしたパストゥルマ、アヴァノスのチーズ、ルッコラ、無発酵のパン

二つ目は葡萄の枝を薪として焼いたアスパラガスに、セイヨウイラクサとブルグル、赤カブを混ぜたサラダ。そして、三つ目はやはり炭火で焼いたモロッコインゲンに干しプルーンとレモン汁、白ごまのソースを回しかけたサラダ。三品ともイスタンブルのメイハネでは見かけない、トルコ内陸部田舎の家庭料理を元にしているようだが、都会のシェフによってひとひねり加えられ、更にプレゼンテーションもカラフルで洗練されている。

焼きアスパラガスにセイヨウイラクサとブルグル、赤カブのサラダ
モロッコインゲンに干しプルーンとレモン汁、白ごまのサラダ

3本目のワインは一本目と同じ老舗ワイナリー「カヴァクリデレ」の白「セレクション・ナーリンジェ」。これはイスタンブル・アタテュルク空港のビジネスラウンジに置かれていたのを飲んだことがあったが、やはり薄い黄色の色が特徴的な、樽の香りがほのかに残る高級ワインだ。ナーリンジェ種もエミル種と並ぶカッパドキア固有の葡萄とのこと。このワインにも三種類の冷菜が用意された。

薪火オーブンで調理された豆やアーティチョーク

まずは薪オーブンでコトコトと柔らかく煮込んだ金時豆。上にのせられた人参のラペはターメリックとワインビネガー、オリーブオイルでマリネしてある。二つ目はエーゲ海イズミル地方産のアーティチョークの薪オーブン焼き。こちらにはオリーブオイルで炒めて甘みを引き出した玉ねぎが添えられている。三つ目は山羊のヨーグルトと青菜を練り込んでやはり薪オーブンで焼いたパイのボレッキ。野菜や豆、粉、乳製品など地元の食材の美味さを薪オーブンが見事に引き出している。

金時豆の煮込みと人参のラペ。若いスタッフが一皿ずつ丁寧に盛り付ける
金時豆の煮込みと人参のラペ。
イズミル地方産のアーティチョークのオーブン焼き
山羊のヨーグルトと青菜を練り込んだボレッキ

4本目のワインはウチヒサル郊外にある家族経営の小さなワイナリー「コジャバー」の赤「レオズ」。トルコ固有の葡萄、オキュズギョズ種とボアズケレ種、更にカベルネ・ソーヴィニョンをブレンドし、カッパドキアの地下都市に暮らした初期キリスト教徒と同じ製法で、石の樽の中で発酵させた数量限定の高級ワインとのこと。古い製造法のためか、それとも古い葡萄の種のためか、タンニンが強く、胡椒やチョコレートのようなしっかりした味がする。このワインには二種類の温菜が用意された。

温菜はジャガイモの発酵バター焼きや仔羊の小腸ココレッチ

温菜一つ目はくし切りのジャガイモをオーブンの熾火の中で一晩かけて蒸し焼きにし、ディルやパセリなどのハーブを練り込んだ発酵バターと、アヴァノス名産のブルーチーズとともに一人用のスキレットで焼いたもの。ブルーチーズとバターがスキレットの中でジュージューと音を立て、低温で焼いたジャガイモはねっとり。これは美味い! 

ジャガイモの蒸し焼き、ハーブ入り発酵バターとブルーチーズのスキレット焼き

もう一品は仔羊の大腸を金串に刺し、その周りにスパイスで漬け込んだ小腸をグルグルと巻きつけ、直径5~7cm、長さ40~50cmにまとめ、炭火でBBQにしたココレッチ。イスタンブルでも一部のオヤジ向けファストフードとして専門店を見かけるが、とにかく臭くて、好き嫌いがはっきりしている料理だ。今回は新鮮な仔羊の内臓を使っているはずだが、それでも異臭が漂い、多くの女性たちは手を出さなかった。厚さ2cmほどの輪切りにして、上にざくろビネガーで甘く炒めた玉ねぎがのせられている。周りに巻いた小腸は焦げてカリカリ、中心の大腸は内臓の脂がトロトロ、ざくろビネガーと玉ねぎのおかげで、臭みは消え、イスタンブルの屋台のものよりも数倍美味いが、やっぱり、一切れで十分だ。

仔羊の小腸と大腸のグルグル焼きココレッチ。見た目結構グロい
輪切りにしたココレッチ。臭み消しにはざくろビネガーで甘く炒めた玉ねぎを

ここまでワインと料理を食べ進めていると、いつのまにか空が夕暮れのオレンジ色に染まってきた。時計を見ると午後7時半。初夏のトルコ・カッパドキアは日が長いなあ。

ついに登場、仔山羊の丸焼き「オーラック」!

会場左奥に造られた四面の木製の櫓では、お昼から半日かけてじっくりと焼いている仔山羊の丸焼き「オーラック」が香ばしい香りを放ち、シェフのムスタファ・オタルが真剣な眼差しで見つめている。すると、ムスタファが若いスタッフに指示を出し、櫓の上から見るからに重たそうな仔山羊を一頭、担ぎおろし、手前の作業テーブルの上の大きなまな板の上に置いた。これから解体ショーの始まりだ。

長い時間をかけて焼くオーラック、Cappadoxの主催者アフメド・ウルーさんもたまらず撮影

ムスタファはまず縛り付けた針金と磔の木材を外してから、大きなナタを仔山羊の肋骨の下の背骨に入れ、ガンガンガンと叩きながら、上半身と下半身、更に後ろ足を切り離した。続いて、肋骨の隙間にナタを入れ、肋骨と前足を切り分ける。それから肋骨を一本ずつ切り分け、腿や肩は食べやすい大きさに刻んでいく。驚くほどのスピードで一頭が切り分けられてしまった。イスラーム教の犠牲祭などで動物まるごとをさばくのに慣れているトルコ人、さすがに手際がイイなあ!

櫓からおろした仔山羊。まず針金と磔の木材を外す
肋骨の隙間にナタを刺し入れる

「オーラックは初めて食べるのかい? トルコでは毎年5月の5日、6日に夏の幕開けを祝う祭り「フドゥレルレズ」が開かれるんだ。オーラックはそのフドゥレルレズの時に、伝統的に食べられる料理なんだ。オープン・ファイア・クッキング=焚き火料理は人類最初の料理方法だし、それにオーラックはトルコ人にとってソウルフードなんだよ」とムスタファ。

なるほど「フドゥレルレズ」のソウルフードなのか! 日本でも5月5日は端午の節句、または菖蒲の節句として、子供の成長や田植えを祝い、ちまきや柏餅を食べるが、トルコでは5月の5日、6日の「フドゥレルレズ」には新鮮な仔山羊や仔羊、レバーや薬草を食べて、健康を願う。この日にイスタンブル旧市街のアフルカプ地区に行けば、ロマの音楽家たちによる大規模な野外音楽祭を楽しめる。Cappadoxのオープン・ファイア・クッキングは5月18日なので、正確には「フドゥレルレズ」ではないが、現代人が忘れがちな伝統的な祭りの再現という意味もあるわけか。

ムスタファの周りには、著名な料理研究家の姿も

席に戻ると、5本目のワインが配られた。今度は「カヴァクリデレ」ワイナリーの赤、「プレスティジ・オキュズギョズ」。オキュズギョズ種の葡萄から作られ、フレンチオーク樽で熟成させた高級ワインらしい。オーラックとの相性も良さそうだ!

カンカンカンとあっという間に一口サイズに切り分ける
 切り分けたオーラック。美味そうでしょう!
付け合せのサラダ

それではメインディッシュのオーラックをいただきま~す! 味付けは表面に岩塩を塗りたくり、半日かけて焼きながら、表面に浮いてきた脂を何度も回しかけただけ。それだけなのに、薪火のおかげで、とても複雑な味わいがする。表面はカリカリに焼けているものの、内側は柔らかくジューシーだ。大きなスペアリブを四本も立て続けにムシャムシャと食べきってしまった。付け合せの焼き野菜や、シンプルなルッコラ、レタスとトマトのサラダとの相性も良い。しかし、4時間も延々と食べ続けたので、三度の飯よりトルコ料理が好きな僕でも、これにて打ち止め。もうこれ以上食べられない!

午後7時半。5月の長い日も次第にくれてきた

5時間かけてお腹いっぱい!この後深夜過ぎまで音楽コンサート!

食後のデザートは桑の実をオキュズギョズ種の赤ワインで煮たコンポートをミルクに浮かべたもの、そして「トゥラサン」ワイナリーのデザートワイン「タナント」を楽しんでいると既に夜9時。ムスタファ・シェフとスタッフたちの挨拶とともに「オープン・ファイア・クッキング」は無事終了。5時間の長丁場、お疲れ様でした。

デザートの桑の実のコンポート

カッパドキアの自然の中で、伝統と現代が共存するフュージョン料理フルコースを堪能することが出来た。日本のフェスも屋台のフェス飯に長蛇の列を作るだけで満足してないで、このくらい豪快なグルメ企画を組んでくれたらいいのになあ。

ムスタファ・オタル・シェフによる閉会の言葉

さて、ウチヒサルまでの帰り道は谷底の会場まで4WD車が何台も迎えに来てくれていた。行きに降りてきた、奇岩に穿った階段を酔っ払ったまま昇らずには済んだ、ふ~。崖の上で4WDからバスに乗り換えていると、どんより真っ暗な空からポツポツと雨が降り出してきた。イベントの間ずっと天気が保ってくれたのは運が良かった。しかし、Cappadoxの本番、夜のコンサートはこれからスタートなのだ。一旦宿に戻って、十分に雨と寒さ対策をしてから、ライブ会場に出かけよう。 

夜のCappadoxライヴ会場入口。異世界の雰囲気ばっちりです

Cappadox RTN7: Open Fire Fine Dining in Cappadocia: Pt.2

Part Two of the Gourmet Event "Open Fire Cooking" at the Cappadox Festival in Cappadocia, Turkey, May 2017.

The start of Open Fire Cooking!

In the valley of Cappadocia, which looks like it's sprouting mushroom-like rocks from the ground, a row of dining tables was set up. Here, a popular young chef from Istanbul and his staff prepared a full-course meal for about 60 participants, all cooked over an open fire.

As I sat and chatted with the Turkish participants around me, the first thing brought to our table was a flute glass of sparkling wine from Kavaklidere, one of Turkey's major wineries, called "Altın Köpük" meaning "Golden Bubbles." It was my first time trying it; it had a scent reminiscent of jasmine flowers and left a mineral aftertaste. It’s made from the Emir grape variety indigenous to Cappadocia.

The amuse-bouche was a small serving of pastırma and local cheese wrapped in a vine leaf and then grilled over wood fire, and a piece of sourdough bread with a spread of red pepper paste called biber salçası. Pastırma is the Turkish version of pastrami, made by coating a chunk of beef in a paste of spices like cumin, coriander, fenugreek, garlic, and paprika, then smoking it. This traditional dish hails from the era when Turks were nomadic horsemen and is now a specialty of Kayseri, a provincial city that serves as the gateway to Cappadocia. Both were tiny amounts that I quickly popped into my mouth, but each of the pastırma, vine leaves, and biber salçası had a unique flavor that paired well with the crisp bubbles.

Meze of local vegetables grilled over charcoal

The second wine was a white called "Emir" from Turasan, a popular winery on the outskirts of Göreme. Like the first, it was made from the Emir grape variety, pale yellow in color with a jasmine-like floral scent and a crisp taste reminiscent of melon and green apple. It was undoubtedly perfect with the cold dishes.

The first course of cold dishes arrived simultaneously. On a wooden cutting board, there was pastırma smoked over apricot wood, accompanied by cheese from Avanos, a town famous for pottery, along with arugula and unleavened bread. The second dish was asparagus grilled over grapevine wood, mixed with nettles and bulgur and red beet salad. The third dish consisted of char-grilled green beans mixed with dried prunes and lemon juice, topped with a sesame sauce. All three dishes seemed to be based on rural Turkish home cooking from the inland areas but were tweaked by a city chef, making the presentation colorful and sophisticated.

Beans and artichokes cooked in a wood-fired oven

The third wine was again from the established winery Kavaklidere, a white called "Selection Narince." I had previously tasted it in the business lounge at Istanbul Atatürk Airport; it was a premium wine with a light yellow hue and a subtle oak aroma. Narince, like Emir, is a grape variety native to Cappadocia. This wine was also paired with the three cold dishes.

First, there were simmered kidney beans cooked tenderly in a wood oven, topped with a carrot slaw marinated in turmeric, wine vinegar, and olive oil. The second was artichokes from the Aegean region of Izmir, baked in a wood oven, accompanied by onions caramelized in olive oil. The third was a börek, a pie baked in a wood oven, made from goat's yogurt mixed with greens. The wood oven superbly brought out the flavors of the local vegetables, beans, flour, and dairy products.

Warm dishes of potatoes with fermented butter and lamb's intestine kokoreç

The fourth wine was a red called "Leos" from Koçabağ, a small family-run winery outside Uçhisar. It was a limited edition high-end wine, fermented in stone barrels using ancient techniques, blending indigenous Turkish grape varieties Öküzgözü and Boğazkere with Cabernet Sauvignon. Whether due to the old grape variety or the old production method, it had a strong tannin profile with robust flavors of pepper and chocolate. Two warm dishes accompanied this wine.

The first warm dish was diced potatoes cooked overnight in the embers of the oven, served in individual skillets with fermented butter mixed with herbs such as dill and parsley, along with blue cheese from Avanos. The blue cheese and butter sizzled in the skillet, and the low-heat-cooked potatoes were creamy and delicious.

The second dish was kokoreç, made by skewering sheep's large intestines and wrapping spiced small intestines around them, then grilling it over charcoal. This dish, often seen in specialty fast food joints for older men in Istanbul, is quite smelly and not to everyone's taste. Even though fresh lamb intestines were used, its strong smell deterred many women from trying it. It was cut into about 2 cm thick slices, topped with onions caramelized in pomegranate vinegar. The wrapped small intestines were crispy, and the center large intestines were meltingly fatty. Thanks to the pomegranate vinegar and onions, the usual smell was significantly reduced, making it much tastier than the versions typically found in Istanbul's street stalls, although one piece was plenty for most.

Finally, the whole roasted young goat "Orlack"!

As we continued to enjoy the wine and dishes, the sky gradually turned the color of twilight orange. I looked at my watch, and it was already 7:30 PM. Early summer in Cappadocia, Turkey, has long days.

In a wooden tower built at the back left of the venue, Chef Mustafa Otal was intensely watching the whole roasted young goat "Orlack," which had been cooking slowly since noon, emanating a delicious aroma. Then Mustafa signaled to a young staff member, who then lifted the heavy young goat off the tower and placed it on a large chopping board at a nearby work table. The butchering show was about to start.

Mustafa first removed the wires tying the goat and the wooden cross, then inserted a large cleaver into the goat's spine below the ribs and began chopping vigorously, separating the upper body, lower body, and then the hind legs. Next, he placed the cleaver between the ribs, separating the ribs and forelegs. He then individually cut the ribs and chopped the thighs and shoulders into manageable eating sizes. The entire goat was expertly butchered at an astonishing speed. Turks, accustomed to butchering whole animals during religious festivals like Eid al-Adha, are indeed skilled at this!

"Is this your first time eating Orlack? In Turkey, on May 5 and 6 every year, a festival called 'Hıdırellez' celebrates the start of summer. Orlack is traditionally eaten during Hıdırellez. Open fire cooking is humanity's oldest cooking method, and Orlack is soul food for Turks," explained Mustafa.

So, Orlack is soul food for the Hıdırellez festival! In Japan, May 5 is also celebrated as Boys' Day or Iris Festival, where people celebrate children's growth and the planting season by eating chimaki and kashiwa mochi. In Turkey, during the Hıdırellez on May 5 and 6, people eat fresh young goats or lambs, liver, and herbs, praying for health. If you visit the Ahırkapı district in Istanbul's old city on this day, you can enjoy a large outdoor music festival by Romani musicians. Although Cappadox's Open Fire Cooking event was held on May 18, not exactly during Hıdırellez, it also serves to revive traditional festivals that modern people tend to forget.

Returning to my seat, the fifth wine was served. This time, it was "Prestige Öküzgözü" from Kavaklidere Winery, a red wine made from the Öküzgözü grape variety and aged in French oak barrels. It seemed like a good match for the Orlack!

Now, let's enjoy the main dish, Orlack! The seasoning was simply rock salt rubbed on the surface, cooked over half a day while repeatedly basting the surfaced fat. Yet, thanks to the wood fire, it had a complex flavor. The exterior was crispy while the inside remained tender and juicy. I ended up devouring four large spare ribs in a row. It also paired well with the side dishes of roasted vegetables and a simple salad of arugula, lettuce, and tomatoes. However, after eating continuously for four hours, even I, who love Turkish cuisine more than three meals a day, had to call it quits. I couldn't eat anymore!

5 hours feast! Then music concerts continue after midnight!

For dessert, mulberries stewed in Öküzgözü red wine were served floating in milk, along with a dessert wine "Tannat" from Turasan Winery. By the time I finished, it was already 9 PM. Chef Mustafa and his staff thanked everyone, marking the end of the "Open Fire Cooking" event after a long five hours.

In the midst of Cappadocia's nature, I had the opportunity to savor a fusion cuisine full-course meal that coexisted with tradition and modernity. I wish Japanese festivals would go beyond just lining up at food stalls and offer grand gourmet projects like this.

On the way back to Uçhisar, several 4WD vehicles came to pick us up from the valley-bottom venue. Fortunately, I didn't have to climb back up the rock-carved staircase while drunk. As we switched from the 4WD to the bus on the cliff top, rain began to fall from the overcast dark sky. We were lucky that the weather held up during the event. However, the main part of Cappadox, the night concert, was about to start. I'll head back to my accommodation to properly prepare for the rain and cold, then head to the live venue.

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