象使いになりたい少年のはなし
前回の記事でもご紹介したように、タイ語を学びたくて週末になるとSALAにひとりでやってくる高校生の少年がいます。
大抵の毎週日曜日、彼はやってきます。
お客さんがたくさんで外で並ぶ日だって、電話で呼びますよ、と言ってもどんなに暑い日だって必ず店の前で待ってくれています。
店に入ると「サワディッカ!(こんにちは)」といって、カオマンガイを頼み、チャンスあればタイのスタッフとタイ語を話し、ノートにタイ語を書いたり、タイ語の本を読んだり、店内にあるタイ語をくまなく探し、見ながら勉強しています。
その学び方の姿勢がすごくって、彼はいったい何者なのか?
週を重ねるごとに、
毎週日曜日にくる象のTシャツを着たカオマンガイを頼む男の子
から、
どうやらタイ語を本気で学びに来ている男の子、
に変わっていきました。
そして色んなご縁があり、彼が何者なのかがわかります。
高校生で「象使い」になりたくてタイ語を学ぶ男の子、だったのです。
彼の夢はシンプルです。
「象使いになりたい」
3歳の頃から象が大好きで色んな勉強をする中「星になった少年」という映画
に出会ったことをきっかけに、タイには象使いがいることを知りタイに興味を持つ、そこからタイで象使いを学び、象使いになることを夢に、タイ語を学んでいる、ということです。「将来は象使いになるから」とあらゆる会話の中で言い切る姿が清くてまっすぐで心打たれました。
驚くことにタイ語を操る彼はまだタイにも行ったことがないといいます。
だからいつも象のTシャツを来ているのか、と合点がいきました。
彼と話をしていると彼のお父さんは西区でカフェをしている、ということをおしえてもらい、彼をもっと知りたい、という思いから、定休日の火曜日にそのカフェへ足を運ぶことにしました。
カフェを目指し電車に乗り、バスにのり、歩いて・・・気がつけば信じられないくらい自然豊かな場所へ。
電車代もかかるし、ランチ代だってかかる。(彼は大盛りを食べるし)
それでもこの距離と時間をかけてSALAに来てくれている。
思い馳せながら歩いていくと日常を忘れるほど穏やかな風景に出会うことができました。チャレンジショップのあとだったので夕方。やわらかい光がさす静かな風景が新鮮で心から癒やされました。元町から40分もあればこんな場所に出会える発見も嬉しかったです。
普段は店と家の往復の日々の方向音痴の私にとってはのなかなか冒険でした。(案の定、付近についてからは目一杯迷って、寺に迷い込みながらすてきな風景に出会うことができました)
道中に彼は毎週この距離をどんな想いを抱えてSALAに足を運んでくれているんだろう、と思うとなんども身が引き締まる思いでした。
夢のためにタイ語を学びたい、そのシンプルな想いに私たちはどこまで協力できるのか。
彼の勇気ある第一歩の行動から、縁が繋がり、私やスタッフを含めたくさんの人々の心を動かすこと。
ようやくたどりついたカフェで彼のお父さんに淹れて頂いた珈琲はたまらなくおいしかった。本当に何度でも通いたいと思うほどおいしくて心があたたまりました。
カフェに行った際に彼が話していたこと
「(夢を)応援してくれる人がいるから、その気持を感じてもっとがんばろう、って思う」
夢を追う、ということは決して一人で成し遂げれることではなくて、たくさんの方々のあらゆる応援があって、力になって成し遂げれるもの。
私自身も学生時代から今まで、身をもって感じてきたことです。
そんなまっすぐな想い、その想いがつなぐ力。
身近に感じながら、SALAとしても彼を全力で応援したい、と思います。
前回の投稿を読んで、クラウドファンディングの返礼であるSALAお食事券を彼に譲渡してください、と言ってくださった方もいます。
やさしい気持ちがつながり、彼への夢への力になること、SALAがその一旦になれることに責任を感じながら、みんなでできる形で応援していきたいと思う今日このごろです。
最後まで読んでくださりありがとうございます。サポートは全てSALAの事業発展、スタッフのサポートの為に使用させていただきます。ぜひ、応援よろしくお願い致します!