天才ってどんな人?
私は職業柄、天才ってなんだろうってよく考えるのです。
現代の叡智である辞書を用いますと「生まれつき備わっている、きわめて優れた才能。またその持ち主」と記されています。
まあそうだわな、と思いつつふんわりした表現過ぎるので、もうちょっと絞ってみることにしました。
それでこれは僕の思う天才なのですが、自分の役割を知っている人のことなんじゃないかと思います。
知っているってどゆことよ?って思われるかもしれませんが、これはもう本当に知ってるってことです。直観的に自分の役割を知っているんです。
笠井潔さんの小説「バイバイ、エンジェル」にて主人公の矢吹駆が「名探偵は推理によって犯人を見つけるのではなく、はじめから犯人を知っているのさ」というようなことを言います。この感覚に近いです。インドの数学者ラマヌジャンが数学の公式に気付くときも、こんな感覚なのかもしれません。
例として私が天才だと思う人物、ヒップホップ以降の吟遊詩人こと小林大吾さんの話します。小林さんはラジオのインタビューで自分の詩などの表現について「自分が望む望まないに関わらず与えられたものだと思っている」と発言していました。こういう発想ができる人はなかなかいないだろうと思います。
誰に頼まれるでもなく、好きとかそういうものでもなく、これが自分の役割だと思えるものがある人。そんな人が天才なんじゃないかと思います。
逆に凡人であることに対して他の追随を許さない私は(凡人だっておこがましいくらいですが)仕事といえば給料はいい方か、ちゃんと休めるかどうか、自分がちょっとでも活躍できるのか、あわよくばモテそうか・・・そんなことばかり考えてしまいます。
自分の確固たる役割がわかれば、こんな些末なことに頭を振り回されずに済むのでしょう。とはいえ世の大半の人が凡人ならば、共感は得られるかもしれませんね。
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