横浜トリエンナーレ行ってきたよ
延期があったので4年ぶり(?)2度目の来訪。
みなとみらい駅を降りると物産展とともに能登半島地震の募金を声かけられたので流石に募金。1回目で立ち止まりきれなくても連続募金攻勢になっていたので助かりました。そして募金のお礼にちょっと良いマスク(中国製)をゲット。最初はそのマスク代を被災地の寄付金に回せよと思ったけど、おそらく中国から寄贈されたものをこうやって有効に配ってるんだと推測。じーん。
横浜美術館は長いこと改築してる印象はあって、前回のトリエンナーレのときの写真を見返してみたら確かに黒幕が掛かっていました。ぜんぜん記憶にない。
というわけで完成系の横浜美術館とは初対面。ちなみに作ったのは建築界の巨匠、丹下健三。建築家のことは全然詳しくないのだけど、さいわい丹下健三だけは知ってました。
なぜかというと映画『傷物語』を見たから。知り合いのアニメ・オタク曰く、なんでも『傷物語』の作中に登場する建築はかなりのものが丹下健三が設計してるものをモデルにしているそうな。そしてどうやら横浜トリエンナーレの会場付近(馬車道駅らへん)もモデルとして登場しているみたいで*、実質聖地巡礼みたいな気持ちに。
それはともかく、中に入ってみると、見通しが良くていいかんじ。あと座れるところがたくさんあって良い。室内でも外でも、座れるところはあればあるほど良いですからね。
展示は国際色豊か、というか中韓のアーティストが多め。これは良いことだと思います。あんまり美術館で中国語やハングル文字見ることってないですからね。
全体的な特徴としては、かなり見やすい展示になっているかと。というのも作品解説が読みやすい。前回は確かポエムみたいな解説になっていてただでさえわかりにくい展示がさらにわかりにくくなっていた覚えがあります。もちろんわからないことをわからないまま持っておくことは大事ですが、わかろうとする人の助けになるくらいの役目は果たすべきでしょう。
その点では、今回は解説がわかりやすくてナイスです。というのも今回はかなりファミリー層をターゲットにしている感が強く、実際に日本人に問わず子ども連れファミリーが多数を占めていました。
だからこそ子どもの「これなに?」に対してパパママが解説を見て「〇〇だよ〜」って答えるシーンに何回も遭遇しました。解説見る前に一緒に考えてみろや、という気もしなくもないですが、親御さんが子どもに説明をする作業を通して作品を理解するみたいなプロセスができていて、バッチリ解説が役目を果たしていました。
面白かったのは、「水たまりの水を口に含んで別の水たまりに移し替える」というパフォーマンスの動画があって、「これなに?」と子どもに聞かれた親御さんが、概要を説明した後に(これは解説見なくてもわかる)、「でも◯◯ちゃんはやっちゃダメだよ」って注意してた場面に出くわしたこと。このような「有害」なものをちゃんと見せた上で線引きすることは良い教育だと思います。
とはいえ全体的にとがった展示は少ない印象で、導線も展示物も平均よりは開かれているものの、普通の美術館の展示っぽい形に。前回はなんというかスペースごとの「文化祭感」が強かったし、「エビとセックスするVR」などそれ単体でパンチのある作品が多かった記憶が。全会場回りきれてないのでもしかしたら他の会場ではそういう類の作品があったのかもしれませんが……
好みの作品をひとつあげるとするならば、グシェコフスカの作品群でしょうか。自分そっくりの等身大シリコン人形と娘が遊んでたり、人間の仮面を被せた飼い犬と娘が遊んでる写真などが展示されていて、一番心臓を引っ掻かれました。
別会場は旧第一銀行横浜支店とBankART KAIKOに行ってきました。作者代わりのpepperくん(もう生産終了なの知らなかった)に話しかけられたり、日本と中国の社会運動の戦術が展示されてたりして、ためになりました。
あとはついでにカップヌードルミュージアムにも行ってきました。こちらはさすがに完全ファミリー向けなので、少しアウェイの雰囲気。ガルパンのカップヌードルや全然売れなかったどん兵衛のだし天茶味などを見ました。だし天茶味は当時食べましたけど、めちゃくちゃ美味かったので記憶に残ってます。どん兵衛史上に残る爆発的な大コケだったらしいですが、不思議なものです。
ちなみに昼は馬車道駅あたりで横浜名物の博多天ぷらを食べてきました。博多の天ぷらといえばたかお、ひらお、やまや、だるまの四大巨頭が有名ですが、横浜にはたかおがけっこうあるみたいで、初対戦。
本州に店舗があるのがたかおとやまやくらいですが、たかおは何故か横浜のあたりに複数店舗構えているので、横浜名物というのはあながち的外れではないんですよね。輸送の関係とかでしょうか。
博多天ぷらといえば卓上のお惣菜ですが、たかおは浅漬けと昆布明太子。これが美味しい。
季節野菜天定食を頼みましたが、海老天以外は季節モノで、鰆、新じゃが、新玉葱、カリフラワー、えんどう、たけのこと普段あまり天ぷらで食べないものばかりで嬉しい。全部美味しかったです。
最後に、今回のテーマが魯迅の『野草』から取っているらしくて、物販で売っていたので購入。横浜は商業施設が多いので楽しいですね。まれにパシフィコ横浜に行くので、トリエンナーレのとき以外でもちょくちょく横浜を堪能したいですね。
(参考)変化龍・龍変化「シン・『傷物語』解剖」『もにも〜ど2』2024年、38-56頁