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透明なシェイクスピア crystal−clear Shakespeare まえがき

いま、この文章を読んでくれているあなたへ。

あなたがこのページにたどり着いたのは、たぶん、偶然ではない。
あなたは捜していたのではないですか?
「シェイクスピア」を。

シェイクスピアは難しい、と言う人たちがいる。
シェイクスピアは難しくない、と言う人たちがいる。

どっちなの、と、思ったりしませんでしたか?

結論から言おう。
どちらも正しく、まちがっている。

シェイクスピアは難しい。400年前の英語だからあたりまえだ。
しかも詩だ。
小説ではない。戯曲だ。戯曲で、かつ、詩の形式で書かれている。
(一行の音節の数が決まっていたり、韻を踏んでいたり。)
だからふつうの文法の知識だけでは読めない。TOEICで高得点でも、MBAを持っていても歯が立たない。
なのに平気で、シェイクスピアは難しくありませんよ、などと言う人に限って、原文を読まず、他人の翻訳や解説の受け売りをしている、
……ことが多い。

でも、シェイクスピアは哲学書ではない。
上演用の台本だ。目で見て耳で聞いて、楽しめるように書かれている。
シェイクスピアは難しい、と言いはる人たちが、シェイクスピアを必要以上に難しくしてしまっている、
……ことが多い。

シェイクスピアは、じつは、クリアだ。
驚くほどクリアだ。
複雑だけれど、ていねいに読んでいくと、
はっと視界が開ける。
まっすぐ、胸に刺さってくる。

私には、なんの後ろ盾もない。
それでも、少しずつ訳して、舞台化していこうと思う。
あなたに届くことを、信じて。
あなたが「これならわかる!」と言ってくれることを、信じて。

あなたが「スキ」を押してくれる今日の日が、
いままでになかったクリアなシェイクスピアの舞台への
はじめの一歩となることを、信じて。



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実村 文 (theatre unit sala)
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