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ディディエ・ガラス『アフメドは語る 音にのせて』 いきいき笑って秋の文化祭2024(前期)
フランス人の俳優であるディディエ・ガラスによる演劇公演『アフメドは語る 音にのせて』が無事終了しました!!
フランス仮面劇の伝統と超絶テクニックで見せるディディエ・ガラスさんの一人芝居に、音楽家 野村誠さんによるオリジナル楽曲が合わさった演劇作品です。
鳥取、京都、広島の3都市で作品を上演し、京都と広島ではワークショップも開催しました。
京都でのワークショップと上演の様子を振り返っていきます。
ディディエ・ガラスとは?
ディディエ・ガラスはフランスの俳優です。
パリの名門コンセルバトワールにおいて、クロード・レジ、マリオ・ゴンザレス、ベルナール・ドートといった錚々たる方々から舞台芸術の指導を受け、1990年代には日本で能を、中国で京劇を学んだ経歴を持ちます。
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アヴィニョン演劇祭での上演経験もあるディディエ・ガラスは、過去に2度日本でも上演を行っています。
1つ目が、『アルルカン、天狗に出会う』。京都の小劇場「アトリエ劇研」で初演を迎え、東京・横浜・静岡・広島・福岡・鳥取・三重・京都府綾部市でも上演し、好評を博しました。
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2014年には日本の俳優・ダンサーとともに『ことばのはじまり』を製作しました。京都、三重、鳥取公演に続き、2016年には東京でも上演しました。
野村誠さんも音楽でこの作品に関わっています。
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そして8年ぶりの来日公演となったのが今回の『アフメドは語る 音にのせて』でした。
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ワークショップ
まずは9/23(土)に行ったワークショップから振り返っていきましょう。
会場は左京東部いきいき市民活動センターの集会室で行いました。
テクニックと仮面を用いて、「自分→他者→舞台」の順に身体を開いていくコメディア・デラルテ(フランス仮面劇)の訓練を体験するワークショップです。
まずは、ヨガのテクニックを身につけていきながら、自分の身体感覚をしっかり掴んでいきます。
じっくりと時間をかけて自分の身体と対話を重ねていきます。
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第2段階へと進みます。
向き合った自分の身体を「他人」へと開いていきます。
他人との距離、他人の重みを感じながら、自分をだんだんと開いていきます。
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そして最後の段階。
ディディエさんが持参してくれた仮面を実際に使って、舞台に立つ身体を身につけていきます。
これまでの集団での訓練で意識した「他者」との関係を、仮面という「他者」に置き換えます。 その上で、さらに観客への意識も加えて「舞台」にあがる身体を学んでいきます。
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参加者の皆さんにとって、日本ではなかなか味えない貴重な体験となったようです。
上演『アフメドは語る 音にのせて』
そして、10月2日(水)〜3(木)には京都で上演が行われました!
写真とともに振り返っていきましょう。
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この作品はフランス哲学界「最後の巨人」とも呼ばれるアラン・バディウが執筆した戯曲が基になっています。
バディウとディディエ・ガラスは1994年から、「アフメド」という道化師的なキャラクターを登場させた作品を共作し、現代社会が抱える問題、特に人種差別を鋭く批判してきました。
人種差別がますます問題を深めるなか、改めて世に問い直すべく生まれたのが、今回の作品です。2018年のアヴィニュン演劇祭で初演を迎えました。
社会的な問題に加えて、「出来事」「主体」といったバディウ哲学の概念を用いて、独自の存在論を提示していく哲学的なテーマも根底には流れています。
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日本公演では、音楽家 野村誠さんによる多彩な演奏が組み合い、新たな作品としてリクリエーションされました。
音楽は、鍵盤ハーモニカ(ソプラノ、アルト、バス)を中心に、琵琶・中国打楽器・カホンといったさまざまな楽器が登場し、ディディエさんの演技に合わせた野村誠さんのパフォーマンスも圧巻でした!
テーマは重たくも、作品内には数々のユーモアが展開し、予想外のアドリブもステージごとに頻出し、小難しく考えずとも楽しく観劇いただける作品へと仕上がっていきました。
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鳥取、京都、広島の3都市ツアーが終わり、ディディエ・ガラスの日本公演は無事に終了しました。
ご来場いただいた皆様、ありがとうございました!
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