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いきいき笑って秋の文化祭2024(後期)

東部いきセン利用者たちの愉快な文化祭
『いきいき笑って秋の文化祭2024(後期)
今年も無事に終了しました!

今年は3日間にわたって開催し、最初の2日は【演劇】、最終日は【ダンスと武道と音楽】という2つのパートに分かれての上演でした。

各パートごとにイベントを振り返っていきます。


【演劇】11/21-22

【演劇】パートは、「C.T.T.京都」という企画でした。

「C.T.T.」とはContemporary Theater Trainingの略で「現代演劇の訓練」を意味します。1995年から始まったこの企画は今回で123回目(!)を迎えました!

ここで演劇作品を披露していただいたのは2組!
 ① 村川拓也 演劇版『テニス』の試演
 ② 劇団ゆうそーど。『乾物』

それぞれの作品を簡単にご紹介します。

村川拓也 演劇版『テニス』の試演

1作品目は村川拓也さんによる作品でした。

この作品は、(↑のチラシにも詳細が書かれていますが、)京都芸術大学の学生である朝日克俊さんが撮影した映像作品『テニス』を、京都芸術大学の講師でもある演出家の村川拓也さんが演劇化してみたものです。

舞台上には実際にネットが張られ、出演者たちがテニスを繰り広げたり、繰り広げなかったりします。

撮影:長谷川槙也
撮影:長谷川槙也
撮影:長谷川槙也

『テニス』はドキュメンタリー映画のような作品です。
テニスをしている目の前の彼らはテニスをしたりしなかったり、たまに友達(出演者)同士で他愛のない話をしています。
その姿を見ながら、スピーカーから流れる録音された1名の体験談を観客は聞くことになります。

撮影:長谷川槙也

体験談は↑の写真に映っている学生の話です。
インドネシア人の父と日本人の母を持つ彼が、イスラム教を信仰し(インドネシアではイスラム教徒が多い)、日本でハーフとして育ってきたエピソードが語りの中心です。

撮影:長谷川槙也

映像版の『テニス』を拝見したり、朝日さんや村川さんとも少しお話を伺いましたが、映像と演劇との間で重なる部分や、重ならないがゆえに浮き出るそれぞれのメディアの特徴を強く感じる作品でした。

今回の上演では全体の約3分の1だけを演劇化してみるという試みでした。
また、原作となる映像版『テニス』も仮編集の段階だそうで、演劇も映像も今後どのような変化を辿っていくのでしょうか。今から楽しみですね!

撮影:長谷川槙也

劇団ゆうそーど。『乾物』

2作品目は劇団ゆうそーど。さんによる『乾物』という演劇作品です。
京都大学の大学院生でもある片山寛都さんが脚本と演出を担当しています。出演者は片山さんも含めて全員で3名です。

シンプルな舞台セットで、時間空間をふわふわと漂っていきます。

撮影:長谷川槙也
撮影:長谷川槙也
撮影:長谷川槙也

基本ストーリーはシンプルで、ある町で育った男と女がタイムカプセルを掘った後、亡くなった友人のお墓参りに行きます。
が、その周辺にさまざまな設定が盛りだくさんと組み込まれています。

たとえば、役の多さです。
牛の被り物をしている片山さんは、1人で4~5役を務めます。
その町で放牧されている「牛」を演じていたかと思うと、急に立ち上がり「ナレーター」的な立ち位置となって、小説でいうところの地の文を話します。しかし、ナレーターのときに牛でなくなったかのかは定かではなく、牛でもありナレーターでもあるように見えます。
といったようなあえて判然としないように、たくさんの役を象徴した存在として舞台上にいます。

撮影:長谷川槙也

男と女を演じる2人の俳優も、物語の役を演じているだけかと思うと、突然腕時計を確認して上演中の現在の時刻を読み上げたりします。

物語の時間軸に入ろうとしていた観客を「今」の時間軸に差し戻させ、物語を「今」の時間軸で見るという可能性を提示してくるかのような仕掛けです。

撮影:長谷川槙也

創作における時間への意識はほかにもたくさん現れます。
牛との対比でビーフジャーキーが登場したり、人との対比で墓が登場したり(実際には片山さんが墓を演じる)、タイムカプセルを掘り起こす作業は同時にそれを埋めたときの記憶を想起させます。

作品のことを語るためにはまだまだ記載すべきことはたくさんあるのですが、要は、境界をはっきりさせないことで、通常では横断しえない役・時間・空間を自在に泳いでいく、まさに演劇というメディアによって可能になる世界を作り上げていました。

C.T.T.という企画の志向性ゆえ音響と照明を最低限に抑えて創作いただきましたが、なんの制限もなかった場合この作品がどれほど豊かになっていくのか期待が膨らむばかりです。

撮影:長谷川槙也

【ダンスと武道と音楽】11/23

【演劇】に続き、11月23日(土)は【ダンスと武道と音楽】です。
3つのグループが東部いきセンで練習されているお姿をご披露してくれました。

創作ダンス/T-position Ballet

T-position Balletさんにはバレエをご披露いただきました。
ダンスだけではなく、ピアノ・フルートの演奏や歌唱が合わさり、目も耳も心地良くなる、美しい上演でした。

言葉であれこれと語るよりも、せっかくなのでたくさんの写真で振り返っていきましょう。

まずはピアノの独奏から始まった第一部

撮影:長谷川槙也

歌唱と演奏とダンスのマリアージュ

撮影:長谷川槙也

フルートソロを2曲

撮影:長谷川槙也


そして、第2部からはダンスへとフォーカス

撮影:長谷川槙也
撮影:長谷川槙也
撮影:長谷川槙也
撮影:長谷川槙也
撮影:長谷川槙也
撮影:長谷川槙也

そして、フィナーレ

撮影:長谷川槙也
撮影:長谷川槙也
撮影:長谷川槙也
撮影:長谷川槙也


合気道演舞/ベルチャ・アドリアン

畳を敷き、次はベルチャ・アドリアンさんによる合気道です。
演舞をご披露いただいた後、合気道についてのレクチャーがあり、最後は観客の皆様にも体験いただける時間でした。

演舞では、合気道のいくつかの型を披露いただきました。

撮影:長谷川槙也
撮影:長谷川槙也
撮影:長谷川槙也

レクチャーでは、自己紹介も兼ねながらアドリアンさんから合気道の精神性や技の仕組みをお話しいただきました。
ルーマニア出身のアドリアンさんは日本語も堪能で、今回ご一緒に登壇いただいたサーシャさんは京都工芸繊維大学の学生さんだそうです。

撮影:長谷川槙也
撮影:長谷川槙也

レクチャーを経て、実際に合気道を体験してみます。
T-position Balletに出演されていた方々も興味津々で体験されていました!

撮影:長谷川槙也
撮影:長谷川槙也

合気道に「勝ち/負け」という考え方はなく、お互いに強く上手くなっていくことを目指します。
力任せで正面からぶつかるのではなく、ぶつからない部分を探して相手の力に「合わせる」という精神は、合気道という技に収まらない大事な考え方ですね。

普段の稽古は左京東部いきセンでも行っているので、ご興味ある方はぜひご参加してみてはいかがでしょう!

ブラジル音楽/めちゃとちみ

最後を飾るのは「めちゃとちみ」さん!

ご夫婦でもあるお二人が、ボサノバ的な聞き心地の良い曲を、MCトークも交えながら4曲ご披露いただきました。

撮影:長谷川槙也
撮影:長谷川槙也
撮影:長谷川槙也

お客さんもうっとり。
途中のトークでは、偶然出身高校が偶然にも同じお客さんがいて、和気あいあいとお話しされていた時間も印象的でした。

撮影:長谷川槙也
撮影:長谷川槙也

喧嘩しながら練習していることもあるそうなのですが、今回はお互い楽しく上演することができたそうです。
最後にはお客さんからアンコールの声が上がり、それにこたえてもう1曲をご披露してくださったお二人でした。


撮影:長谷川槙也

『いきいき笑って秋の文化祭2024(後期)』
ご出演いただいた皆様、ご来場いただいた皆様、ありがとうございました!

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