忘れ難い先生の話〜防火防災編
教員経験のあるVtuber・さくやです。音楽を教えていました。
今はこんな感じで歌ったりもしています。
さて、月日が流れるごとにお世話になった先生方の顔や名前というのは忘れてしまうものなのですが
その中でも未だに忘れていない先生のお話をしたいと思います。
防火・防災訓練のM先生
とある音楽大学で勤務していた時の話です。
附属の高校の防災訓練があるので、
当時所属していた(大学側の)委員会の関係で記録をとりにいったときのお話。
2019年の2学期があけてすぐ
それこそ始業式が1時間目だとしたらその日の2時間目くらいの時間に防災訓練がありました。
防災訓練のときは毎回中堅男性のM先生のクラスへ入り、写真撮影をすることになっていました。
日本の学校では、
9月に行う防災訓練は大地震に備えた避難訓練に設定する、というのが一般的です。
(1923年に9月1日に関東大震災が発生したため、毎年9月上旬は地震の備えを見直そうという雰囲気になります。)
ですが、その年のその時期は
「火事」「放火」を想定した防災訓練でした。
M先生は、
・学校のホール、EV前で放火された設定で進める
・避難経路はこう
・消化器の使い方は消防署から説明あり
などと説明を進めますが
案の定2学期初日の中高生が大人しくしていることもなく、教室は相変わらずザワザワとしています。
しかし、M先生がふと
「京アニのことがあるので」
と何気なく言った瞬間
教室はシン、となり
生徒たちが背筋を伸ばしてM先生の指示を聞き始めました。
その後私は真剣に防災訓練に臨む附属性の様子をカメラに納め、良き素材を得て大学へと帰りました。
京都アニメーション放火事件が起こったのは2019年7月18日、中高生にとっては夏休み直前の出来事です。
夏休みがあけて直ぐに行ったあの防災訓練を、
彼らはどんな気持ちで受けていたのだろうと
ふと思い出すことがあります。
さて、M先生はその2年後あたりに退職。
地元・京都で家業を継ぐためとのことでした。
M先生は長男ではなかったようですが、ご兄弟のいずれも東京で教員をしているとかで(そんな偶然あるのか)、M先生が帰郷。
退職後の割とすぐに家業で取り上げられて地元の新聞に載っていました。
とんでもなく、とんでもない高校だったので、
お元気そうで良かった、と
何だか安心したのは、また別のお話です。
おしまい。
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