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貯金大好き日本人が直面する「老後のインフレ」— お金の価値が目減りする時代に備える方法
貯金だけでは安心できない?老後のインフレの脅威
日本人は世界的に見ても貯金が大好きな国民です。
コツコツと貯金をして、「老後はこのお金で安心」と思っている人も多いでしょう。
しかし、ここで見落としてはいけないのが 「インフレ(物価上昇)」 です。
もし、物価が毎年2%ずつ上昇すると、30年後には現在の 約1.8倍 になります。
つまり、今100万円で買えるものが、30年後には180万円必要になる計算です。
これを考慮せずにただ貯金しているだけでは、将来的に「貯金はあるのに生活が苦しい」という状況に陥る可能性があるのです。
特に、日本の公的年金は物価上昇に完全には追いつけません。
「物価スライド」という仕組みはあるものの、高齢化が進む中で年金の支給額は増えにくくなると言われています。
そのため、「老後資金はこれだけあれば大丈夫」と思っていた人ほど、 インフレを見落とすことで大きな誤算を抱える ことになります。
では、具体的にどのような影響が考えられるのでしょうか?
老後の生活費はどれくらい増えるのか?
仮に現在の生活費が 月20万円 だとします。
インフレ率2%が続くと、30年後には 36万円 近く必要になります。
これを見て、「え、そんなに?」と思う人もいるかもしれません。
しかし、30年前(1990年代)の物価と今の物価を比べると、その変化は明らかです。
例えば、30年前は 牛丼が280円 だったのに、今では 400円前後 になっています。
映画のチケットも 1,200円 から 2,000円 近くまで値上がりしました。
これは何も特別なことではなく、 時間が経てばお金の価値は下がる という当たり前の現象です。
しかし、ここで問題なのは 収入がそれに追いつかない ということです。
若いうちは給料が上がることもありますが、 年金生活に入ると収入はほぼ固定 です。
つまり、物価が上がると 実質的に生活が苦しくなる のです。
「それなら、もっと貯金すればいい」と考えるかもしれません。
しかし、今の 超低金利時代 において、銀行に預けていてもほとんど利息はつきません。
例えば 1,000万円を普通預金に30年預けても、利息はほぼゼロ です。
一方で、物価は確実に上がる可能性が高いため、 貯金の価値は年々減っていく ことになります。
インフレ時代に老後資金を守るための対策
では、どうすれば 老後のインフレに負けない資産形成 ができるのでしょうか?
ポイントは 「貯金+資産運用」 という考え方を持つことです。
資産の一部を投資に回す
貯金だけではインフレに対抗できません。
そのため、 一部を投資に回して資産を増やす ことが重要です。
例えば インデックスファンド や 株式投資 は、長期的には物価の上昇を上回るリターンを生む可能性があります。
過去のデータを見ても、 株式市場は平均年3~7%の成長 をしており、長期投資をすることでインフレに対応できる可能性が高まります。年金以外の収入源を確保する
老後に 「年金+α」 の収入があると、インフレへの備えになります。
例えば、 個人年金保険 や 不動産投資 などが考えられます。
また、 趣味を活かした副業 などで、少しでも収入を得られる環境を整えておくと安心です。生活コストを下げる工夫をする
インフレに備えて 固定費を見直す ことも大切です。
例えば、老後の住居費を抑えるために 持ち家を確保する
健康維持のために 医療費を減らす習慣をつける
生活スタイルをシンプルにする
こうした 「ムダを減らす習慣」 を持つだけでも、将来の不安が和らぎます。
インフレは 個人の力では防げません が、 備えをすることは可能 です。
「貯金さえあれば大丈夫」という考え方から、「お金の価値を守る」という視点に切り替えていきましょう。
老後の安心は 「お金の額」ではなく「お金の価値をどう維持するか」 にかかっています。
今からできることを少しずつ取り入れて、未来の自分に備えていきましょう。