『野の花と小鳥の物語』
野原に小さな芽が顔を出した
太陽の 雨の恵みを受けて
やがて小さな蕾をつけ
花開く時を待った
巣の中の一羽の小鳥
親鳥の愛情を受けて
やがて小さな翼を広げ
巣立つ時を待った
小さな花が咲いた
野原に歓声が上がり
人々が春の土産にと
花を摘んで持ち帰った
小鳥は飛び立った
初めて見る世界
急降下してきた猛禽
その爪が小鳥を襲った
人に見向きもされず
踏みにじられた小さな花
傷を負いながら
身を隠し うずくまる小鳥
倒れた茎を立ち上げようとする
傷が癒えるまでじっと待つ
もう一度 咲くために
もう一度 飛ぶために
命がある限り
生きる!