『雨粒は空の色』
雨の色はどんな色?
巣へ急ぐ鳥の羽の色
雲間から差す光の色
空に架かる虹の色にも
雨粒は染まります
走っていく車の色
開いた傘の色
色とりどりの花の色も
雨粒は身にまといます
ぽつり ぽとり
ぴちゃ ぴちゃん
雨粒は地面に落ちて
いつか空へ帰っていきます
どんな色に染まっても
どんな色を身にまとっても
空へ帰る時には
置いていくのです
色がほしいな
きれいな色もいいけれど
自分だけの色がほしいな
そう思っています
そんな雨粒の一つが
画家の手にしたパレットに落ち
絵の具と一緒になって
筆で紙に載せられました
雨粒がもらった色
それは空の色でした
風が通り抜けていく
澄んだ空の青でした