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詩『夢への扉』

本の表紙は夢への扉
開くと広がる景色
感じる風や匂い
主人公に自分を重ね
ページを繰っていく

晴れた空の下で
月明かりの下で
人と出会い 語らい
泣き 笑い 喜びを分かち合う
その輪の中に自分もいる

栞を挟んで閉じると
次に開かれるまで
本の時間は止まってる
残りのページが少なくなると
別れが寂しくもなる

そんな本の扉を開きたい

ジャン・オノレ・フラゴナール『読書する娘』

本の表紙は悪夢の扉
開くと闇に包まれる
感じる不安と孤独
運命はどう転んでいくのか
ページを繰る手が止まらない

暗い森の中で
閉ざされた屋敷の中で
得体の知れない声がする
不運 悪意 恐怖に襲われ
そこから抜け出せない

栞を挟んで閉じても
不安が部屋に漂っている
もう一度本を開き
残りを読んでしまおう
結末に辿り着こう

そんな本の扉も 
たまには開いてみたい

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