『コロの旅路』コロの話第２話（全５話）
ぼくは捨てられた
クリスマスイブのことだった
あれから一人で旅をしている……いや
彷徨っていると言うべきかな
ずっと一人だった訳じゃない
友達との出会い、そして別れ
別にケンカしたんじゃないよ
分かれ道に来ただけのこと
それぞれの道がある
そういうもんだと言う奴がいた
そんなものかな？
ぼくにはまだ分からない
北風が冷たくても
ぼくは犬だ、気にならない でもさ
心に風が吹き込むと
ちょっと寂しくもなる
強くならなくちゃいけない
ぼくみたいな犬、他にも大勢見た
人間なんて勝手なものだと思うけど
憎む気にはなれない
心底憎んでた奴もいたし
未練を残してる奴もいた
でもほんとはみんないい奴なんだ
誰がそうしたんだと思う？
ぼくは今、元気だよ
それだけ長旅が待っているね
これが自由ってやつなのかな？
だとしたら寂しいな
ねぇ、ぼくはさ
こんな自由ならいらないよ
誰かを心から信じたい
一人ぼっちはもういやだ
ねぇ、ぼくはさ
ぼくを好きになってほしいんだ
ぼくだって
誰かを好きになりたいんだ
コロの旅はまだ続きます。
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