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良いんですか?私にそんな強気なこと言って(生意気w)

『誰でも30分で絵が描けるようになる本』マーク・キスラー

前書き~私が絵を描くことが大嫌いな理由~

私は絵を描けないんです。

「そんなこと言って、それなりなんでしょぉ?」って思う人もいるでしょう。

えぇ。何度も言われてきましたとも(笑)

でも、本当に描けないんです。とはいっても、この場合の「絵」というのが、何を指すのかにもよりますよね。

子どもがクレヨンを握って、ぐちゃぐちゃと線を引く。他の色を握ってぐちゃぐちゃとまた適当に描く。
幼児なら「上手だねぇ。何を描いたの?」で許されるでしょう。

でも!私は大人です!それも中年…。

ドラえもんの首から上とかは描けます。私が本当に描けないのは「立体」。要は人間や動物、静物画もそうですが、陰影や凹凸のあるものを描きたくても「平坦」になってしまうのです。

また、あり得ないところから足が出てたりします。

そんな感じで、「私の絵が描けないレベル」はなんとなく伝わったと思いますが、私は「絵を描くこと自体が嫌い」です。

それは、下手だからなだけではありません。むしろ、そっちはもう下手くそと言われ続けてきたので、ネタで描いてもいいくらいです。嫌いというまではいかない。では、なぜ私は絵を描くのが嫌いになったのか?

断言しますが、「中学の美術教師のせい」です!!!

私は父の転勤につきあい、幼稚園・小・中を転校で2校ずつ通う羽目になりました。

入学をした中学で1,2年を過ごし、転校先で3年生を過ごしました。

1、2年次の美術教師は、確か「教頭」だったと記憶しています。当時、40代か50代の男性教師でした。

授業時間をいくつかに区分けし、最初の15分くらいで「デッサン」をしていました。

デッサンは出席番号順に生徒が教卓の上に座り、ポーズを取ります。それを他の生徒がデッサンするというスタイル。

ある日、男子学生が体育座りが崩れて、足がクロスしたような恰好になっているのを描くことになりました。

私は必死にまず「あたり」を付けるために、なんとなくの線を引き、そこに肉付けしていくように描いていました。

机間巡視していた教頭は私の隣に来た時、足を止め、急に怒りました。

「どうして君は人物画のデッサンをしている時間に木を描いているのか?!」

頭に来ました。悲しくなりました。虚しくなりました。

必死に描いていただけなのに…。

私は子供の頃からずっと疑問に思っていたことがあります。
義務教育で、美術以外の科目は「どうすれば解けるようになるのか」「どうすればうまくできるのか」を教えてくれました。

学科はもちろん、数学であれば解き方を教えてくれます。理科ではどうしてこうなるのかを教えてくれます。

学科以外、例えば音楽だってどうすればリコーダーはうまくなるのか。どうやって歌えばよりうまく歌えるのかを教えてくれます。家庭科では裁縫の仕方、料理の仕方、掃除や衛生を教えてくれます。体育だって、どうやれば速く泳げるのか、どうすれば速く走れるのかを教えてもらいました。

もちろん、先生と言っても千差万別なので、私の出会った先生だけかもしれませんが…。

美術だけはなぜか「今の自分の力だけを評価されるだけ」でした。「絵を描きなさい」と言われ、描いた絵を評価される。

幸い、工芸の方面には才が多少はあったようで、アクリル工芸や彫刻の評価はとても良かったのですが、絵画だけはどうにもなりませんでした。

このおかげで、私は「絵を描くこと」が嫌いになり、「美術関連に興味がもてなくなり」ました。

キスラーの言う「絵が描ける」とはどういうことか?

2021年11月26日邦訳版が発売されました。本書の原書は英語で書かれているため、海外ではすでに発売されていましたが、世界的ベストセラーになりました。

人間というのは、やっかむ人もいるので、本書を発売してからキスラーのもとに、美術講師を中心に沢山の誹謗中傷も届いたそうです。

マーク・キスラー(Mark Kistler)は、エミー賞を受賞した経験のあるアメリカの大人気絵画講師です。

私はこの本を最初見つけた時、「ほうほう。こんな私にそんなこと言っちゃっていいわけ?」と思っていました(生意気w)

でも、本書の前書きを読んで、少し感動し、絵を描くことへのモチベーションというか、そこまで明確なものではなく、苦手意識が薄らぎ、描けるようになりたい!と思わせてくれました。

キスラーの本書は、沢山の言語で翻訳をされ、累計100万部を突破したベストセラーなのですが、発行後、多くの人から、特に美術関係の講師から批判が殺到したそうです。

先でも触れましたが、美術講師を中心に沢山届いた批判の多くが、「創造性について」と「キスラーの4つのステップという方法」です。恐らく海外の話だと思いますが、美術教師がずっと使ってきたバイブルのような本があり、そこにはこのようなことが書かれているそうです。

キスラーの発言も含めて、本書を一部引用します。

絵を教える教師の多くは、いまだにキーモン・ニコライデスの教え方のままなのです。ニコライデスは『デッサンの道しるべ』という本の中で、「失敗を5,000回くり返せば、正しいやり方がわかるようになる」といっています。実際には、こうした試行錯誤の恩恵を受けられるのは、目の前のものを見たまま描けるセンスをもっているひと握りの人だけでしょう。もちろん、私もニコライデスの本は大好きです。しかし、絵を描く勉強の早い段階で「自分にも描けた」と思う体験をもち、コツをつかんだと感じた人ほど、その後も熱心に創作活動に取り組もうとするものなのです。

これが、私が本書を手に取った一番の理由です。

絵を描くことだけじゃありません。

「○○ができるようになる」って、「自分の今いる位置」と「教える講師のイメージしているライン」を事前にしっかりと知っておくことが必要だと思うんです。そこがずれていると、受講料を払った生徒は一向に望む結果が得られず、教えた講師も生徒から評価されないという負のループに至ります。

例えば、料理がさしすせそも分からない、ひとつまみって何?という人が、シェフの料理本を読んでも、その通りにお料理ができるとは思えないです。

逆に、自分でもある程度アレンジもできて、レストランでバイトを何年もしているような人であれば、「毎日の簡単おかず」みたいな本は物足りないと感じるでしょう。

私は「本当に絵が描けない」んです。

プロ並みじゃないとかじゃなくて、マジで3歳児とかみたいな感じ。

なので、オリジナリティとか「sakuyaの画風だね」みたいなところを目指したいんじゃなくて、「とりあえずこれを描きたいと思って、それなりに見えるものが描けるようになりたい」んです。

キスラーはその意味で「超初心者に的を絞った」からこそ、これだけ売れたのだと思います。

ところが、批判をしてきた美術講師等は、「こんな方法では絵が描けているとは言えない」というもの。彼らのイメージしている「絵のレベル」というのは、それこそ未来の画家たちなのでしょうね。

キスラーも本書で言っていますが、そのようなレベルに達している人、あるいは「勘のある人」は、本書は要らないんです。

繰り返しになりますが、何かを学びたいと思った時、「自分がなりたい状態」と「この講師の教えでどうなれるのか」についてだけは、一致しているのかを確認した方がいいでしょう。


感想~自他共に認める絵が下手な私でも本当に絵が描けるようになるのか?!~キスラー式4STEP

キスラーは、本書で4つのステップという方法を紹介しています。

そして、実際に25問の題材について、描き方をその4STEPに沿って紹介しながら、実際に描いてみましょう!という構成になっています。

4STEPの総てを明かすことは出来ませんが、よく絵がうまい友達のデッサンを見ていると「あたり」をつけていました。その「あたり」というのは、大抵が「ー」と「○」で構成されています。

まず、線を縦に引いたら、人物であれば等身を考えて線を引き、顔のあたりに○を描き…という具合に。

でも、私がそれをやったとしても、線と○から人物までの過程が埋まらないのです。

キスラーは、いわゆるこの「あたり」を、誰でも描ける各種図形でつけていきます。
○・正方形・△・長方形等等。

そこから肉付けをしていき、陰影をつけるなどのステップで描いていく方法を教えてくれます。

毎日は難しいですが、私は最近ものづくりも含めて、絵を描いたり、読書をしたり、作曲をしたりすることを心がけています。

「うつ」と診断されて約7年の私にとって、「心の安寧」に繋がるなと実感しているためです。

ということで、25LESSONすべてをこの本を頼りに、チャレンジしてみたいと思います。

早速、Lesson1「バナナ」をやってみました。

バナナを描いたのは産まれて初めてですし、キスラーの教え通り、短時間でスパッと仕上げておりますので、クオリティが良いとは言えませんが、これを見た方がバナナに見えていれば、合格と言ってよいでしょう。


『sakuyaによる初めてのデッサン~バナナ~』

25レッスンが終わった後、自分で決めた自由なテーマで、同程度の絵が描けるようになれるのかー。楽しみです。

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