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少しずつ積み上げる安心感。さくらが実践する、確実に貯金を増やす方法

夜、さくらは自宅のベッドに寝転がりながら、スマートフォンを手にしていた。部屋の明かりは暗く、彼女の顔だけがスマホの画面に照らされていた。ちょうど月末が近づき、クレジットカードの引き落とし通知が届いたところだった。アプリの通知音が響き、さくらは深いため息をついた。

「またクレジットカードの引き落としがきたか…」と、彼女は心の中でつぶやいた。毎月の生活費やちょっとした買い物が重なり、クレジットカードの請求額が思った以上に多いことに気づいた。支払うたびに、貯金がなかなか増えない現実に苛立ちを感じていた。

そんな日々が続いていたが、さくらは最近、貯金をもっと確実に増やすために、兄からアドバイスをもらっていた。兄は冷静で実践的な助言をいつもくれる頼れる存在だ。

「ねえ、お兄ちゃん、どうやったらもっと効率よく貯金できるのかな?」と、さくらは先日、兄にLINEでメッセージを送った。

兄からの返答はシンプルで的確だった。「さくら、貯金を確実にする方法は、給料が振り込まれた瞬間に自動で貯金用口座に移すことだよ。手元にお金が残っていると、つい使ってしまうだろ?だから、最初に決まった金額を強制的に別口座に移してしまうんだ。そうすれば、残ったお金でやりくりせざるを得なくなるから、無駄遣いも減るよ。」

「なるほど…確かにその方法なら使わないかも」と、さくらは兄のアドバイスに納得した。そこで、彼女はすぐに銀行アプリを開いて、毎月の給料から1万円を自動的に貯金口座に移す設定をした。給料日には、その1万円が自動的に引き落とされる仕組みだ。これならば、最初から「ないもの」として扱い、無駄な支出を避けることができるはずだ。

翌月、給料日を迎えると、さくらの口座からすぐに1万円が貯金用の口座へと移動していた。今まで手元に残っていた20万円が、19万円になっているのを見て、彼女は少し緊張した。自分の月収が20万円なので、1万円を貯金に回すと、残りは19万円。それで1ヶ月やりくりできるだろうかという不安がよぎったが、さくらは「やってみなきゃわからない」と気を引き締めた。

彼女はまず、毎月の支出を見直すことから始めた。最初に手を付けたのは、毎日のランチ代だ。これまで、さくらは仕事中に外でランチを取ることが多かったが、それを自分で作ったお弁当に切り替えることにした。外食で1回700円かかっていたランチ代が、自作のお弁当なら1日あたり300円程度に抑えられる。毎日700円使っていたとすると、1ヶ月でおよそ1万4,000円かかるが、手作りのお弁当ならその半分以下に抑えられる計算だ。

「お弁当を作れば、かなり節約できるかも!」と、さくらは意欲を持って新しい習慣を始めた。最初は手間に感じたが、作るうちに手際が良くなり、食費の節約だけでなく、健康的な食生活にも繋がることに満足感を覚えるようになった。

次に、さくらはコンビニでの無駄遣いを見直すことにした。これまで、帰り道にコンビニに立ち寄ってはお菓子や飲み物を買うことが多かった。1回の買い物は小さくても、積もり積もって月に5,000円近くの出費になっていた。彼女は「ちょっとした贅沢」を我慢し、コンビニに寄る回数を減らすことを決意した。

さらに、週末の外食も減らすことに挑戦した。友達と食事に出かけるのは楽しい時間だったが、外食は1回で3,000円〜5,000円の出費になることが多い。そこで、さくらは月に1回だけ外食を楽しむことにして、他の週末は自宅で料理をすることに決めた。これによって、さらに出費を抑えられるようになった。

こうして少しずつ生活費を切り詰めていくと、さくらは次第に「お金を使わないこと」に対するストレスが減り、逆に節約生活を楽しむようになっていった。「限られたお金でどうやって生活を楽しむか」という工夫が、さくらの生活に新しい楽しみをもたらしていた。

そして、月末を迎えた夜、さくらは再びベッドに寝転がりながら銀行アプリを開いた。貯金専用の口座には、確かに1万円がそのまま残っているのを確認し、さくらはほっとした表情を浮かべた。貯金が確実に増えているという実感が、彼女に達成感をもたらしていた。

「こうやって少しずつでも確実に貯金していけば、まだ将来のことは不安だけど、少し気が楽になったかも…」と、さくらは心の中でつぶやいた。無駄な出費を減らし、生活費をやりくりしながら貯金を積み重ねていく。彼女は自分の意思で貯金ができたことに自信を持ち始めていた。

この数ヶ月の節約生活で、さくらの貯金は着実に増えていった。1万円ずつの貯金が少しずつ積み重なり、彼女の口座には確実な成果が現れていた。生活費の見直しと、自分の行動を意識して変えたことで、彼女はお金の使い方に対する考え方が大きく変わった。

「これからも、無理せずに貯金を続けていこう」と、さくらは自分自身に誓った。自分の未来のために、小さな一歩を積み重ねていくこと。それが、確実に豊かな生活に繋がると感じられるようになっていた。貯金は単なる「節約」ではなく、未来への投資であるということに気づいた彼女は、少し大人になった気がした。

ベッドに横たわるさくらは、スマホを手にしながら微笑み、「次の給料日も1万円を貯金して、もっと自分の未来を守っていこう」と心に決めて、眠りについた。

参考文献

【改訂版】本当の自由を手に入れる お金の大学 Kindle版

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