トランプが大統領になったら、戦争勃発？第二次世界大戦から学ぶ、歴史は繰り返すのか。
さくらは、最近ニュースで話題になっている「トランプ元大統領の再選」について、興味と不安を抱いていた。もしトランプが再び大統領になったら、世界はどう変わるのだろう？一部の人々は、「トランプが再選すれば、第三次世界大戦が起こるかもしれない」とまで言っていた。それは本当なのだろうか？さくらは、そんな疑問を解決するために、過去の歴史を調べることに決めた。
さくらはカフェでノートパソコンを開き、第二次世界大戦について調べ始めた。彼女はすぐに気づいた。戦争は単に武力衝突の結果ではなく、経済的な問題が大きく影響していることを知った。特に1930年代、アメリカやイギリスが金（ゴールド）が国外に流出するのを防ぐために「ブロック経済」という政策をとったことで、他の国々、とくにドイツや日本が困窮したという事実に目が留まった。
「アメリカやイギリスは自分たちの経済を守るために、貿易を制限してしまったんだよね…」さくらは考えながら、画面をじっと見つめた。ブロック経済とは、特定の国や地域だけで貿易を行い、他国を除外する政策だった。そのため、日本やドイツのような資源に乏しい国々は、経済的にどんどん厳しくなっていった。日本では物資が不足し、貿易ができずに困窮する日々が続いた。そして、その結果、日本は1931年に「満州事変」を起こし、中国の一部を占領することによって資源を手に入れようとしたのだ。
さくらはさらにドイツについても調べた。第一次世界大戦に負けたドイツは、多額の賠償金を支払わなければならず、経済は破綻状態だった。国民はお金を稼ぐどころか、パン一つ買うのも大変な時期が続いていた。そんな中で登場したのが、アドルフ・ヒトラーだった。ヒトラーは「ドイツを再び強い国にする」という約束で、国民から支持を集め、独裁的なリーダーシップを持つ政権を築き上げた。そして、最終的にドイツは戦争へと突き進んでいった。
「ドイツや日本が戦争に向かった理由は、経済的な苦しみが大きかったんだ…」さくらはつぶやきながら、画面をスクロールしていた。
翌日、さくらはふと疑問に思ったことを兄にLINEで質問してみた。「もしトランプ元大統領が再選したら、世界がまた戦争に向かうかもしれないって言う人もいるけど、本当なのかな？」
兄からの返信はすぐに返ってきた。「それはちょっと極端だけど、トランプがもし再選したら、中国や他の国々との貿易関係がさらに厳しくなるかもね。実際、前回の大統領任期中にも、中国に対して高い関税をかけたし、アメリカは自国優先の政策を強く打ち出していたからね。もしまた大幅に関税を引き上げれば、他の国々との貿易が減って、世界中の経済が影響を受けるだろう。」
さくらはその言葉に考え込んだ。「もしアメリカが中国に対してまた関税を大幅に引き上げたら、どうなるんだろう？」トランプ元大統領は、以前にも中国との貿易戦争を引き起こしていた。中国からアメリカに輸入される商品に高い関税を課すことで、中国からの輸入品がアメリカ国内で高くなり、アメリカ企業を守るという政策だった。しかし、それは同時に世界中の貿易に大きな影響を与えた。
さくらは第二次世界大戦との類似点を感じ始めた。トランプが再び関税を引き上げ、アメリカが世界の貿易を制限するような政策を取れば、他の国々、とくに中国やアメリカの貿易相手国は経済的に厳しい状況に追い込まれるかもしれない。それは、かつてアメリカやイギリスがブロック経済を進めた結果、ドイツや日本が苦しんだ状況と似ている。
「歴史は繰り返されるかもしれない…」さくらは不安な気持ちを抱きながら思った。もし再び世界が貿易を制限し、経済的に追い詰められた国々が増えたら、それが新たな戦争のきっかけになる可能性もある。
その夜、さくらは深く考え込んだ。「過去のブロック経済が戦争の引き金になったように、今度も同じような状況が起こるのかな…？トランプが再選して、また中国に高い関税をかければ、世界の経済はどうなるんだろう？」
彼女はパソコンを閉じて、窓の外を見つめた。世界は常に変化しているが、過去の出来事から学ぶことができれば、未来の危機を防ぐこともできるかもしれない。さくらは、歴史を学び続けることが今の自分にできる最善の行動だと感じた。そして、未来のためにもっと多くのことを知り、考え続ける決意を固めた。
「未来を予測するためには、過去を理解することが大事なんだ…」さくらはそう思いながら、静かにカフェを後にした。
参考文献
世界秩序の変化に対処するための原則 なぜ国家は興亡するのか (日本経済新聞出版) Kindle版
巨大債務危機を理解する 単行本
注意：こちらは、kindleより単行本で読んだほうが読みやすいです。