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物価は下がったら、お金の価値は上がる?デフレがもたらす本当の経済影響を知ろう!

さくらは最近、インフレーションについて学び始めていたが、ふと疑問が浮かんだ。「物価が上がるのがインフレなら、逆に下がったらどうなるんだろう?」と。最近、ニュースで目にした「デフレーション」という言葉が頭から離れなかった。物価が上がることはすぐに影響を感じるけれど、物価が下がることにも何か大きな問題が隠れているように思えた。

「スイーツの値段が安くなるのは嬉しいことだけど、デフレって本当に良いことなのかな?」そう思い、さくらはいつものように兄にメッセージを送ることにした。

「お兄ちゃん、デフレって物価が下がる現象なんだよね?でも、それって本当に良いことなの?」

すぐに兄から返信が来た。

「さくら、デフレは確かに物価が下がる現象だけど、実はそれが経済全体にとって良いこととは限らないんだよ。物価が下がると、一見すると生活が楽になるように思えるけど、企業の売上は減り、利益を上げるために人を減らしたり、給料をカットしたりするようになる。結果として、失業者が増えて、経済全体が縮小していくんだ。つまり、デフレによって物の価値が下がる一方で、お金の価値は相対的に上がるんだ。これが、経済に悪影響を与える原因でもあるんだよ。特に、1990年代から2000年代初頭の日本は、まさにそのデフレの悪影響を直撃した時代だったんだ。」

さくらは驚いた。物価が下がることが一概に良いことではないとは、今まであまり考えてこなかった。

「特に、日本が経験したバブル崩壊後のデフレは深刻だったんだ。バブル期には、不動産や株が異常に高騰して、みんなが利益を得られるような状況だったけど、それが崩壊すると経済は急激に冷え込んだ。企業は次々と倒産し、仕事を失う人が増えたんだ。1998年の日本の失業率は3.8%に達し、これは当時としては非常に高い数値だった。さらに2002年には失業率が5.5%にまで上昇して、これは戦後最悪の状況だったんだよ。」

さくらは目を丸くして、当時の日本の厳しい状況に衝撃を受けた。物価が下がるだけでなく、それが人々の生活全体に影響を与えていたなんて考えてもみなかった。

兄はさらに、デフレがもたらした他の影響についても詳しく説明を続けた。「さくら、デフレは失業率だけでなく、株価にも大きな影響を与えたんだよ。バブル崩壊前、1990年のピーク時には日経平均株価は3万8000円近くまで上がっていたんだけど、その後はどんどん下がって、2003年には一時7600円台まで落ち込んだんだ。つまり、投資していた人たちは資産価値が一気に下がってしまったんだよ。企業は新しい投資を控えるようになり、人々もお金を使わなくなった。お金の価値が上がっているということもあって、人々は貯め込むようになり、これがさらにデフレを悪化させたんだ。」

さくらは、デフレが単に物価の問題だけではなく、投資や景気全体に深刻な影響を与えるものだと気づき始めた。そして、兄はさらに興味深いエピソードを加えた。

「さくら、デフレ経済の中でも企業は何とか生き残ろうと必死だった。その中でも特に注目されたのが、マクドナルドの『価格破壊』戦略だよ。1995年、日本マクドナルドの藤田田氏が大胆な値下げに打って出た。ハンバーガーを210円から130円に値下げし、さらに1996年には80円セールを実施したんだ。これが大成功して、21日間で5000万個ものハンバーガーを売り上げたんだよ。」

さくらはこの話を聞いて驚いた。80円でハンバーガーを売るなんて、今の時代では考えられない。

「それだけじゃない。1998年にはさらにハンバーガーを65円に値下げし、その後2002年には59円セールまで実施したんだ。この驚異的な安さで、マクドナルドは一気にシェアを拡大し、他のファストフードチェーンは追随できなかった。この時代、安さが消費者にとって最大の魅力になっていたんだよ。」

さくらは、マクドナルドの成功が単に「安さ」だけで成り立っていたのではなく、日本全体がデフレによって消費行動が大きく変わっていたからこそ、実現できたものだということに気づいた。

「でもね、さくら、こうした『価格破壊』が一時的に成功したとしても、長い目で見れば、日本の外食産業全体はこの時代にピークを迎え、その後は停滞していったんだ。物価が下がり続けるというのは、消費者にとっては魅力的かもしれないけれど、企業が成長し続けるためには限界があったんだよ。お金の価値が上がり続ける中で、企業も人々も、投資や消費を控えるようになり、結果としてデフレは経済全体を停滞させたんだ。」

さくらは兄の話を聞き終わると、デフレが引き起こす様々な影響を深く考えるようになった。物価の下落がもたらす短期的な利益と、長期的な経済全体への悪影響のバランスを取ることがいかに難しいかを感じ取った。

これからも投資頑張るので、皆応援よろしくね😚
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