年始に考えたこと『今年の私はどんな漢字で締めくくるだろうか』
毎年12月12日(漢字の日)に京都・清水寺で発表される今年の一文字。2023年は“税”でした。私も毎年便乗して私の今年の一文字を手帳の中でこっそり発表しています。ちなみに2023年は「穏」でした。
こんな温かい漢字を私が選べるようになるなんて!と自分で今改めて驚いています。
歴代の私の漢字は、「怒」「忙」「時」「闘」「悩」「困」。
昨年の清水寺の「税」と同じサツバツ感漂う漢字でした。
イライラしていた、 忙しかった、もっと時間がほしかった、いつも闘っている、悩みが多かった、困ったことばかりだった・・。ふーなんとまあです。
2023年「穏」になった変化の要因は何だったのでしょうか。
要因はただひとつです。
仕事第一主義を捨て、家族最優先に切り替えたこと・・ただこれだけです。
きっかけは、16歳になる愛犬(柴犬オス)の存在です。朝から晩まで仕事漬けの毎日だった私は、バリバリ仕事している自分に優越感を感じていました。そんな偉そうで嫌なヤツなのに、毎朝彼(愛犬のこと)は玄関で尻尾を振って見送ってくれ、夜遅い帰宅でも玄関で朝と同じように喜んで迎えてくれていました。彼は、ずーっと元気なまま変わらない存在だと・・。
彼が13歳後半か14歳頃からでしょうか。玄関でのお出迎えに少し遅れる事に気が付きました。よく観察してみると、小さな段差に躊躇したり、フローリングで踏ん張れず立ちすくんだり、普通にできていたことに少し時間がかかるようになっていました。
高齢期の犬の特徴でした。無駄吠えをしなかった彼が、夜泣きや大きな声で激しく吠えるなど、今までとは違う行動が現れるようになってきました。彼は何かを訴えているのですが、私にはわからないのです。徐々に互いにストレスを抱える場面が増え、イライラしたり、彼を叱ってしまうこともありました。一般的に言われる問題行動(夜泣きなど)を止めさせる方法ばかり試していたら、その行動はエスカレートするばかりでした。
悩んだあげく、一旦、この悩ましい行動の解決方法を探すのをやめて、
『年老いていく』
という事を真剣に考えようと‥。深く深く考えました。考え抜きました。そして、これって犬だけが抱える問題じゃない。人間も同じ。私も同じ・・。
考え抜いたことで、頭だけで理解するのではなく、
やっと、芯から受け容れることができました。
高齢愛犬の彼をしっかり受け止めようと決意しました。
彼が私を支えてくれたように、今度は私が彼を支えていく!と誓いました。
仕事のペースを大幅に落とし、愛犬の介護を最優先にした生活スタイルに変えました。
介護1年目の2022年は「混」という漢字。混乱という意味合いですね。受け容れつつも、私も家族も愛犬も・・紆余曲折を繰り返した1年でした。
介護2年目の2023年には、乗り越えた先に「穏」という漢字を見つけることができました。
愛犬の存在が今まで以上に家族の大きな中心になり、一瞬一瞬の大切さと愛おしさを教え続けてくれています。 今年も何も変わらず穏やかな1年であってほしいと願っています。今年の一文字はどうなるのでしょうか。
2年連続同じ漢字「穏」でもいいし、「愛」になりそうな気もしています。今年の12月12日、私はどの一文字で締めくくるのでしょうか。楽しみです。