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狂気日記〜inインドver8〜

これは日本を出発して幾分かの出来事を簡単に綴った日記みたいなものです。
パート8、痔獄の帰国編
グルガオン(デリー)→帰国(成田)

3/30

朝起きてから痔が痛すぎて全く動けない。見てみると小指第2関節くらいまでの大きさの血豆が肛門にできている。
ずっと横を向きながら携帯をいじる。
SNSも見飽きるので痔の時の座り方をひたすら調べていたがこれといっていいサイトがない。この解決方法が見当たらないと飛行機(12時間ほど)が不安すぎて仕方ない。
他人が痔の時は「あー痔なんですねー」なんて言って片付けていたが、いざ自分がなるとこれは酷い。歩くのがかなりしんどい。寝返りですらも。
個人的に記憶はないが、もし今までに痔を患い僕に馬鹿にされたことがある人は出てきてほしい。誠意を込めて土下座したい。所詮他人の痛みなんて理解できないんだなーとかいう人間の真理に若干近づいた気だけして、ただただ時間だけが過ぎていた。
帰ったら手術かもなんて思いながらただ出されてもらった昼食を食べる。スパイスは痔に悪いし、元から苦手だから嫌だなんて言ってたらよくわからないスプラウトを大量に出してくれた。
さすがグルガオン、デリーのバザールより健康志向で余裕がある食が採れる。

特にやることもないのでウーバーを呼んでもらい(simがなかったので)空港へ。

空港に着き、お婆さんのようにひらすらゆっくりと歩く。
インドの空港はeチケットがないと入り口にすら入れない。つまり、空港に入ってしまえばもう僕は昨日お金を奪い返したインド人から追われる心配はなくなる。
逃げ切ったのだ!
歓喜と共に激痛が走る。

空港内をただ歩く。座ると痛いのでハンバーガーとラッシーを立ち食いし、薬局があったので、痔の塗り薬を買いトイレでべっとりと塗った。
薬局でレジ待ちしている時に中国人のおっちゃんが大量の岡本コンドームを買っていた。中国に比べて安いから転売するのだろうか、それとも帰ったらそんなにやる気満々なのか。
日本のよりは若干安いくらいだったのでよくわからなかった。

空港の端にある搭乗口までゆっくりゆっくりと歩く。
結果1時間ほどかかり飛行機に乗ることができた。

ここからが正念場だ。

まず上海までの航空時間は6時間ほど。なんとかして痛みに耐えなければならない。
幸い乗ると毛布があったのでそれを尻に敷き、ポジションを確定させる。
とりあえずはいい感じだ。

僕には考えがあった。
それは機内食が出る時にチンタオ(中国のビール)を爆飲みして気を失ってしまうことだった。
こういう時にこそお酒の力を借りたい。
インド滞在中に酒を飲んだのは少量をたった2回。であればビールでも一瞬で寝れるだろう。
完璧かに思えたこの作戦。
ついにCAが来て、機内食と共に飲み物を尋ねる。「Do you have alcohol?」すると「No...」と言われる。はあ?行きはチンタオとかワインあったじゃん!アルコールを別の飲み物と勘違いしたのかな…
もう一度問う「Do you have beer?」結果は「No.」。

やばいやばいと冷や汗をかきながらリンゴジュースをもらう。
激痛の中、機内食を食べ終え、片膝を立て肛門を広げながら座れる体制をとる。
幾分かはマシだが残りのフライト時間を耐えれるかは怪しい。なんせ足も痺れてくる。。。

3/31

気がつくと時刻は午前4時。
上海着陸寸前だった。
奇跡的に寝ていた。
よっしゃと心の中で大きく叫び、ゆっくりと立ち上がって空港内に入った。
ひたすらにゆっくり歩きながらなんやかんや手続きを終わらせ、8時発の成田行きの飛行機を待つ。
歩くのはしんどいが立って待っていられる分マシだった。

その辺で買ったスニッカーズで1000kcal補充し、いざ成田便へ。
所要時間2時間。
これを耐えればついに我が国日本!

後ろの中国人に冷ややかな目で見られるもインドで鍛えられた僕のメンタルには全くダメージがない。
ゆっくりゆっくりと摺り足で歩きながら飛行機乗車口へ行く。

僕は天に感謝した、無宗教だが何かに確実に感謝した。
自分の座席は1番後ろの窓際。
シート倒し放題だし、好きな姿勢取り放題。加え外を見て気を散らせる。
あー、ありがとう。。。
加えて、機内食にチンタオがある。
もう優勝した。

食後は爆睡し、気がつくと着陸30分前。外は美しく、体制も順調。
着陸の振動が恐怖だったが無事日本に到着。

金を奪い返したインド人から逃げられたこと、痔を乗り越え帰ってこれたことに大きな感動を覚えた。

成田に着くと彼女が迎えにきてくれていた。
痔を笑われた(呪う)が、強く抱きしめてくれ、再会の嬉しさと共に痔の痛みが体を襲う(ノーパンです)。

結局家に着いたのは成田着から4時間後。
それほど歩く速度は亀並みであり、途中で入った松屋ではあまりの美味しさに感動し動くことができなかった。

今寝っ転がっている枕元には国民年金からハガキが来ているが、周りからは日本語が聞こえてくるし、食べ物は辛くない。

そんな多大なる幸せに襲われながら、僕は今この文字を書いている。。。

心配してくださった方々、関わってくださった方々、クソ日記を読んでくださった方々ありがとうございました!
(絶景編は写真が整い次第更新します)

どこかでこの旅について話せる場を設けられればと考えていますので、ぜひその際は顔を見にきていただけますと幸いです!

偏差値2.0/さくらい

ぼちぼちやっていきます...!