見出し画像

海をモチーフにしたガウディの傑作住宅 バルセロナに建つカサ・バトリョのはなし

ドイツのハイデルベルクに住んでいる時、クラスは違うがとても仲良くなった日本人の友達と3人でスペイン女子旅をした時のはなし。

建築が専攻なのは私だけで、あとの2人はドイツ文学専攻だったため、建築巡りは興味ないかな、、、と思っていましたが、ガウディ建築は観光地としてとても人気があり、芸術性の高さが魅力的で建築に全く興味がない2人の友人も喜んで一緒に建築巡りをしてくれました。

Casa Batlló


ガウディといえばやはり完成目前のサグラダファミリアですが、ガウディの作品の中でも思わずうっとりしてしまう住宅がカサ・バトリョ。
バルセロナの街を歩いているとユニークな外観に惹かれます。
海をモチーフにしているそうでファサードは骨ぼねしい曲線とブルー系統の装飾で鮮やかでとても美しい。

壁面には青、緑、茶色、黄色、紫といったモザイクタイルが散りばめられ、キラキラと反射する感じが海の中にいるようです。

ホールから中に入るとドラゴンの背骨と呼ばれる中央階段があります。

階段を登るとトップライトからぼんやりと空間が包まれるような暖かい光が差し込みます。ステンドグラスもとても特徴的です。窓枠や家具にはトネリコ木材が好んで用いられていたようです。

2階のサロンのステンドグラスはブルー系統のステンドグラス。アーチと窓の曲線が重なって緩やかな波のようでした。

屋根裏部分は真っ白のアーチが続いており、肋骨のよう。ラジョーラ Rajolaと呼ばれる地元カタルーニャ産の薄レンガを使って構成されているようで柱は見当たりません。その上から漆喰が塗られています。

吹き抜け部分はトップライトでとても明るく、深い海底から水面に向かって顔を上げたような感覚になります。5色の濃さが違うブルーのタイルが表情をつけていますが、カサ・バトリョの感動すべきところは光の使い方、取り入れ方です。柔らかく暖かい。それでいてしっかり明るい。

ガラス越しに見るとこんな感じ。
揺らぐガラスが本当に海の中にいるみたい。

ぷっくりとしたタイルが可愛らしいです。

屋上に出てみるとまたとても面白い。
竜の背中みたいで煙突がとても印象的です。

実はこの部分をよくみると通りから見える方の瓦は竜の鱗のようになっているのに対して、屋上側は細かいモザイクタイルがびっしり貼られていて爬虫類のお腹のようになっています。キノコのような煙突もとてもユニークですね。

カサ・バトリョが建設された当時バルセロナでは個性的でユニークで目立つ家が富豪のステイタスシンボルとされていた背景もあり、面白い建築がたくさんあるので建築巡りをするには何日あっても足りないなあと感じた旅行でした。




いいなと思ったら応援しよう!

さくさくら
いつも読んでいただいてありがとうございます! 皆様のご支援は活動費にあてさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。