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スペインの木造建築 セビリアのランドマーク メトロポール・パラソルのはなし


日本で建築学生だったときのはなしですが、

建築学部の職員室の一角に
学生相談室という部屋があって、

その部屋にはいろんな建築雑誌のバックナンバーがだいたい揃っていたので、学生が設計課題に行き詰ったらその学生相談室に行って建築雑誌を読み漁るのが常でした。

私が特によく読んでいたのが
a+u(エー・アンド・ユー)という世界の建築情報雑誌。

そのa+uのバックナンバーから一冊ピックアップして表紙が見えるように本棚に立てかけてあったのがスペインのセビリアにあるメトロポール・パラソルだったという。

あの時見かけた雑誌のバックナンバーが気になって調べたら見つかりました。a+uの2011年7月号です。


メトロポール・パラソルは国際コンペで選ばれたドイツ人建築家Jürgen Mayer(ユルゲン・マイヤー)の案だったのですが、

ユルゲン・マイヤーはシュトゥットガルト生まれのシュトゥットガルト大学出身とのこと。

ドイツ留学を考えていてシュトゥットガルトの大学を受験しようとしていた私にとっては非常に印象深い作品でした。

これが私がメトロポール・パラソルとの初めて出会ったエピソードです。建築との出会いは人との出会いと似ていますね。



それから数年経って無事シュトゥットガルトの大学院に入学した後、セビリアに行く機会があり、メトロポール・パラソルを実際に見にいってきました。

Metropol Parasol


メトロポール・パラソルはセビリアのランドマークとなっているようです。

伝統的な旧市街を歩いていくとPl. de la Encarnación(エンカナルシオン広場)に巨大なキノコのような形をしたものがもくもくとそびえたっているのが見えます。




あまりに大きくて全体像が写真におさまりません。
スケールは150メートル×70メートル、高さは28.5メートル。敷地面積は1.8ヘクタールであり、地下1階、地上3階建ての床面積は12,670平方メートル



地下は工事中に発掘された遺跡の展示がされていて
1階は市場
中2階はイベント広場
2.3階はレストランなどがあり
さらにその上に展望テラスがあります。


観光客がたくさん訪れていて、多くの人が建築を見上げている光景が見られ、人を惹きつける圧倒感がありました。


この日は晴れていましたが雨が降ると建築は屋根がなく木材が剥き出しで雨ざらしになってしまうのでは?
防水塗装はされているようで塗装はクリーム色っぽいですが木質感はあまりない感じでした。

木造建築ですが、接合部分も接合金具がたくさん見え、木材部分も防水塗装で木目がほとんど見えません。


雨の汚れやシミ、劣化などが目立つ部分はありませんので、地域の降水量などで変わってくるのでしょうか
今後のメンテナンスが気になるところです


お昼ごはんはメトロポールパラソルのレストランで食べました。


学生の頃雑誌で見た気になる建築を実際に見ると

周りの旧市街の重厚感との差や
周辺の環境、人の過ごし方など

写真で見た時の印象とすり合わせて
なかなか面白い体験ができます。

見に行けるチャンスがきたら少し足を伸ばしてでも見ておくべきだなぁと思いました。


さくさくらでした。








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さくさくら
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