プレゼント
みはなの誕生日
太輔はプレゼントを渡したらしい
とりあえず、無事に渡せたということにホッとした
みはなの恋が実るかもわからないし
そのうち太輔に気持ちが戻るかもしれない
それならそれでハッピーエンドだと思った
私は正解の道ばかりを歩いてきたわけではなかったから
みはなのように誰かと付き合いながら、
そのまま別な人に向かうのだって止める権利はなかったし
それはみはなが決めることだと思った
みはなはたびたび好きな人と会っていた
みはなに言い寄られて悪い気になる男性はほぼいないだろう
それほど、容姿も性格も、同性からみても完ぺきだった
少しずつ、みはなも手ごたえを感じているようだった
それに比例するように、太輔は元気がなかった
クラスから離れ学食で一緒にごはんを食べた時
みはなの様子がおかしいと悩んでいた
連絡もなかなか返ってこないし、デートの約束もできないと
それはそうだ。
みはなは基本、好きな人と会うために時間を使っていたのだから
ほんとに俺のことすきなのかな…
はぁ~
とため息をつきながら太輔がつぶやいた
落ち込んでいる太輔にかけてあげられる言葉は、多くなかった
大丈夫に決まってるよ!とも
みはなはちゃんと太輔を好きだよ!とも
言えなかった
ただ遠回しな言い方で、ほんの少しのフォローをするしかなかった
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