仕返し

その後、ゆうすけとは何も変わらず過ごしていた

ゆうすけの浮ついた気持ちも落ち着いたところで、私の中である気持ちが芽生えていた


仕返し


自分だけが傷ついたまま、付き合い続けていることに疑問をもった

それなら別れればいいのだけれど、そう簡単には離れられなかった

でも、自分ばっかりこんな気持ちなのも嫌だった


そんなあるとき、バイト先の先輩たちと飲みに行った

みんな家が近く、

私とタメのさなとゆいで女子は3人

3つ上の浅田先輩と二階堂先輩


飲み会後、一人の女の子の家に行き、宅飲みの流れになった

浅田先輩はさな狙いなのがバレバレだった

宅飲みの途中でさなが帰るというので浅田先輩が歩いて送った


ゆいが寝てしまったので、二階堂先輩と2人でいろんな話をした


ちょっと外を散歩しようかという流れになり、散歩した

3つ上の先輩ということもあり、ゆうすけよりも落ち着いていた

話も聞き上手で、6年付き合ってる彼女がいると話していた

こんな人だったら良かったのに、、という気持ちがあった

それがきっと態度にでてしまったんだろう


歩いているうちに、自然と手がぶつかり手をつないだ

お互い相手がいるのはわかっているのに、

それでもつないでしまった


自然と、二階堂先輩のアパートに向かい部屋に入っていた

やばいという気持ちと

これでいい!ちょうどよかったと思う最低な気持ちと

入り混じっていた


二階堂先輩なら、彼女さんもいるし

お互いあと腐れなく終われる

もうすぐ卒業だし会うこともないだろう


そんな考えで、私は二階堂先輩と一線を越えてしまった

それまで、ゆうすけとしか経験のなかった私にとって

すごく何かが変わることになるかもと思ったけど

実際は大したことなかった


ただ、変な達成感と、虚しさと、少しの罪悪感だけだった


さっきまでときめいていた、大人に見えた二階堂先輩も

終わってみるとなんだか急に普通の男だった

6年も付き合っている彼女がいるのに

しょーもないやつ

とさえ思ってしまった

相手は私だけど


みんな、平気な顔をして、こういうことをしてるものなのかもしれないな

私が子ども過ぎて、恋愛に理想を持っていただけなんだと

1人の人だけを愛せる人なんて

いないんだと思った


私の中の貞操観念のようなものは、だいぶ失われていた



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