友人から彼女へ

太輔とみはなが別れたことにより

私の恋の妨げはなくなった


さすがに今すぐには無理だろうから

太輔の女友達として

トップの位置に立つことを当面の目標とした


それでも、完全な友だちになってしまうと恋愛対象から外れる恐れがある


危うい、ちょっと心配になるような弱さも見せつつ

いつも近くにいて話を聞いてくれるような存在を目指そう


学校ではよく話し、甘えるように腕を掴んだり、それなりにアピールした

態度には示しつつ、好きと言葉には出さなかった

元カレへの未練なども話したりしていた

ほんとは、そのときはゆうすけのことなんてほとんど頭になかった

でも、ゆうすけへの気持ちを語ることで

一途に好きだったんだなと思ってもらうためのアピールだった


俺のこと好きっぽい?

でもそうじゃないかも?


そんな絶妙の距離感で少しずつ、でも確実に

太輔の隣をキープするようにしていった


冬休み、みんなで鍋パをすることになった

1人の友人の家で男子3人、女子3人だった

女子はみはなとわたしといつもの親友


鍋も終わり、片付けたあとみんなでゲームをし、

1人、また1人と睡魔に倒れていった

みんなそれぞれ、ベットやソファやクッションで雑魚寝


私は太輔の隣でコタツに横になった

寒いふりをして太輔にくっつく


なんだよ~と小声で太輔が言った

寒いんだもん。いいじゃん。

だめ?


と言うと太輔がこっちをみてぎゅっと抱きしめてくれた

まさか抱きしめてくれるとは思ってなかったので驚いた

そのまま、太輔の胸に顔をうずめているとなんだか泣けてきてしまった



グスッ 

 何?泣いてるの?

泣いてないよ~ 太輔にぎゅっとされてなんかほっとした

 寂しかったんでしょ?いいよこのままで


そんなやり取りで、もう私は太輔にどっぷりはまってしまった

ギューーーっと強く抱き着くと

太輔は私の頭をなでた


朝、早めにみんながそれぞれ帰り出した

みはなも帰るといい、太輔も準備しようとしていたが

まだ帰らないで?と小声で言った


みんなが帰った後、友人に別れを告げ

最後に私と太輔が友人の家を後にした




帰り道、私は太輔に言った





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?