もう私の中のモラルなんてものは

消え去っていた


ナンパされた人について行ったり



妻子のある男性とも何度も会った


そのときだけでも、チヤホヤされてればそれでよかった

かわいい!とか 
好きだよ!とか
彼女や奥さんと別れて付き合いたいだとか
ほんとはそんな気ないのはわかっていたけど

その時だけは、自分は選ばれてると思いたかった

こんな日々に、未来はないとわかっていても

未来のことなんて考えられなかった


そのときだけ楽しければよくて

そのときだけ寂しさを埋められればよかった

その後に、虚しさが残ることも
自己評価が下がっていくことも
わかってた

それでも、何回も同じことを繰り返した

どんどん自分が、汚い女になればいいと思った
もう、ゆうすけしか知らない、ゆうすけの浮気にいちいちダメージを負うような一途な女でいたくなかった

浮気されても、愛されなくても当然だと思えるような、どうしようもない女になろうと思ってた

それが自分の心を守ろうとする、私なりの防御の仕方だったのかもしれない

そんな私の変化に、ゆうすけも気づいてきていた


最近よく泊ってるけど友達んちじゃないでしょ?

今日もいくの?どこいくの?

と聞かれても、別にいいじゃんとだけ答えた

ゆうすけもそれ以上何も言わなかった


お互い、長く付き合ってきたという、期間にしばられていただけで

もうきっと心は離れてしまっていた

それでもほかのだれかに取られそうになるのはどうしても嫌だった

愛じゃなかった

元々自分のものだったものが、

手元から消えそうになるのが嫌なだけだったんだと思う








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