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「いまさら無理だよ」 そう言って、きみは僕から視線をそらした。 きみに拒絶されたことにショックを受けて、僕は黙り込む。 小学生の頃から仲がよく、僕たちはいつも一緒に遊んだ。 きみはとても物知りで、きみが僕に聞かせてくれる物語は、僕をワクワクさせ、ドキドキさせ、せつなくさせ、何度でも聞きたいと思わせた。 いつも一緒にいた。 中学生の頃も。高校生の頃も。大学生の頃も。 けれど、いつのときも僕は、きみと共に歩む道を第二候補として扱っていた。 ひどい話だ。