【非公式テトリス】思考に関すること

はじめに

大体の方ははじめまして、sakurwです。
落ちものパズルゲーム、「TETR.IO」のプレイヤーです。
この記事では、私がテトリス(もしくは落ちものパズルゲーム)でどのようなことを考えているのかを持論と実践の両面から語っていきます。

TETR.IO上のステータス(信頼度低め)

TETR.IOのプロフィール
sheet botで出力したステータス
minomuncherで出力したステータス
文字サイズが小さいので頑張るか、下の.jsonファイルから読み取り推奨

持論

ここでは、自分の持論とそれを基にいくつかのことを語ります。
初めに、私は以下のフローをゲーム中に繰り返しています。

簡易的なフロー図
実際の試合中のフロー

入力:盤面やネクスト等の情報を画面から取得する工程
処理:入力から取得した情報から状況の把握や方針の決定、打つ手の選別等を行う工程
出力:処理から受け取った内容を実際に操作してゲームに反映させる工程

開幕を例に考えると以下のようになります。
入力→ネクストを把握する。
処理→入力されたネクストと自分の持っている開幕テンプレから使用するテンプレや方針を決定する。
出力→実際に操作し、テンプレを組む

これを基に以下の3つのことを語ります。
1.入力量の限界
2.入力量の増やし方
3.手の量と選出

1.入力量の限界

初めに、欲しい情報を常に把握し続けることはできません。
必要と思った都度、下穴やネクスト、相手盤面等を把握するのが普通だと思います。
では、一度に最大どのくらいの量を把握することができるのでしょうか。

入力の工程とは、短期記憶を行う工程と言い換えることができます。
よって、この短期記憶の最大容量が一度に入力可能な量の限界ということになります。
もし、入力量の限界に達した際には、処理工程に遷移する等して記憶したものを忘れないと新しく入力をすることができません。

人間の短期記憶の容量の事を「マジカルナンバー」と呼びます。
「The magical number 4 in short-term memory: A reconsideration of mental storage capacity」という論文では、このマジカルナンバーを「4±1」としています。
つまり一度に入力可能な量は、3~5となります。
ここで注意するべきは、「自分盤面、相手盤面、自分ネクストで3つだから常に把握し続けられるじゃん」とはならないことです。
確かに、2つの盤面やネクストが"存在する"ことを認知するだけであれば4±1で十分ですが、実際は更に細かく把握する必要があります。
ネクストであればミノの形または色を最低限把握したいため、1つの枠でマジカルナンバーを1つ使います。
つまり一度にネクスト5つを把握した時、それ以外の情報は把握できません。

ちなみにマジカルナンバーは、後天的に変化させることが可能なため、ある程度ゲームをしていれば大体4~5になれます。
つまりここで才能等の差は表れないと思います。

2.入力量の増やし方

次に入力量の増やし方、つまりネクストや相手盤面を見れるようになるには、どうしたらよいのかについてです。
まず、「実際の試合中のフロー」を見直してみましょう。

実際の試合中のフロー

処理の結果が出力だけでなく、入力にまで伝わっていることがわかります。
ここで何が伝わっているのかと言うと、「次に何を入力するのか」という内容が入力の工程に伝わっています。
ということは、入力の工程に「ネクストの情報が必要」、「相手盤面の情報が必要」等と伝えれば入力量を増やすことができます。
そうすると次に「どのようにしたらそれらの情報を伝えられるようになるか」という疑問があがります。
答えは非常にシンプルで、欲しい情報がなぜ必要か認識することです。
ゲーム中はとても忙しく、ネクストを見るや相手盤面を見るといった、それ単体では意味のない意識は消えてしまいます。
意味を持たせることで初めて入力量を増やすことが可能になります。
例えば、自分が攻撃する前の場面だとします。
初めに、その前の流れから「自分は攻撃できる体勢である。」という情報が存在します。
処理の工程はこの状況を受けて、「この攻撃は、相殺したい(もしくは外したい)から相手の攻撃の情報が必要」と考え、入力の工程に伝えられます。
入力の工程はこれを受けて、相手の盤面情報を処理の工程に送り、処理の工程で相手は攻撃できるのか、相手の火力はどのくらい等の分析をして、攻撃するタイミングを決定します。

このように何が目的で入力量を増やしたいのか明確にすることで初めて入力量を増やすことができます。
どの場面で、何を目的に、何の情報が必要なのかを予め明確化しておき、実践でその場面になったら遅くても確実に判断するよう練習すると入力量を増やしやすいです。

3.手の量と選出

まずどのようにして手を決めているのかを把握しましょう。

手の選定に関するベン図(円が灰色の面から出ることもある)

大まかな流れとしては、自分の盤面やネクスト情報、今の状況等の必要な入力(黄、青、緑部分)を受け取り、自分が知っている手(灰色部分)と突き合わせることで打つ手の候補(赤斜線部分)を絞ります。
更にその候補の中から経験則や知識等を用いて比較することで一つの手を選出しています。
ここで注目するべきことは、
1.円の面積の総和が大きいほど入力が多いこと
2.赤斜線の面積が大きいほど処理が多くなること
この2つです。
入力または処理が多くなるということは、一手あたりに使用する思考リソースや時間が多くなるということです。
それらは、置きミスや速さの低下等につながるためよくありません。
それらを防止するには、処理や入力を少なくする、つまり円や赤斜線の面積を減らせばいいということになります。
円や赤斜線部分を減らすのに有効な方法は、円の面積を減らし、円の数を多くすることです。
つまり入力量を減らし、入力される情報の種類を増やすことです。
もちろん闇雲に円の面積(入力量)を減らしたり、円の数(入力される情報の種類)を増やすと点数の低い手(弱い手)が選出されてしまいます。
しかし、入力するべき必要最低限の情報に絞って入力することができれば、円の面積や数を必要分丁度に調整でき、加えて点数の高い手(強い手)を選出することができます。
では、入力するべき最低限の情報に絞るとは、どのようなことでしょうか。
例えば、TSD1回分を攻撃を相殺するために相手の盤面を見るとします。
この時に相手の盤面全部を見るのではなく、相手の火力になりそうな箇所(Tspin地形や直列等)のみを見る、これが入力を絞るということになります。
「2.入力量の増やし方」に基づくと、ある程度入力が絞れるようになることで、その入力ができるようになる関係上、無意識にやっていることだと思います。
これに基づくと逆に今まで無意識にできてた入力ができなくなった、今まで通りにやっているのに置きミスが増えた等の現象が起きた場合、入力が十分に絞れていない可能性があります。
なぜなら赤斜線部分の大きさをアップデートしない場合、手の知識が増えるに比例して、赤斜線部分に該当する手が増えるからです。
赤斜線部分に該当する手が増えると選出候補の手がが多くなるため、処理に割く思考リソースが多くなります。
そうすると無意識にどこかを雑にするか、時間をかけることで解決しようとします。
それが置きミスやできなくなった等の原因になります。
個人的にこれを解決する方法は、見直しだと思います。特に強い人と一緒に見直し、強い人がどのように考えて手を選んでいるか聞き出せるとより効果的だと思います。

実戦

ここでは、私の試合を通じてどのような思考をしているか推測していきます。
ここで推測と言っているのは逐一言語化して思考していなかったり、因果関係の部分を飛ばして思考のテンプレとして処理している箇所がある関係上、私自身も思考が追いきれないためです。

思考の推測方法

ここではアイトラッキングと発声法を用いることでどのような思考をしているのか推測しました。
ここで推測と言っているのは、実践中に逐一言語化を行っておらず、何を考えたのか覚えていないためです。そのため実際に考えていることと差異があります。
またアイトラッキングの注意点として、あくまでも"視点"の計測を行うもののため、視野の計測は行えません。
アイトラッキングの円の大きさは視野の大きさではなく、適当に設定している大きさです。
説明している箇所がアイトラッキングの円中にない場合がありますが、その場合は円を中心にどこかを見ていると解釈してください。(大体円の移動方向の情報だと思いますが)
1セット野良の人と行い、そこから雑にルーレットで決めた試合を取り上げます。
声付きのものをYouTubeに、リプレイファイルをここにアップロードします。

YouTubeリンク(爆音でキーボード音が入っている上に声が小さい)

思考の推測

雑に選んだ10試合目(最終試合)から適当な箇所をピックアップして思考を推測します。

開始前(9:06)

まず試合の開始前にミノを見ることで開幕を選出しています。
この試合では、開幕TSDを選出しました。

相手の開幕を把握(9:11)

開始約3.6秒地点で相手の開幕を把握しています。
合唱TSDだったので特段脅威ではないと判断し、何かがあるまで適当にやろうと判断しています。

次の手を決定(9:14)

約6.5秒時点ではL屋根でTSDを組み終わっており、頭の中ではST積みで次のTSDを行うことまで決定しているため、ST積みの地形をつくると生じる隙間をIミノで埋めています。ST積みを決定したタイミングはわかりませんでした。

方針を決めるために相手を見ている(9:16)

ST積みを組んだ後に相手の地形を見て、この後の攻め具合を確認しています。本来は、ST積みを組む前にやることです。
ここから攻める判断をしましたが、この後の地形構築が下手だったため攻められませんでした。

相手の攻撃待ち(9:20)

この前の段階で自分の盤面、左端の段数が8段であることとIミノが2本であることを把握しているため、相殺を外すために相手の攻撃を見ている場面です。8段なので4段消しを2回することで下穴が露出し、下穴をすぐに攻撃リソースにしやすい部分の思考は、テンプレ化されています。
またこのタイミングで攻めに行くことも決定しています。

相手からの攻撃が到達(9:25)

ここで相手から攻撃が来ましたが、前の段階で攻める方針に決めているため、相殺を外し、即座に攻撃することを決めています。
攻撃後は攻撃するためのミノがないため、確実に攻撃を受けることになるというのは、思考のテンプレです。(というか相殺外しの目的の一つ)

火力の作り方を悩んでいる(9:27)

ここでは、下穴のために右側に屋根、段数の関係上TSD+4段消しという2つの条件を満たす手がないかネクストを入力して決定している場面です。
本来は、SZを置く前に決めるべきです。
JLの組み合わせでTSDになることを知識として知っていたため、この後にTSDを組みます。

実際に選出した手

ここからの流れによってゲームが終了しました。
以上が大雑把ですが、実践中の思考の流れです。

最後に

ここでは、私が考える、落ちものパズルゲームの思考について持論と実戦の2面から触れました。(思った以上に実戦で何も考えていませんでしたが)
何かのお役に立てたら幸いです。
質問等あれば、X(旧Twitter)にてお願いします。
X(旧Twitter):@SakurwT

おまけ

あと少しで5,000字なので好きなアニメを垂れ流す。

  • リコリス・リコイル(モニタの前はクルミのグッズで埋まってます)

  • レビュースタァライト(アニメ→ロンドロンドロンド→劇場版の順に見れなかったのだけが心残りだけど神)

  • ハッピーシュガーライフ(純愛いいよね)

  • ゾンビランドサガ(純子のハスキーボイスマジでかっこいい)

  • 結城友奈は勇者である(1期だけで4回ぐらい泣いた)

  • ご注文はうさぎですか(見ているとダメ人間になっちゃう)

  • のんのんびより(へいわ)

  • まちかどまぞく(アニメ見てコミックまとめ買いした)

  • こちら葛飾区亀有公園前派出所(なんだかんだやっぱり面白い)

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