ウルトラマンギンガ~10年越しの逆襲~第1話「ウルトラマンギンガ、復活!」
ここは銀河の果てにある怪獣墓場。そこの玉座に鎮座していたのはかつてウルトラマンゼロやウルトラマンタロウ、ウルトラセブンに倒されながらもその怨念で復活を果たしていたウルトラダークキラーだった。
ウルトラダークキラー「やはり未だにウルトラマンは地球の平和を守り抜いているのか、忌々しい!だが、今度こそこのウルトラダークキラーが地球にいる全てのウルトラマンを抹殺、いや全滅させてやる!」
そんなことを叫んでいたウルトラダークキラーの目の前に新たな怨念から復活を遂げようとしていた邪悪な何かが蠢いていたのだった。
?「許さん、許さんぞ!ウルトラマンギンガ!今度こそ貴様を倒し、貴様を混沌の闇に叩き落としてやる!」
ダークキラー「ほう、こいつは面白い!私の手で復活させてやろうではないか!」
今から10年前、M78星雲光の国からやって来たウルトラマンギンガ。そんなギンガは、地球にいた青年、礼堂ヒカルと一体化を果たしギンガの闇の存在であるダークルギエルやビクトルギエルを仲間のウルトラマンビクトリーことショウと共に倒した後は、ニュージェネレーションと呼称される新世代のウルトラマンのリーダー格として活動してきた。その後は、時々地球に帰ってきては侵略者や宇宙怪獣を撃破していた。そして、時は流れ現在。ウルトラマンギンガがこの世界に姿を見せてから10年が経った事により、地球に再び帰ってきたヒカルはギンガと一体化を果たした状態で新たな仕事に着いていたのだった。
ヒカル「それにしても、この俺がまさかアイドルのマネージャーをすることになるなんてな。しかも、総合プロデューサーがあの秋元康だなんて驚きにも程があるがその上、俺の正体まで知っているなんてな。」
久しぶりに地球に帰ってきたウルトラマンギンガこと礼堂ヒカルの新たな仕事は、マネージャーとしてアイドルの平和を守り抜く事だった。確かに以前に比べて怪獣の出現率はめっきり減ったとはいえ怪獣達が完全に消滅した訳でも無くギンガの因縁のライバルであるダークルギエルですら消滅したかどうかはっきりしていないことから未だにヒカルは周囲を警戒していたのだった。そんな中、ヒカルが担当しているアイドルが現場から帰ってきたのだった。
麗奈「ヒカルさん、ただいま!」
ヒカル「お帰り、じゃなかったお疲れさん!麗奈。」
彼女の名前は守屋麗奈。今をときめくアイドルグループである櫻坂46のメンバーとして活躍している。そして、秋元康に採用されたヒカルが初めて担当することになったメンバーが麗奈だった。しかし、ヒカルは麗奈のとある行動に困り果てていたのだった。
麗奈「見てくださいよ、ヒカルさん!あれもれなだしこっちもれなでしょ?それにこの葉っぱだってれなだからここにはれながいっぱいいるの!」
ヒカル「いやいや、そんなドヤ顔で言われても…。」
麗奈「分かった!ヒカルさんはれなの事が嫌いなんだ!」
ヒカル「そうじゃなくてだな…。麗奈はこの世界にお前だけだろ?だからこそいっぱい麗奈がいた周りの皆がビックリするんじゃないかな?と思ってさ。」
麗奈「もう!そんな事言ったられなぁごっこが無駄になるじゃないですか!」
ヒカル「ごめん、ごめん。」
いつもヒカルは何故か麗奈の新たなブームとなっているれなぁごっこの練習台にされるものの毎回正論を伝えるがために麗奈に怒られてしまうことに対して反省を繰り返すヒカルだった。
麗奈「そうだ、ヒカルさん!この後の仕事ってなんだっけ?」
ヒカル「この後はTMCでそこさくの収録で今日は終わりかな!」
麗奈「そっか!じゃあ早くバイクで行こうよ!」
ヒカル「分かったから手を引っ張るなって!とりあえず収録が終わるまでは俺、今昔庵のマスターの所にいるからな!」
麗奈「はーい!」
そして、ヒカルは麗奈を後ろに乗せてバイクにエンジンをかけると共に轟音を立ててTMCへと向かうのだった。
ヒカル「さあ、着いたぞ。麗奈、気を付けてな!」
麗奈「うん、行ってきます!ヒカルさん!」
なんとか無事にTMCに麗奈を送り届けると共に麗奈を見送りながら今昔庵にヒカルが入ろうとした次の瞬間、TMCの周囲に熱球が放たれたのだった。
ボカーン!
麗奈「キャー!ヒカルさん!」
ヒカル「麗奈!今の熱球は只者じゃないな。一体誰だ!」
そんな事をヒカルが叫ぶと共に背後を振り返るとそこにはあの怪獣がいたのだった。
ゼットン「ピポポポポポポポポ」
ヒカル「ゼットンだと?なんであいつがここにいるんだよ!」
そんなヒカルの叫びも虚しく今度は確実にTMCに向けて熱球を放ったゼットンに怒りを覚えながらもヒカルは麗奈を抱きかかえて熱球から守り抜くのだった。
ヒカル「大丈夫か?麗奈。」
麗奈「あ、はい!ありがとうございます、ヒカルさん!」
ヒカル「麗奈、ここは危険だから離れてろ!」
麗奈「でも、ヒカルさんはどうするんですか?」
ヒカル「安心しろ!あいつは俺が倒してやる!」
麗奈「え?ヒカルさん?」
そう告げて麗奈の頭をポンポンしたヒカルは改めて
ゼットンに向き合うのだった。
ヒカル「未来は変える事ができる。良いようにも、悪いようにも…それを成すのは俺たちなんだろ?」
『ウルトラーイブ!ウルトラマンギンガ!』
ヒカル「ギンガァァァァ!!!」
そして、ヒカルは光に包まれたかと思いきやゼットンの目の前に正義の巨人が立ちはだかるのだった。
ギンガ「シュワッ!」
遂にこの世界に現れた宇宙怪獣ゼットンを倒すために復活を遂げたウルトラマンギンガがゆっくりと相対する事になるのだった。
ゼットン「ピポポポポポポポポ」
ギンガ「そんな攻撃、食らうか!」
再び放たれたゼットンの熱球をウルトラバリヤーで防ぐことに成功したギンガは、跳躍すると共に急降下しながらパンチを繰り出すがその一撃はゼットンには届かなかったのだった。
ギンガ「なるほどな。お前もバリアを出せたことをすっかり忘れてたぜ!」
ゼットン「ピポポポポポポポポ」
まるで嘲笑うかのような動きを見せたゼットンに対して怒りを覚えたギンガは、ゼットンのバリアが消滅した次の瞬間にパンチとキックを放つも、今度はゼットンが姿を消したのだった。
ギンガ「どこに行きやがった!」
ゼットン「ピポポポポポポポポ」
そして、ゼットンの泣き声に反応して振り返ったギンガはゼットンの熱球に対応できずに食らってしまうと共に倒れ込んだギンガの上に乗っかってきたゼットンの格闘攻撃に苦しむことになるのだった。
ギンガ「なめやがって!食らえ、ギンガサンダーボルト!」
ゼットン「ピポポポポポポポポ」
そう叫ぶと共にクリスタルが黄色く発光する必殺技であるギンガサンダーボルトを食らい、大ダメージを受けたゼットンを見て畳み掛けようとしたギンガのカラータイマーが点滅したのだった。
ギンガ「だったらこいつで終わりだ!ギンガクロスシュート!」
クリスタルが青く発光した際の必殺技であるギンガクロスシュートを食らったゼットンはバリアを張るタイミングが遅れたためかまともに食らってしまい爆散したのだった。
ギンガ「シュワッチ!」
そして、ギンガは空の彼方に消えるのだった。ただ、この時ヒカルは気づいていなかった。隠れているように言われていた麗奈がコッソリとヒカルがギンガに変身する一部始終を見ていた事を。
麗奈「ヒカルさんがウルトラマン…?」