仮面ライダーローグVSマッドローグ第7話「ゼロ度の炎、再び!」
前回のあらすじ仮面ライダーエボルこと地球外生命体エボルトの狙いを知るために東都から北都にある猿渡ファーマーまで全力疾走をしながら戻っていた仮面ライダークローズこと万丈龍我と仮面ライダーグリスこと猿渡一海だったが、その一方で一海がいないにも関わらず何故か赤羽と青羽、黄羽と仮面ライダーローグこと氷室幻徳はエボルトと仮面ライダーマッドローグこと内海成彰を倒すための同盟軍を結成したのだった。理由はただ一つ。内海を倒すという共通の目的を果たすためにはエボルトが絶対に裏切らない事だった。しかし、そんな話を一海にする前に逆に内海が姿を現してしまうのだった。そして、新世界のエボルトになろうとしていた内海とそれを阻止するために内海の元から離脱したエボルトによる一触即発の場面に万丈と一海が合流し、事の顛末を幻徳から聞いた一海もまた同盟に参加することを誓うのだった。そして、再びエボルトと内海が戦う寸前で割って入った万丈がエボルトの代わりに戦うことを宣言したのだった。しかし、エボルトにクローズの力を奪われていた事を思い出した万丈にマッドローグに変身した内海に襲われそうになった所でエボルトから投げ渡されたドラゴンエボルボトルを振ってクローズの力を取り戻した万丈はクローズに変身してマッドローグと戦い、なんとか戦いに勝利を収めたのだった。一方、東都にいた仮面ライダービルドこと桐生戦兎と石動美空だったが、残されていたベルナージュの力で一海に危険が迫っていることを聞いた戦兎が幻徳に連絡を取り、事情を聞いた幻徳が美空を迎えに行く事になるのだった。
一海「はあ、ヒゲの野郎。愛しのみーたんにおかしい事してないだろうな?」
赤羽「落ち着きましょうよ、カシラ!きっとあの人だってカシラの彼女を邪険に扱ったりなんてしませんよ。」
青羽「そうですよ!いくらなんだってあの人がみーたんを傷つけるとは思えませんし、きっと大丈夫ですって!」
黄羽「そうそう!もしもみーたんに何かをしようものならカシラがあの人をきちんと叱れば丸く収まるはずですからそれを信じて待ちましょうよ、ね?カシラ!」
一海「お前らがそんなに言うなら信じてやろうじゃねぇかよ。たまにはヒゲの野郎の事もな!」
一海が自分の彼女である美空の事に対してソワソワしているのを三羽ガラスが必死になだめながら一海を落ち着かせるという北都にしてはいつもの光景であり、万丈にしてはどこか懐かしい光景であり、エボルトにしては全く見た事のない不思議な光景であった。
万丈「ったく、本当に美空の事になるとああなっちまうんだからな、カズミンの奴は。」
エボルト「そうなのか?万丈。」
万丈「ああ。それよりもお前はマスターの体を借りてて何とも思わなかったのか?」
エボルト「ああ。何故なら一海が東都に戦争を挑む前に俺は東都から西都に身をひっそりと移してたからな。」
万丈「そっか。」
エボルト「ところで一海は本当に美空と付き合ってるのか?」
万丈「やっぱり気になってんじゃねぇか!」
エボルト「いや、その、ほら、なんだ。今の所はお前らの味方だし、一応美空の親父さんの体を借りて活動している俺としても美空の無事や現状を何とか石動にも伝えたくてな。」
万丈「そっか。まあ、簡単に言うと最初の頃はカズミンの一方的な片想いだったんだよ。」
エボルト「ほう?」
万丈「ネットの中のアイドル、みーたんをやってる美空が好きだった一海は東都に来ては美空にアタックしてたんだ。でも、ずっと美空はグリスと呼んで全く相手にしなかったんだ。それから時は流れお前が三羽ガラスのクローンを生み出したあの日、カズミンは消滅覚悟でグリスブリザードに変身した。そして、旧世界で消滅したときに最後の最後で美空はカズミンと初めて呼んだんだ。」
エボルト「カッ。泣ける話だねぇ。」
万丈「そして、旧世界の記憶をこの新世界で取り戻してからはひっそりと美空を見守っていたが最後はメタルビルドからファントムビルドになった浦賀啓示を倒して晴れてカップルになったんだよ。」
エボルト「なるほどな。これでようやく石動にも今の美空について教えることが出来るぜ、ありがとうな万丈!」
万丈「おう!」
そんな事を話していると猿渡ファーマーに向かって何者かによるミサイル攻撃が直撃してきたのだった。
エボルト「なんだ?」
万丈「誰だよ!こんな真似しやがるのは!」
赤羽「カ、カシラ!」
青羽「あの野郎は!」
黄羽「そんな馬鹿な!」
一海「なんで…なんでてめぇがここにいるんだよ!サイモン!」
サイモン「やあ、グリス!」
一海とサイモンが禁断の再会を果たしたその頃、東都に到着した幻徳は美空を迎えに行くためにナクシタの地下にやって来た。
幻徳「来たぞ、戦兎。」
戦兎「悪いな、ゲンさん。美空がどうしても一海の所に行くんだって聞かなくてさ。」
幻徳「それで何を見たんだ、美空は?」
美空「カズミンがファントムクラッシャーにボロボロになるまで倒されて…スクラッシュドライバーが!」
戦兎「泣くな、美空。その未来を変えるためにこうやってゲンさんが来てくれたんだ。」
幻徳「安心しろ、美空。ポテトにそんな事を起こさせないために俺が来たんだ、もう大丈夫だ。」
美空「うん、ありがとう。」
幻徳「ああ。それで戦兎、俺に渡したいものってなんだ?」
戦兎「ああ、これだよ。ノースブリザードフルボトルとグリスブリザードナックル。旧世界の時のように消滅することは無いと思うから一海にこれを渡してくれ。」
幻徳「分かった。だが、これは美空がポテトに渡してくれ。」
美空「でも。」
幻徳「そんな顔をするな。俺が渡すよりお前が渡した方があいつの力も増すだろう。」
美空「分かった。」
幻徳「じゃあ、戦兎行ってくる。」
美空「行ってきます!」
戦兎「行ってらっしゃい。2人とも気をつけてな!」
美空「うん。」
幻徳「ああ。」
そして、2人を見送った戦兎は再び研究に取り掛かるのだった。だが、この時戦兎は知る由もなかった。変身能力のない戦兎を倒すためにあの兄弟が近づいている事を。
幻徳「飛ばすぞ、美空。なるべく早めにポテトに会わせてやるからな。」
美空「うん、お願い!」
そして、一海から借りた軽トラのエンジンをかけた幻徳は美空と共に北都に向かうためにスピードを飛ばしながら向かうのだった。一方、ファントムクラッシャーのミサイル攻撃に巻き込まれた一海の目の前に姿を現したサイモン・マーカスは一海の目の前に立つとこう告げるのだった。
サイモン「何故私がここにいるのかと尋ねましたね?」
一海「ああ。」
サイモン「それは簡単な話ですよ。貴方をもう一度地獄にたたき落とすためですよ、グリス!」
一海「なんだと!」
サイモン「今度こそあなたを倒してみせますよ!」
そう叫んだサイモンは自身の右肩にメタルボトルを装填してファントムクラッシャーに姿を変えたのだった。
一海「ざけんなよ、コラ!てめぇは前も俺に倒されたじゃねぇか!だったらお望み通りお前を心火を燃やしてぶっ潰す!」
そう叫んだ一海は腰にスクラッシュドライバーを装着したのだった。
『スクラッシュドライバー!』
『ロボットゼリー!』
一海「変身!」
『潰れる!流れる!溢れ出る!』
『ロボットイングリス!』
『ブラァ!』
グリス「お前をぶっ潰してみーたんに会ってやるから覚悟しやがれ!」
ファントムクラッシャー「下らん!」
グリス「俺とみーたんのラブアンドピースの邪魔、してんじゃねぇよ!」
そう叫んでファントムクラッシャーに殴りかかったグリスだったが何故かファントムクラッシャーは微動だにせず受け止めたのだった。
ファントムクラッシャー「お前は私の能力をもう忘れたのか?」
そう告げたファントムクラッシャーの右腕からファントムリキッドを発動しようとしたがグリスはその攻撃に対して強烈な回し蹴りを放つのだった。
グリス「お前も忘れたのか?俺はネビュラガスを吸ってるからお前のファントムリキッドは効かないってな!」
そして、今度はパンチとキックを連続で叩き込むも、またもやファントムクラッシャーにはダメージがないようだった。
グリス「お前、本当にあの時のサイモンか?」
ファントムクラッシャー「いかにもあの時のサイモンだ。だがしかし、わたしはお前の攻撃に対する反撃も理解している!」
そう叫んだファントムクラッシャーが繰り出したのは最初にグリスが放ったパンチ、回し蹴り、パンチとキックの連続攻撃だった。
グリス「グハッ!な、なんだと!なんで俺の攻撃がお前に出来るんだよ!」
ファントムクラッシャー「言っただろ。お前の攻撃に対する反撃も理解しているとな!」
そして、次の瞬間大量のミサイルが放たれたためにグリスは何とか全てをかわすと共にツインブレイカーを起動したのだった。
『ツインブレイカー!』
グリス「だったらこいつを食らいやがれ!」
そして、グリスはツインブレイカーによる連続斬撃を繰り出すのだった。
ファントムクラッシャー「お前の攻撃など俺には効かないと言っただろうが!」
グリス「なめやがって!オラッ!」
そして、再びツインブレイカーによる斬撃を何度放ってもファントムクラッシャーは無傷だった。
ファントムクラッシャー「だったら次はこいつだ!」
そう叫んだファントムクラッシャーは近距離型のミサイルを放つとグリスは直撃を食らい、地面を転がるのだった。
グリス「なめやがってよ!こいつを食らえ!」
『ロボット!ロボットゼリー!ツインブレイク!』
グリス「終わりだー!」
エネルギーをパイル先端に集中・高速回転させ相手に叩き込む必殺技であるツインブレイクを発動するも、その回転を利用して逆回転の竜巻を巻き起こすと共にその攻撃に耐え切れずにグリスは吹き飛ばされたのだった。
グリス「ウワーッ!ハア、ハア。こ、この力でもお前を止める事は出来ないのかよ!」
ファントムクラッシャー「当たり前だ、グリス。お前の運命は既に決まっている。この私に負けるという運命がな!」
ファントムクラッシャーの謎の運命宣言に対して怒りを覚えたグリスはゆっくり立ち上がるとこう叫ぶのだった。
グリス「良いか!運命なんてのはな…そんなにも簡単に決まるもんじゃねぇんだよ!お前の予測や運命なんてものを弾き返すために俺達は日夜戦ってるんだよ、お前らみたいな侵略者やファントム達を倒して世界を守り抜くためにな!」
そして、スクラッシュドライバーのレンチを下ろして発動する必殺技であるスクラップフィニッシュをグリスはファントムクラッシャーに放つのだった。
『スクラップフィニッシュ!』
グリス「これで終わりだ!」
ファントムクラッシャー「甘い!」
そして、グリス渾身のスクラップフィニッシュをファントムクラッシャーは受け止めると共に遠くに放り投げたのだった。
グリス「グハッ!」
ファントムクラッシャー「これで終わりだ!」
グリス「ウワーッ!」
そして、再び大量のミサイルを放ったファントムクラッシャーの一撃によってグリスは変身解除してしまうのだった。
万丈「カズミン!!」
エボルト「まずいぞ、こりゃ。」
赤羽「カシラ!」
青羽「大丈夫ですか?カシラ!」
黄羽「返事してください、カシラ!」
一海「大丈夫だ!」
ファントムクラッシャー「まだ生きていたのですか?」
一海「当たり前だ!」
ファントムクラッシャー「ならば、これでフィナーレです!」
そう叫んだファントムクラッシャーが近距離型のミサイルを放った次の瞬間、クラクションの音と共に軽トラが全速力で一海の前に止まると共にその勢いでミサイルを弾き飛ばしたのだった。
ファントムクラッシャー「誰です?私の邪魔をするのは!」
幻徳「ポテト!しっかりしろ!」
一海「遅せぇよ、ヒゲ!み、みーたんは?」
幻徳「安心しろ。ちゃんと連れてきた。お前への土産と共にな!」
そう幻徳が話すと助手席の扉が開くと美空が駆け寄ってきた。
美空「カズミン!」
一海「よう、みーたん。それで俺への土産って?」
美空「これ。」
そして、美空から手渡されたのは戦兎が改良したノースブリザードフルボトルとグリスブリザードナックルだった。
一海「こ、こいつは!」
美空「戦兎が言ってたよ。しっかり改良しておいたから旧世界の時のような事にはならないって。」
一海「そうか。後で戦兎にも礼を言っておかないとな。それからみーたんは下がってろ!」
美空「うん、頑張ってね!カズミン!」
一海「ああ。」
そして一海は再びファントムクラッシャーの目の前に立ちはだかった。
ファントムクラッシャー「何のマネです?」
一海「分からないか?延長戦だよ!」
そう叫んだ一海は腰にビルドドライバーを装着した。
『ビルドドライバー!』
『ボトルキーン!』
『グリスブリザード!』
『Are youready?』
一海「できてるよ…!」
『激凍心火!グリスブリザード!』
『ガキガキガキガキガッキーン!』
グリスブリザード「行くぞ、コラ!」
そして、目にも止まらぬ連続攻撃を叩き込んでファントムクラッシャーに大ダメージを与えることに成功したグリスブリザードは、ビルドドライバーのレバーを1回回して必殺技であるグレイシャルアタックを発動したのだった。
『シングルアイス!』
『グレイシャルアタック!』
『バリーン!』
グリスブリザード「食らえ!」
ファントムクラッシャー「グハッ!わ、私の攻撃が全く効かない!」
そして、再び大量のミサイルを放ったが、グリスブリザードはビルドドライバーのレバーを2回回して発動する必殺技であるグレイシャルフィニッシュを放つのだった。
『シングルアイス!』
『ツインアイス!』
『グレイシャルフィニッシュ!』
『バキバキバキバキバキーン!』
グリスブリザード「終わりだ!!」
そして、渾身のライダーキックでファントムクラッシャーを凍結粉砕させることに成功したが、ボトルの破壊には失敗すると共に変身解除したサイモンはゆっくりと立ち上がると捨て台詞を吐いて逃げたのだった。
サイモン「今日はこのくらいにしてあげますよ!」
そして、変身解除した一海は美空と幻徳にお礼を言うのだった。
一海「ヒゲ、みーたん。ありがとうな!2人のおかげでなんとかあいつを追い詰めれたよ。」
美空「良かった!ね?ゲンさん!」
幻徳「ああ、そうだな。」
一海「もう少し反応しろ、ヒゲ!」
幻徳「黙れ、ポテト。」
そして、東都に残った戦兎を助けるために2人の女性がやってきたのだった。
ひかる「忍さんから戦兎さんを助けるために駆けつけるように言われたけど、あんまり目立ったらダメだよ?保乃ちゃん。」
保乃「そうやね。北都のビルドと西都のビルドは内緒にせんとね、ひぃちゃん!」
北都のビルドと西都のビルド、その真相は近々明らかになるだろう。