櫻坂専属探偵事件簿プロローグ
○○「そっか。夏鈴はアイドルとして頑張るんだもんな。」
夏鈴「え?どうしたん?○○。」
○○「ああ、いや。夏鈴みたいな子とさ同じクラスでしかも3年間一緒だったんだぜ?本当、運命としか思えないよ。」
夏鈴「フフ。ほんまやな。そういえばさ、○○は卒業したらどこに行くん?確か大学やったっけ?」
○○「いや、俺はアメリカに行くんだ。」
夏鈴「え?アメリカ?でも、進路希望の紙には大学に行くって書いてあったやん!なんで急に進路を変えたん?」
○○「なあ、夏鈴?」
夏鈴「何?」
○○「俺はさ、今自分に出来ることをやりたいんだよ。いつか歳をとって出来なくなる前に今、やりたい事や夢を叶えるために俺はアメリカに行くんだ。」
夏鈴「そっか。頑張ってな、○○!」
○○「ああ、夏鈴もな。」
そんな話をしたのが高校の卒業式の数日前。珍しく俺に夏鈴ちゃんから連絡が入り、2人でこの街の夜景を見ながらそんな話をしていた。それから数日後、夏鈴は高校の卒業式を私服で参加してしまい、卒業証書だけをもらってスーツだらけの生徒がいる教室から武元と共に逃げるように走って高校から出ていくのを俺は窓から見ていました。そして、時は流れ現在。日本に帰ってきた俺は高校生活最後の夏鈴とのお出かけで夏鈴と共に見ていた夜景越しにそっと撮影した夏鈴の写真を俺は未だに待ち受けにしており、その写真を眺めながら俺はこう告げたのだった。
○○「フフッ。久しぶりに日本に帰ってきたぜ、ただいま!夏鈴!」
一方、武元は今でもその出来事を覚えてるらしくあれ以来会うことがなくなった○○の写真を見ている夏鈴のそばで必ず話していました。
夏鈴「はあ。元気なんかな?○○。」
武元「また夏鈴ちゃん、その写真見てるやん?」
夏鈴「なんやねん、武元。別に良いやんか?」
武元「だってこの写真、毎回見てるやん!やっぱりあの時告白したら良かったんと違う?」
夏鈴「うるさいわ!もうほっといてや!」
ひかる「なになに?また夏鈴ちゃんのアメリカの彼氏の話?」
夏鈴「ひかる!」
ひかる「ごめんってば。そんなに怒んないでよ、夏鈴!」
天「でも、かっこいいよね!」
夏鈴「もう!天まで何言ってんねん!」
保乃「でも、いいな~!こういう同級生がいたなんて夏鈴ちゃんがほんまに羨ましいわ!」
夏鈴「もう保乃まで何言ってんねん!恥ずかしいからやめてや!」
有美子「だってそんなかっこいい子がいたら絶対に告白するはずやけん。なんでせんかったの?」
夏鈴「別に。ただの友達やと思っとっただけやし…もうこの話、良いやん!」
武元「ただの友達?そんなわけないやん!卒業証書だけをもらって高校から逃げた時、泣いてたやん!ごめん、○○って!」
夏鈴「武元!」
でもこの後、夏鈴のスマホに変なメールが来た事から夏鈴は探偵というアニメの世界だと思っていた人に頼る事になるのでした。
ブーブー(スマホのマナー音)
夏鈴「ん?なんや、これ?」
武元「どうしたん?夏鈴ちゃん。」
夏鈴「なんか変なメールが来とるんよ。」
ひかる「夏鈴ちゃんの事を遠くから見てるよだって。それよりも何?この写真。」
天「え?誰かが夏鈴の写真を撮ったっていうこと?」
保乃「これ、まずいって!」
有美子「これって盗撮やけん!夏鈴ちゃん、マネージャーさんに話そう?」
夏鈴「あ、うん。そうやね!」
その後、夏鈴は同じ櫻坂46のメンバーである森田ひかる、山﨑天、田村保乃、関有美子、武元唯衣に説得されてマネージャーさんに話をして対策としてそのメールをブロックするものの何日かに1回は違うアドレスからまたメールが来ていました。結局内容としては最初のメールと同じで夏鈴はなんでこんな目に合わないといけないんだろうと考えるようになりました。そんな矢先、夏鈴はマネージャーさんに呼び出されました。
マネージャー「夏鈴ちゃん、どうする?ほとぼりが冷めるまで休もうか?」
夏鈴「いや、夏鈴は活動をしたいんです!だから休む訳にはいかないんです!」
マネージャー「分かった。その代わりにこの夏鈴ちゃんに対する嫌がらせを解決してくれる人がいるから、ここに行って欲しいんだよね。」
夏鈴「え?この名前と場所って?」
マネージャー「いや、実はね?なんか最近ここに出来た探偵事務所らしくてさ。アメリカ帰りの人らしいんだけど数日前に日本に帰ってきたらしいんだけど、どうかしたの?」
夏鈴「あ、いえ!とりあえず行ってみますね!」
マネージャー「うん。気をつけて行ってきてね!」
夏鈴「はい!」
マネージャーさんから貰った紙に書いてあったのは、佐藤探偵事務所という場所の地図が記されたものでした。そして、マネージャーさんが話した条件に合う人で夏鈴が知っているのはたった一人。あの人がアメリカに行って帰ってきたんだと思うと嬉しくなって急いでその場所に向かうのでした。一方その頃探偵事務所では。
○○「はあ。やっとアメリカから帰ってきたのに誰も依頼人が来ない!どうなってんだよー!チラシを貰った人達~!」
誰も依頼に来てくれない探偵事務所の中で、俺は叫び続けていた。しかし、その直後にかかってきた電話が俺を夏鈴と再会させる為の一報であることはこの時の俺は知る由もなかった。
○○「はい、もしもし!佐藤探偵事務所です!」